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岡山県がこれまでにない環境に配慮した新しい形にチャレンジした第74 回全国植樹祭


この記事に該当する目標
15 陸の豊かさも守ろう
岡山県がこれまでにない環境に配慮した新しい形にチャレンジした第74 回全国植樹祭

昭和25年以来、国民の森林に対する愛情を培うことを目的に、社団法人国土緑化推進機構と都道府県の共催によって各都道府県にて毎年開催されている全国植樹祭。天皇皇后両陛下の御臨席のもと、式典行事や記念植樹が行われます。今年度の開催地となった岡山県は、随所に環境への配慮を取り組んだこれまでにない植樹祭を実現、そのレポートをお届けします。

地球にも人にもやさしい植樹祭。今年のテーマは「晴れの国 光で育つ 緑の⼼」

今年の全国植樹祭のテーマは「晴れの国 光で育つ 緑の⼼」。式典行事の会場となったジップアリーナ岡⼭には、全国各都道府県から3000人もの参加者が集まり、大人から子供まで、多くの人が緑に対しての理解を深め、楽しく学べる場となりました。

岡山県で全国植樹祭が開催されるは57年ぶり。天皇皇后両陛下によるお⼿植えでは、樹⽊6 種類が植えられました。そのうちの一つであるアカマツは、県の⽊として広く県⺠に親しまれ、昭和42 年の第18回⼤会で昭和天皇と香淳皇后が植えられたお⼿植えされた樹⽊でもあります。

一方お⼿播き(種子を撒く)では、ヒノキ、スギの2 種類を天皇陛下より、ヤマザクラ、イロハモミジを皇后陛下より種をまかれました。それぞれ林業と四季折々の景観の形成への願いが込められています。
この、お手植え・お⼿播きでに使用した客土が圧巻で、国産の⽊材チップを特殊処理した独⾃の⼟壌改良材「DW ファイバー」と⼯業⽤⽔の浄⽔過程で⽣まれる⼟を10 対1 で混合して使用されているそう。国策として利用促進が進められている国産木材の端材や間伐材、林地残材や河川木といった木質資源が有効活用されているだけでなく、土の中で分解・土壌化され、環境不可を抑えながら利用することができるなど、隅々まで考慮された環境への取り組が優れています。

岡山県ならではの新たな取り組みとして開かれたPR会場

全国植樹祭では、毎年開催地になる県を代表する特産物の物産展などが併設されますが、今年、岡山県では新たな取り組みとして、展⽰PR 会場、「ECO&MOK ハレひろば」が開かれました。ここでは、県内事業者等の環境配慮製品・技術・取組や森林・林業・⽊材関連の製品・技術などについて紹介されています。前述したお⼿播きの品種も、実は花粉症対策の一環の取り組みの一つ。今回使用したヒノキとスギは、勝央町にある県の森林研究所で採られた、少花粉品種の種から苗木にしたものだそう。昨今、国民の約4割が患っていると言われる花粉症は、社会的な問題として、抜本的な対策の実施が求められています。岡山県は、70%を森林が占め、昔から林業が盛んな地域です。木材に適したスギやヒノキを育てるために研究を重ねてきたノウハウを生かし、苗木の植え替えで少花粉スギやヒノキを広げてきたこの分野のリーダー県として、花粉発生源対策プロジェクトチームに参画し、真摯に取り組んでいます。「ECO&MOK ハレひろば」では、これまでのあゆみや展示から、小花粉への取り組みについても詳しく知ることができました。

そのほかにも、県内事業者等の環境配慮製品・技術・取組や森林・林業・木材関連の製品・技術などの発信と交流が行われ、ヒノキを使ったマイ箸づくり体験や自転車での発電体験、木の折り紙で千羽鶴を折るワークショップなど参加できるプログラムを楽しむことができました。
さらには、この屋外会場の電源は PHEV 車からの給電でまかなわれていたり、会場の随所に設置されているベンチが東京 2020オリンピックパラリンピック選手村で使用されたレガシーCLT材を使用して制作されるなど、環境への配慮をテーマにしているだけあって、随所で工夫がされていました。

いかがでしたでしょうか。岡山県が県をあげて取り組む地球環境外の取り組みを知ることで、地球を、自然を守り、そして私たちも豊かに生活するために、一人一人ができることがないか、と改めて考えさせられるイベントとなっていました。また、岡山県では植樹祭の後もメモリアル展示やアフターイベントとして県民が参加する植樹イベントを開催するなどして、地域緑化を積極的に取り組んでいます(アフター地域植樹は9月27日まで参加者を募集中)。

次回2025年の開催地は全国植樹祭は、埼玉県。66年ぶりとなる埼玉県での開催も、今から目が離せません。