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遺伝性のがん「HBOC」とはがん予防の選択肢を増やすことにも繋がるミリアド・ジェネティクスの取り組み


この記事に該当する目標
5 ジェンダー平等を実現しよう
遺伝性のがん「HBOC」とはがん予防の選択肢を増やすことにも繋がるミリアド・ジェネティクスの取り組み

パーソナリティの新内眞衣さんとともにSDGsを楽しく分かりやすく学べるニッポン放送の『SDGs MAGAZINE』。3月8日の国際女性デー当日には、放送時間を2時間30分に拡大した特別番組「新内眞衣のSDGs MAGAZINE増刊号」がオンエアされた。多くのゲストを迎えて目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を中心に理解を深めていった今回の放送では、女性に関わる病気にも着目。医療機器開発会社,ミリアド・ジェネティクス合同会社の取り組みを取り上げ、遺伝性のがんの一つである「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)」について考えた。

国際女性デーに合わせ、「新内眞衣のSDGs MAGAZINE増刊号」としてオンエアされた今回の放送では、新内さんとニッポン放送の東島衣里アナウンサーが、さまざまな分野のゲストを迎え、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」の達成につながる活動などが紹介された。その一つが、遺伝子検査などの分野で世界的に知られる米ユタ州ソルトレイクシティを拠点とするミリアド・ジェネティクスの取り組み。ミリアド・ジェネティクスの黒中陽介氏に、東島アナウンサーが話を聞いた。

東島 「ここからは、全ての人の健康と幸せに貢献することを目指し『HBOC』の情報を広く伝える取り組みを行なっている『ミリアド・ジェネティクス』の黒中陽介さんにお話を伺います。どうぞよろしくお願いいたします」

黒中 「よろしくお願いいたします」

女性が生き生きと輝き続けられるための社会を実現するには、女性に関わる病気についての理解を深めることも大切といえる。日本人女性に最も多いがんが乳がんであり、その中でもまだまだ知られていないのが、今回取り上げる「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)」だ。生まれつき遺伝子に変化があり、乳がんや卵巣がん、膵臓がんのリスクが高くなる体質を表し、若い年齢でがんを発症しやすいという特徴もある。

そもそも乳がんは乳腺と呼ばれる組織にできることが多いがんで、罹患する原因としてエストロゲンなどの女性ホルモン、食生活、生活習慣などさまざまなものが挙げられる。それらとは異なり遺伝子の変化が原因となるのが「HBOC」で、乳がん全体の4%から5%、卵巣がんでは全体の10%から15%が該当するとされる。検査によって原因を特定でき、「HBOC」と診断されたからといって必ずがんを発症するわけでもない。また、「HBOC」の診断には医療機関で行う遺伝学的検査が必要で、遺伝子にがんとの関連が強いといえる変化が起きているかいないかを調べ、強い関連が起きていると認められた場合に「HBOC」と診断される。

遺伝学的検査は医師や認定遺伝カウンセラーと相談して希望によって受けられ、患者自身の意思が尊重される。もし「HBOC」と診断された場合、既にがんを発症していれば薬物療法や乳房の切除、卵管・卵巣の摘出といった手術などが行われる。早期発見が難しい卵巣がんの発症予防を目指し、希望によって発症前に手術を受けるリスク低減手術を選択することも可能。いわば「HBOC」と分かることで、自身や親族にとって、がん予防の選択肢が増えることにも繋がる。そんな「HBOC」の啓発をミリアド・ジェネティクスは行っている。

東島 「まずは『ミリアド・ジェネティクス』がどういった会社なのか教えてください」

黒中 「われわれ『ミリアド・ジェネティクス』は、米国ユタ州ソルトレイクシティを拠点とした医療機器開発会社です。主にがんやメンタルヘルスなどを対象とするさまざまな検査を手掛けています」

東島 「『HBOC」の啓発として『ミリアド・ジェネティクス』では、どんな取り組みをされているのでしょうか」

黒中 「説明がありました通り、乳がん、卵巣がん、膵臓がんといったもの自体には非常に多くの認知があるんですけれども、その中でまだ『HBOC』は非常に認知の少ない、まだまだ馴染みのない疾患です。なので、一般の方が『HBOC』に対する疑問や不安を感じた時に、少しでもそれを解消できるように、あるいは正しい情報を入手できるように『HBOC』を正しく知ってもらうためのWEBサイトを公開しています」

東島 「はい」

黒中 「特に疾患の特徴や、どういったリスクがあって、どういう診断・治療、そして医療保険がどのように適用されるのかといった情報をまとめながらご紹介しています。さらに、われわれの側だけでなく、専門の医療従事者にもご参加をいただいて、医師による解説、あるいは患者さんの体験談に基づいた動画を作成し、開催している啓発のイベントの情報もご覧いただけます」

東島 「イベントではどういったことをされているのですか」

黒中 「毎年10月はピンクリボン月間に指定されていて、たとえば都庁ですとか、そういった建物がライトアップされるのは皆さまご存知かと思うんですけれども、そういったところに医師や、『HBOC』の方だけではないのですけれども乳がんの当事者の方をお招きして、オンラインで開催いたしました。当事者によるセミナーや医師の方を交えたトークセッションを実施し、さらにVTuberの方にご出演をいただいてスペシャルコンサートに出ていただくなどして、非常に多くの方にご視聴いただくことができました」

東島 「なるほど」

黒中 「加えて、弊社では公式のSNSアカウントを積極的に活用して、多くの疾患の情報を発信しています」

東島 「いろいろな方に知っていただくためのきっかけを、たくさんつくっていらっしゃるということですね」

黒中 「そうですね」

最後に、黒中氏からリスナーへメッセージが伝えられた。

黒中 「私たちの会社は医療従事者の方が適切な診断をしたり、がんの患者の皆さまがご自身に合った最適な治療を受けられるようにしたり、医療機関で行うゲノム医療を通して全ての人々の健康と幸せに貢献していきたいと考えています。何が一番大切なことなのかというと、がんのことを正しく知って、知識を深めることだと思っていますので、そういった情報発信をこれからも続けていきたいと思います。一人でも多くの方に『HBOC』のことを知っていただきたいというふうに考えています」

東島 「そうですね。知るための第一歩にしていただければと思います。皆さん、『HBOC』をこの機会に知っていただいて、ぜひWEBサイトもチェックしてみてください。検索は『正しく知りたい! HBOC』でお願いします。こうした情報発信が、女性が健康で生き生きと輝き続けられる社会に繋がるといいですよね。黒中さん、今日はありがとうございました」

黒中 「ありがとうございました」