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【迫るアースオーバーシュートデー】地球資源の前借りを終わりに!循環型社会を小売から考える

【迫るアースオーバーシュートデー】地球資源の前借りを終わりに!循環型社会を小売から考える

#OPINION
  • つくる責任つかう責任

サムネイル:(c) Takuma Funaba
「アースデー」という日をみなさんご存じでしょうか?その名の通り「地球の日」です。4月22日は「アースデー」でした。メディアやテレビの報道、著名人のSNS投稿などで、サステナビリティの取り組みを見たという方もいると思います。
「アースデー」は、国境や性別などを超えて地球の環境保護への取り組みをみんなで行う日で、ゴミ拾いをしたり、自家用車ではなく公共交通機関を使って移動をしたりなど、小さなことを多くの人々で気を付けて、地球に感謝をします。
そういった取り組みをする中で、もっと日頃から気を付けたいという気持ちが沸いてくる方もいるかと思いますが、何をしたらいいのか、どうしたら地球の環境がより良いものになっているのか分からないですよね。
その一つの指標となるのが「アースオーバーシュートデー」。実は今、地球の資源を前借りして私たちは暮らしているのです。

資源を前借り?アースオーバーシュートデーとは

「アースオーバーシュートデー」とは、1年で地球が生産できる資源よりも、人間が使っている資源の消費量が上回る日のこと。水産資源や森林など、それらはすべて地球が生み出す資源です。
2022年のアースオーバーシュートデーは7月28日でした。去年のこの日付は、今までで最も早くにオーバーシュートデーを迎えたこととなり、残りの5か月は、地球が今まで貯蓄してきた資源を前借りして過ごしていることになります。世界のアースオーバーシュートデーは7月28日でしたが、国別で見てみるとアメリカとカナダが3月13日、ドイツが4月2日、日本は5月6日と先進国ほど早くオーバーシュートデーを迎えていることが分かりました。
日本のアースオーバーシュートデーが早まる原因としては、冷暖房の使い過ぎや火力発電によって大量のCO2を排出していることにあります。さらに、今では当たり前になっている24時間営業のコンビニや外食、買い過ぎによる家庭内での食料廃棄も原因のひとつです。食品ロスは日本だけでも年間で612万トンも出ているとされ、それを処分するための温室効果ガスで地球温暖化を加速させています。
SDGsが掲げる目標12つくる責任つかう責任においての考え方を改めるため、小売業界に長く携わっている株式会社AKOMEYA TOKYOの代表取締役社長、山本浩丈さんにお話を伺いました。

商品にはストーリーがある

株式会社AKOMEYA TOKYOは、一杯の炊き立てのごはんを中心に広がるおいしい輪をコンセプトに、全国から厳選されたお米と、炊き立てのごはんと相性がぴったりなお供や出汁などの食品、ごはんを彩る食器・調理器具などを扱うライフスタイルショップです。山本さんはAKOMEYA TOKYO設立より前から、国内外の文化に触れ、生産者との繋がりも強くあります。
AKOMEYA TOKYOのホームページにもある通り、人生100年生きるとしたら11万回の食事をすることになります。日本にはご飯を食べる前に「いただきます」と言う文化がありますよね。それは目の前のお米や肉、魚などの命、食材を作ってくれた生産者や地球に対しての感謝の言葉です。山本さんは「忙しい日が続きゆっくりご飯を食べられないときに『いただきます』という気持ちがどうしても適当になってしまうことがあるのではないか、それが食品ロスへの入口なのではないか」と考えています。日本の和食の文化は10年前にユネスコ無形文化遺産に登録されました。それはただ美味しいからという訳ではなく、自然を尊んで調和する姿勢そのものが評価され、登録されたのです。

「『いただきます』という気持ちがあるなら過剰生産をしてしまうことが良くないことだと分かる」と山本さんはお話されていました。
そしてその食品は誰かが大切に作ったもの。作ってくれる人がいなくなってしまうと、その食文化のすべてがなくなってしまうことになります。今、地域の少子高齢化が課題となっていることはみなさんもご存知だとは思いますが、それは生産者からすると、より大きな問題です。
観光で遊びにくる「交流人口」や、移住ブームで田舎暮らしを始める「定住人口」も、もちろん地域の発展には欠かせません。しかし、山本さんたちアコメヤは、地域と多様に関わる「関係人口」を増やすことに貢献する商品づくりや活動をしています。
その土地の生産者がつくり続けてきた文化や、つくられるまでのストーリーを商品に投影して、文化を守りたいと思う人たちに届ける仕事です。実はアコメヤのロイヤルカスタマーは9.2もの道府県と「関係人口」としての関わりをもっているそうです(東京の平均値は2.2道府県)。こうした地域に関心の高い消費者が、アコメヤのような地域の産品を取り扱う事業者から商品を購入することやふるさと納税を行うなどすることで、直接その地域に行けなくても、地域を応援できることがよく分かりますね。ひとつひとつの商品にはストーリーがあると思うと、その食品やものに対してもっと大切に扱おうという気持ちになりますよね。
<AKOMEYA最新事例>※外部サイトに移動します
AKOMEYAの木桶味噌ができるまで①「木桶職人復活プロジェクトのこと」
お米の恵みのアルコールの生みの親、酒井里奈さんに聞く。

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