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ニッポン放送『SDGs MAGAZINE』 新内眞衣が語る目標12「つくる責任 つかう責任」“新内マーケット”構想も浮上?!


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12 つくる責任つかう責任
ニッポン放送『SDGs MAGAZINE』 新内眞衣が語る目標12「つくる責任 つかう責任」“新内マーケット”構想も浮上?!

新内眞衣さんがパーソナリティを務めるSDGsを楽しく、分かりやすく学べるニッポン放送のラジオ番組『SDGs MAGAZINE』。11月6日は、今年4月にパーソナリティに就いた新内さんが初めて一人でSDGsについて語る放送回となった。新内さんが今、気になるSDGsに関する話題として挙げたのは目標12「つくる責任 つかう責任」に繋がる「調味料の量り売り」について。“新内マーケット”構想まで飛び出すなど、食品ロス削減をもたらす取り組みを掘り下げた。

初の“一人回” テーマは「調味料」

「これまで有識者の方を招いて、専門的なお話を伺って、ただただ『へー』『ほー』とかうなずいていたのですが、早くも来てしまいました“一人でSDGsできるかな回”。本当に、どのようなお話をしようか考えたのですが・・・」

番組の冒頭で、そう切り出した新内さん。これまでは慶応義塾大学大学院の蟹江憲史教授をはじめ、毎回登場する有識者ゲストにSDGsをさまざまな側面から学ぶスタイルだったが、今回は4月のパーソナリティ就任後初の「一人回」。今、新内さんが気になるSDGsにまつわる話題を自ら掘り下げていくこととなった。

新内さんが今回テーマにしたのが「調味料」や「調味料の量り売り」。蟹江教授から「ウェディングケーキモデル」について学んだ10月16日の放送で、新内さんは食品ロス削減に繋がる取り組みのアイデアとして「一人暮らしをしていると、調味料とかも半分くらい残っているところで賞味期限が切れてしまっていることが結構あるので、そういうことも変えられたらなと思います」と切り出していた話題だ。

新内 「『調味料の量り売り』は、食品ロスをなくしたいという思いで提案したのですが、こうした食品ロスを始め、ごみや無駄をなくすという取り組みは世界的でも話題になっているみたいで、“ゼロウェイス”トと呼ばれていることを知りました。以前、食品ロスの専門家、井出留美さんがいらっしゃったとき(6月13日放送回:ニッポン放送『SDGs MAGAZINE』 新内眞衣と学ぶSDGs 食品ロス問題で考える目標12「つくる責任 つかう責任」)も、地球温暖化の解決策として食品ロスの削減が100ある方法の中でも上から3番目に効果的なものになるというお話をうかがったのですが、深刻な問題として私としても考えていきたいなと思っています」

欧米で広がる「バルクショップ」

実はこの「調味料の量り売り」。少しずつ世界や日本で広がりを見せているものでもある。欧米諸国では「Bulk Shop(バルクショップ)」と呼ばれ、パッケージなしで食品から洗剤などの日用品まで、さまざまな商品を販売するスタイルが日常に溶け込みつつある。例えば、天文台のある街として知られる英国のグリニッジにあるスーパーでは卵や牛乳、調味料はもちろん、化粧品など450あまりの品がずらりと並び、全て量り売りできるのだという。こうした“ゼロウェイスト”の店は、英国全土で371店舗にも上る。

新内 「あるんですね。うらやましい! 牛乳も独り暮らしだと1リットル飲みきれないことって結構あると思うんです。スーパーに行くと500ミリや200ミリのパックも売っていたりしますが、量り売りだったらその日の気分で好きな量を買える。めちゃくちゃ良いなと思います」

また、日本でも挑戦している店があり、その一つが「斗々屋」。「日本初のゼロウェイストなスーパーマーケット」を掲げ、2021年7月に京都市に誕生した食品スーパーで、商品を個別包装せず、客が持参した空き瓶や容器などに詰めて持ち帰るセルフ量り売りが可能となっている。観物、液体はもちろん、野菜、肉、納豆、豆腐など商品も多岐にわたり、モーションセンサーによる会計などテクノロジーによる快適な買い物環境も実現している。

新内 「行ってみたいです! それこそ量り売りの良いところって、食品ロスの削減に一役買うのはもちろんなのですが、鮮度が保たれるところがいいですね。コンソメとか顆粒のものだと、たまに固まってしまったりするんです。ああいうのがなくなると思うと、使いやすいし、この商品をまた買いに行こうという意欲になる。調味料の量り売りって、とてもSDGsになるんじゃないかなと思いますね。しかも、いろいろな商品を取り扱ってくれていると、新しいものにも挑戦しやすいのかなと思います。例えば、塩ならトリュフ塩もあるし、ピンクの岩塩もあるし、カレーの塩もある。普通の沖縄の塩、粒が荒い塩とかもあるんです。そういうのも、置いてあったら買ってみようかなというきっかけになるので、すごくいいなと思いますね」

日本でも増え始める「量り売り」

そんな時、番組スタッフから提案されたのが「新内マーケット」の実現。新内さん自ら厳選した、こだわりの調味料などを量り売りで販売する、SDGsを体現する商店だ。

新内 「つくれるかなあ、『SDGs MAGAZINE』初の・・・。できたらいいですよね。食品をロスしてしまっている人って多いと思うんです。調味料だけではなく、小麦粉、片栗粉とか、意外ともう消費期限が切れているとか、気を付けていても結構あるので、品質を保持するために、どういう技術が必要かはまだ分かりませんし、無知なところもあると思うのですが、いいなと思いますね。まずは全部じゃなくても、塩だけとか、醤油と味噌だけとかでも、量り売りにチャレンジできればいいなと思うんです。そうやって調味料をそろえられれば、一人暮らしを始めることも楽しくなると思うし、自炊するきっかけになるかもしれない。

元々は日本でも昔からあったじゃないですか、量り売りって。私が小さい時も、近所にお豆腐屋さんがあって、豆乳とか、おからとか買いに行ったことがあります。そういう当たり前だったサステナブルなものに、もう一度目を向けるチャンスかなと思います。情報でも何でも、一人の人間が扱う量は増えていますけど、一人の人間が扱うべき量を考え直す時期に来ているのではないかなと思います」

「無印良品」やフランス発のオーガーニックスーパーマーケット「Bio c’Bon(ビオセボン)」やニュージーランド発のケアブランド「ecostore(エコストア)」など、食料品や日用品を量り売りで購入できる店は日本でも増え始めており、新内さんは「家から容器を持参しなきゃいけないという手間はかかるかもしれないけど、手間を楽しめるようになったらいいなと思いますね」と、その流れを歓迎した。

ごまにまつわるSDGs

調味料の視点から番組が次に注目したのは、ごま油などで有名な「かどや製油」のごまに関する取り組み。本WEBサイト『SDGs MAGAZINE』にアップされた記事(ごまの99%は輸入?「かどや製油」が挑戦する、“ごま”で世界をしあわせにする取り組み)に新内さんは驚きを隠せなかった。

ごまの国内自給率は、わずか0.1%未満。91%以上を輸入に頼る作物なのだという。アフリカをはじめとした海外でごまを生産している地域の多くは、他の作物を育てることができないやせた土地で「何も育てないよりはまだいい」という若干、消極的な理由によってごまを栽培している農家が多かった。

そのため知見やデータが蓄積されず収穫や品質が安定しないため、結果として収益が上がらないという悪循環に陥っていたところ、かどや製油が2021年から世界の小規模なごま農家を支援するプロジェクトを開始。実際に、タンザニアに農業技術師を派遣して農業集会を開催したり、栽培マニュアルを配布したり、栽培指導や農地づくりのトレーニングを行ったりしたところ、ごまづくりのモチベーションが高まり、協力し合える環境を構築できたという。現在は、タンザニア以外にナイジェリア、パラグアイと支援の地域を広げている。

新内 「ごまの国内自給率が0.1%未満ということにびっくりしました。確かに商品の裏の表示などを見ても、国内産のごまって、まあ見たことないですね。海外産のものがたくさん見ますね。国内では宮崎などでつくられているとのことですが、ごま油をつくって出た搾りかすを利用したごまだれをつくるというSDGs的な動きもあるそうなので、ぜひ皆さんも、ごまに思いを馳せてみていただければうれしいなと思います」

調味料、ごまと、新内さんならではの視点でSDGsを考えた初の“一人回”。番組の最後に、新内さんは「ふと思った調味料に関するSDGs。掘り下げていくと、いろいろあるなと思いました。皆さんも、食べ物、乗り物、興味がある物を掘り下げていくと、発見があるかもしれません」と、それぞれの興味のある分野でSDGsを見ていくことの大切さを口にした。さらに「今日は“新内マーケット”なるか・・・というくらい調味料についてお話してきたのですが・・・意外と需要はあるんじゃないかなと思ってきました。利益になるかは分からないですけど、需要があるならちょっと考えたい問題かなと思います。海外のスーパーとかに行くと、いろいろな知らない調味料とかが売られていて楽しいじゃないですか。そんな楽しいマーケットができるんじゃないかな・・・とちょっと小声で言ってみます」と、意外にも(?)新たな展開に興味津々の様子だった。