巨大怪獣フードロスラが人類を襲う!?大事なのは小さな調味料と小さな工夫
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家庭での廃棄食品が年間約244万トンにのぼることをご存じでしょうか。そんなフードロスへの解消策のひとつとして、味の素株式会社は、映画『ゴジラ-1.0』の山崎監督による「フードロスラ」と題する動画を公開、そしてフードロスに対する取り組みをスタートしました。「巨大怪獣フードロスラが人類を襲う!?」その真意を紹介します。
巨大怪獣フードロスラとは?
味の素株式会社は、年間約244万トンと推計される家庭におけるフードロスの現状を伝え、その解消に向けた各家庭でのアクションを促すための取り組みをスタートしました。
まず、家庭での廃棄食品の“悲しみ”が生んだ巨大怪獣「フードロスラ」が登場するWEB動画「フードロスラ どうする!?人類篇」を公開し、同時に「フードロスラ」特設サイトを開設。フードロス問題への理解を深められるコンテンツや、余った食材名を打ち込むと「フードロスラ」を倒すことができるレシピに出合えるという「撃退レシピ検索マシン」などを展開しています。
3月14日に公開し、すでに注目を集めているWEB動画では、映画『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督を起用し、映画さながらの本格的な動画を楽しむことができるという仕立てに。本作は「家庭からでたフードロスの現状について、多くの家庭でアクションを起こしてほしい」という味の素株式会社の思いに、山崎監督が共感し、実現しました。
ストーリーは、全国の家庭から捨てられてきた多種多様な廃棄食品から形成されたフードロスラが、街や人々に襲い掛かるところから始まります。緊迫感ある中継やVFXを駆使したフードロスラの迫力の襲撃シーンや、山崎監督が細部にまでこだわったという装備をまとうレスキュー隊員の登場など、見どころが満載になっています。
そしてラストシーンでは、まったく攻撃が通じないフードロスラに、味の素株式会社の調味料と調理器具を持ったエプロン姿の特捜隊員たちが立ち向かいます。家庭でおなじみの「ほんだし®️」「丸鶏がらスープTM」「味の素®️」などをかかげ、『大事なのは、小さな調味料と、小さな工夫。』のセリフと決めポーズで、フードロス解消のヒントを訴求。短尺動画でありながらも、視聴者がはっとさせられる場面が随所にちりばめられています。
レシピ提案でフードロスに切り込む
本施策の特設サイトでは、フードロスの現状を楽しく学べるとともに、実際に家庭でどのようにしたらいいかを知ることができます。
例えば「フードロスラ大解剖ファイル」にある、フードロスラがどのようにして形成されたかを知ることで、その体が、家庭で余らせてしまった食材、食べられるはずの野菜の芯や茎、食べ残した食材などからできていたことが判明。さらにフードロスラの体重は244万トン(=年間の廃棄食材の量)、推定250メートルであり、これらの廃棄食品は東京タワーに並ぶほどだということが視覚化されています。
また、「フードロスラを攻略する4つの大作戦」として、「野菜まるごと大作戦」「余った食材救出大作戦」「料理変身大作戦」「皮茎芯ヒーロー化大作戦」をかかげ、各レシピも紹介。フードロスラを倒す「撃退レシピ検索マシン」では、食材を打ち込むことでレシピ検索ができる仕組みも導入されています。
このように楽しみながら学べて、解消策でもあるレシピを知ることができるとあれば、大人はもちろん子供とも一緒にフードロスへのアクションをおこせるきっかけになるのではないでしょうか。
大事なのは、小さな調味料と、小さな工夫。
山崎監督はフードロスについて「特にこの仕事の話をいただいてからは、なるべくフードロスが出ないように『ちょうどいい量ってなんだろう』というのを食材を買うときにも料理するときにも考えるようになりました」と言います。
また、今回のフードロスという社会課題をテーマにする上で、意識したこととして次のように語っています。
「やはりエンタメを作っているので基本的には楽しんでもらいたいですが、見た後で「面白かった!」だけで忘れられてしまうんじゃなくて、何か人の心に引っかかるものは残したいですね。今回のフードロスに関しても『食べ物を雑に扱っちゃってるかも』ということを、ちょっとでも考えてもらえたら、大変ありがたいなと思います」
令和3年度の農林水産省及び環境省推計によれば、日本全体のフードロスは、約523万トン/年間でそのうち家庭系が約244万トン(46.7%)、事業系が約279万トン(53.3%)です。約523万トンを国民1人当たりのフードロス量として換算すると、毎日おにぎり1個分(約114グラム)の食品を捨てている計算になります。
食べ物を捨ててしまうのは、もったいないだけでなく、地球環境や経済にも悪影響がおよびます。フードロスラを撃退すべく、『大事なのは、小さな調味料と、小さな工夫。』を胸に、ひとりひとりが実践していきたいものです。
「フードロスラ」特設サイトはこちら
執筆 / フリーライター 小見山友子