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地球温暖化の防止に貢献!今注目される「カーボンファーミング」とは


この記事に該当する目標
11 住み続けられるまちづくりを 13 気候変動に具体的な対策を
地球温暖化の防止に貢献!今注目される「カーボンファーミング」とは

みなさんは地球温暖化の防止に貢献すると言われている「カーボンファーミング」という言葉を知っていますか?
聞きなじみのない人が多いかもしれませんが、カーボンファーミング(炭素貯留農業)とは、大気中のCO2を農地などの土壌に貯蔵することで土壌の健康を改善し、温室効果ガスの排出を削減し地球温暖化の緩和に貢献することが期待されています。
そんなカーボンファーミングは、現代の私たちが目指すべき「持続可能な社会」へ近付くための手法として注目されているんです。

今回は、カーボンファーミングの活用方法や可能性についてご紹介します。

農業は温室効果ガスの排出源!?

現代の農業では、家畜の排泄物や肥料などにより、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの主要とされているN2Oや、天然ガスの主成分であり炭化水素の一種であるメタンが排出されています。
これらは二酸化炭素より排出量が少ない一方で、排出量が多いとされているCO2に比べてN2Oは約300倍、メタンは約25倍の温室効果を持っているとされています。

このことから、農業は温室効果ガスの大きな排出源とされており、温室効果ガスが増加することで地球温暖化に繋がり、この問題は結果的に農作物の収穫が不安定になったり、品質にも影響を及ぼすと言われています。

農林水産省は、2050年までに農林水産業のCO2排出ゼロを目指す方針を発表するなど、地球温暖化は常に問題視され改善のための取り組みが行われています。

地球温暖化を防ぐカーボンファーミングとは?

冒頭に紹介した通り、カーボンファーミングとは農地土壌の改善などを通して、より多くの大気中のCO2を土壌や作物の中に閉じ込め、大気中のCO2を削減することを目的とした農業形態です。

現在、140か国以上でカーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みが推進されている中、土壌の健康と食料生産性の両方を改善し、農業分野だけでなく地球全体の持続可能な未来に向けた重要な一歩であると言われているカーボンファーミングが注目されているのです。
一方で、農地の半分以上が水田である日本は、農地の割合が13%、さらに国土に占める畑地や草地の割合は6%と、世界各国と比べても畑地や草地向けのカーボンファーミングだけでは、日本農業のおけるCO2排出量を十分に削減できない可能性が高いという課題も指摘されています。

また、企業などが二酸化炭素やその他の温室効果ガスを削減・吸収した量を国などが認証し、その信用による価値を「カーボンクレジット」と定義することでカーボンファーミングはカーボンクレジットとして認証する仕組みが国際的に開発されています。

ですが、畑地や草地ではその仕組みが活用されている一方で、日本の農地で多い水田でのカーボンファーミングをカーボンクレジットとして認証する仕組みはいまだ開発されておらず、現時点では、水田でカーボンファーミングを実践する経済的メリットはないとされています。

多様性に合わせたカーボンファーミングとカーボンクレジットの活用

農地における課題から独自の戦略が求められる日本において、カーボンクレジット制度を「J-クレジット制度」と呼び、これは日本政府主導で認証を行いクレジットとして発行する日本独自の制度です。

日本国内におけるカーボンクレジットの取り組みは、地方ごとの環境や課題に合わせる必要があります。
例えば、広大な農地や耕地面積を持つ北海道地方では、地域の農業における炭素中和の取り組みにおいて大きな可能性を秘めているとされています。
また、北海道に次いで畑地が多い地域とされている関東地方も、特に都市近郊での野菜栽培が盛んな農業特性から、カーボンファーミングにおける環境貢献が期待されています。

このような日本の特性においたカーボンファーミングの推進について、一般社団法人「脱炭素事業推進協議会」理事長である笠原氏は『成果を最大化するためには、多様なステークホルダーの協力と理解が不可欠であり、取り組みを推進することでJ-クレジット制度はその真の価値を発揮し、世界の環境保全に貢献する』と述べています。

日本の地域や農業の多様性を生かしたカーボンファーミングを導入・推進することで、SDGs 目標7「7エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」と目標13「気候変動に具体的な対策を」への第一歩になるのではないでしょうか。

他人事ではない地球温暖化。私たちが口にする食物を生産する農業において、自分たちにとっても地球にとっても未来のためになる素晴らしい取り組みですよね。
地球が抱える課題を少しでも解決に導くためにも、私たちが出来ることを今一度考えていきましょう。