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184年の歴史を誇るキュナード・ライン14年ぶりの新客船「クイーン・アン」、初代船長は待望の女性船長


この記事に該当する目標
5 ジェンダー平等を実現しよう 8 働きがいも経済成長も
184年の歴史を誇るキュナード・ライン14年ぶりの新客船「クイーン・アン」、初代船長は待望の女性船長

5月3日、英国のラグジュアリー・クルーズ・ライン「キュナード」の14年ぶりの新しい客船「クイーン・アン」が初出航。壮大な花火の中、キュナードの旗を掲げる249隻目の客船となったクイーン・アンは午後9時過ぎ、7泊8日のデビュークルーズへと出港しました。

サウサンプトンの街には、湾沿いの見晴らしの良い場所などに何千人もの見物客が集まり、その出港を見守りました。

それぞれの時代に君臨した女王の名称が付いた4隻を揃えたキュナード

キュナードの旗を掲げる249隻目の客船となった今回の客船は、キュナードがこれまで受け継いできた豊かな伝統や、王室とのつながり、長い年月を経て磨き上げられた今日の姿を祝して、「クイーン・アン(英語名Queen Anne)」という名称に決まりました。

「クイーン・アン」とは、現在のイギリスの前身となったグレートブリテン王国の初代君主、アン女王のこと。キュナード・ラインはこれまでに既に「クイーン・メリー2」「クイーン・ヴィクトリア」「クイーン・エリザベス」の3隻を運航しており、ここに「クイーン・アン」が加わったことで過去1000年の間、それぞれの時代に君臨した女王の名称が付いた4隻が揃いました。  

ラグジュアリーの“伝統”と“現代”の架け橋となる新たな装い

「クイーン・アン」は、キュナードの過去の歴史からインスパイアされた要素を取り入れながらも、新たな章を刻むために各分野から才能を結集し、新しいビジョンを持って創り出されました。
キュナードの象徴的な船内空間を一新し、ラグジュアリーの“伝統”と“現代”の架け橋となるため、過去と現在の影響力のあるデザイン様式を取り入れ、新たな装いを提案します。

世界的に著名なデザイナーとの協業により、新しい船旅のスタイルを提案する、特別感があり、細部まで心をこめたデザインを実現。内装は、時代を超えて受け継がれたキュナードの洗練された雰囲気をまといつつ、大胆な色調で印象的な美しさを表現しています。

クイーン・アンのデザインチームは、リバプール大学(英国)が所蔵するキュナードのアーカイブから、設計図、素材、ファブリック、パターン、テクスチャーに関する豊富な歴史的資料や詳細を入手。過去のポスターや広告、カタログの表紙、キュナードの初期の装飾が施された船の図面など、あらゆるものを参考にし、洋上で体験できる最高のホスピタリティーにふさわしいコンセプトを実現しました。 

「クイーン・アン」、初代船長はキュナード史上初の女性船長!

クイーン・アンの処女航海を含む最初のシーズンの船長を務めるのは、キュナード史上初の女性船長、インガー・クレイン・トーハウガ氏。

トーハウガ氏は、1997年にキュナードのヴィスタフィヨルドで二等航海士としてそのキャリアをスタートさせ、2010年にクイーン・ヴィクトリアの船長に就任。フェロー諸島(デンマーク)出身で、クイーン・ヴィクトリア、そして近年ではクイーン・エリザベスの船長を歴任。クイーン・アンがデビューする2024年は、トーハウガ氏にとって、キュナード入社25年の節目を迎える記念の年となります。

女王の名がついた船で知られるキュナードの、待望とも言える初の女性船長。船長というと男性を思い浮かべる人がまだ少なくないかもしれませんが、こうした著名な船の船長を女性が務めることで、世界的にもその印象が大きく変わるかもしれません。

何千人もの見物客が集まる新たな船でますます注目されるキュナードから、今後も目が離せませんね。


執筆/フリーライター Yuki Katagiri