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よくわからないで終わってない?発展途上な多様性社会のリアル

よくわからないで終わってない?発展途上な多様性社会のリアル

#SHOW CASE

2022年6月下旬、世界No.1求人検索エンジンIndeed(インディード)の日本法人であるIndeed Japanが、“生きる、働く”を知るライフマガジン『BE』を創刊します。
以前、SDGs MAGAZINE内でも第一回編集部会議を紹介しました。前回記事はこちらからお読みいただけます。
本当に知ってる?「LGBTQ+」当事者のホンネ

『BE』は、「仕事」「職場」「仕事探し」における想いや違和感など、LGBTQ+当事者の方々から寄せられた“声”をもとに誌面作りを行なうことを編集方針に掲げており、この“声”を広く集めるために特設サイトを開設。2022年4月21日(木)から5月31日(火)までの期間、応募フォームからLGBTQ+当事者の声を投稿できるようになりました。

そして、特設サイトが開設した4月21日(木)、編集メンバー4名が一堂に会する『BE』の第二回編集会議が都内某所にて行われました。この編集会議に『SDGs MAGAZINE』が密着。
『BE』創刊に寄せる編集メンバー4人の想いをお届けします。

まず行われたのはコンセプトと企画内容のすり合わせ。全48ページを想定した創刊号は「自分らしく働ける環境・仕事」「LGBTQ+フレンドリーな企業の取り組み」「仕事探し&キャリア設計」「転職」「海外企業の事例」などにフォーカスしたものに。

カミングアウトが必要のない社会を作る

先述したように『BE』は、LGBTQ+当事者の“声”をもとに誌面作りを行なう媒体です。オピニオンリーダーと呼べるような強い発言力を持つ特定の当事者は少なからずいる中で、あえて広く無作為に当事者の“声”を募る理由は何か?かずえちゃんのコメントにヒントを見つけました。

かずえちゃん/2016年にYouTubeをスタート。「LGBTQって身近にいるよ」「あなたは1人じゃないよ」と伝えるため、講演や執筆活動、オンラインサロン「かず部屋」の運営などに力を注ぐ。2020年、ダイバーシティ推進に力を入れる三洋化成工業へ入社。

「自分自身はLGBTQ+のうちの“G”で、ゲイのことはわかるけれど、それ以外のセクシュアリティに対する理解は浅かったんですよね。さまざまな活動を通して気づいたのは、LGBTQ+の悩みはセクシュアリティによっても違うし、当事者自身によっても全く違うということ、それに気付かされました」(かずえちゃん)

また、自身の経験を振り返って次のように続けます。
「LGBTQ+という言葉は徐々に浸透してきたように感じる一方で、“当事者が身近にいないのでよくわからない”という話をたびたび耳にしますよね。でも、それは“いない”ではなくて、“言いづらい”社会があるわけで…」

LGBTQ+という言葉が浸透し、LGBTQ+フレンドリーな企業が増えてきましたが、そんな今でもカミングアウトすることに抵抗を感じている当事者は多いといいます。カミングアウトする、しないはその人自身の選択であり、そこに正解があるわけではありません。大切なのは、カミングアウトしやすい環境を作ることではなく、カミングアウトが必要のない社会を作ることのように感じます。

「誰しもマイノリティとマジョリティの部分ってあると思うんです。僕自身セクシュアリティはマイノリティかもしれないけれど、マジョリティの部分だってある。ゲイであるということは、自分を構成するたった一部分であるということを知ってほしいんですよね。」(かずえちゃん)。

ポジティブなメッセージを届ける

松岡宗嗣さん/政策や法制度を中心とした性的マイノリティに関する情報を発信する一般社団法人fair代表理事。執筆活動のほか、教育機関や企業等での研修・講演実績多数。著書に『あいつゲイだって-アウティングはなぜ問題なのか?』(柏書房)など。

松岡宗嗣さんは『BE』の編集方針をこのように受け止めます。

「ここにいるメンバー以外にも、できるだけ多くの方々に登場してもらいたいと考えています。『LGBTQ+』という言葉の認知は広がってきていますが、例えば“アロマンティック・アセクシュアル(他者に恋愛的に/性的に惹かれない人)”など、見落とされがちな人々のメッセージも発信できる場にしたいです。そうすることで『BE』の意義はより深まるのではないかと感じました」(松岡さん)

ポジティブなメッセージを届けるというスタンスも『BE』の特徴のひとつ。当事者の悩みや葛藤を共有することも重要だが、それだけでなく、一人ひとりの日常やポジティブな側面も多く提示していきたいとも話されていました。

自分なりの価値観を貫いて人生を歩んでいきたいという想い

滝沢ななえさん/元バレーボール選手。引退後にレズビアンを公表。2019年東京・六本木にパーソナルジム「PERSONS Training Salon」を開業。本格的なトレーニングの指導者として人生を歩んでおり、その生き方はコンプレックスを抱える多くの人の心を魅了している。

「私はレズビアンだからといって不幸でも何でもないし、周りからネガティブな意見を投げかけられたとしても反発することも、ましてや落ち込む必要もないだろうという風に感じているんです。それは私が、自分なりの価値観を貫いて人生を歩んでいきたいという想いが強いタイプだからなのかもしれない。こういう自分であっても幸せに生きていますよ、ということだけをポジティブに伝えることは、私の性分に合っているし、その姿を見た人たちが何かを感じ取ってくれたらいいな、と思ってこれまで情報を発信してきました」(滝沢さん)

それぞれの役割と様々な視点から見る

「私も、より遠く、より広い層の人に届けるために、ポジティブなメッセージを多く掲載したいという『BE』のスタンスに共感していますし、滝沢さんのような立場や考え方はとても大事だと感じています。その一方で、当事者が直面している困難などの現実をしっかりと届けることの重要性も感じていて。誰かの悪意のない一言が、当事者を深く傷つけてしまうケースは多分にありますし、深刻に受け止めてもらうべき場面があることを知ってほしい。ここにいるみなさんと『BE』に関わる上で、それぞれの役割をうまく分担しながら、さまざまな視点からの情報やメッセージをバランスよく掲載できると良いのかなと思っています」(松岡さん)

多様性の捉え方を変える

サリー楓さん/2017年より女性として生活。日建設計のコンサルタントとして建築や新規事業の提案を行なう傍ら、LGBTQ+に関する講演を行なう。動画配信プラットフォームNetflixにて、密着ドキュメンタリー映画『息子のままで、女子になる』が公開中。

“多様性”の捉え方自体が転換期にあるのではないか、と語るサリー楓さん。

「“自分らしく生きる”“アナタらしく生きる”ということが、これほどまでに尊重されている時代はなかったと思うんですよ。それはLGBTQ+に関しても一緒で、今企業が関心を寄せているZ世代の中には“多様性”をかなりポジティブに受け止めている方が多くいて、むしろネガティブなイメージを抱く人のほうが少ないと思う。このような、多様性のある社会は素晴らしいという共感を高めるフェーズから、“なぜ日本で実現できないのか”ということに眼差しを向ける実践的なフェーズへと移りつつあるのではないかとも感じていて。LGBTQ+の当事者は13人に1人だなんてデータを目にしたことはあると思います。でも、よくよく考えれば、“多様性”という言葉は13人中の1人だけに向けた言葉じゃないですよね。当事者の声をポジティブに伝えようとする『BE』の在り方は、13人中の12人のひとたちにもメッセージを届けられる、そんな存在になるんじゃないかなと期待しています」(サリーさん)


『Indeed Rainbow Voice 2022』プロジェクト概要
LGBTQ+の方々が、「仕事」「職場」や「仕事探し」で感じたことのある想いや意見、違和感などの声を「BE Voice」として募集中。
・参加方法:特設サイトの応募フォームから投稿。
・特設サイトはこちら
・受付期間:2022年4月21日(木)から5月31日(火)23:59 まで

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