ごみ拾いで日本代表を目指せ!日本財団スポGOMIワールドカップ2025がいよいよ始動
この記事に該当する目標
海洋ごみ問題が世界的に深刻化しています。海の美しさを守るために、私たちは何ができるのでしょうか。今すぐできることーーそれがごみ拾いです。
世界の海をきれいにするために日本財団が舵を取り、2018年、産官学民・オールジャパンで「海洋ごみ対策プロジェクト」がスタートしました。年々この活動は盛り上がりをみせ、今では世界的なムーブメントとなっています。
2023年には史上初のスポGOMI ワールドカップが開催され、世界21か国の代表が渋谷に集結! 日本は惜しくもイギリス代表に敗れ、2位という結果でした。そして、いよいよ第2回の開催が発表されました。誰でも日本代表としてワールドカップに出場できるチャンスがある「スポGOMI」に、あなたも参加してみませんか?
いつの間にか夢中になってごみを探し始める「スポGOMI」
海をきれいにするには、プラスチックを「使わない」「出さない」「出たものは回収する」といった対策が必要です。海洋ごみの約8割は、陸と街で発生したもので、水路や河川を伝って海へ流れ出ています。だからごみを拾うことで、私たち一人ひとりが、海にごみを行かせない最後の砦として、海を守るヒーローになれるのです。
プラスチックごみだけでも、世界の海に合計1億5,000万トン以上の量が捨てられていると言われています。毎年約800万トンものごみが新たに海に流出していると推定されています。このままでは2050年の海は、魚よりごみの量が多くなると言われるほど問題は深刻化しているのです。
そこで、「陸と街で発生したごみを、みんなで拾おう!」として、ごみ拾いにスポーツの要素をかけ合わせた「競技」としてスポGOMIが始まりました。スポーツになったことで、これまで社会貢献活動にあまり意識を持ってなかった人や、ごみ拾いを一度もやったことがない人々が大勢参加しました。
日本でごみを一番多く拾った人であれば誰でも、日本代表としてワールドカップに出場することができます。ちなみに第1回となる2023年では、21か国で予選会が開かれ、大会全体で約9トンものごみが収集されました。
1つごみを拾えばポイントとして換算され、拾えば拾おうほど海がどんどん美しくなっていく手応えが得られます。競技になることで、ごみ拾いにワクワクと楽しさ、爽快感が生まれ、参加者はいつの間にか夢中になってゴミを探し始めるのです。
スポGOMIに参加するにはどうする?
はじめに47都道府県にて地方予選大会が実施されます。そこで47チームが優勝をかけた全日本大会への出場権が得られます。全国大会での優勝チームは「日本代表」として、ワールドカップ出場への切符を手に入れることができます。
ルールは、1チーム3名で申し込みます。性別は関係ありません。決められたエリアを制限時間内にごみを拾い、量や種類に応じて与えられるポイントを競い合います。ただし、分別がちゃんとできていなかったり、粗大ゴミ、飲み物が入ったままのペットボトルが入っていると減点されます。
また、スポGOMIはあくまでもスポーツです。「相手を尊重する」「ルールを尊重する」「審判を尊重する」といったスポーツマンシップに則っています。みんなで同じ目標に向かい、戦略を練りながらチームで力を合わせなければ戦いに勝つことはできません。
2024年10月1日(火)に開催された記者発表当日は、3人のアンバサダーが登壇しました。競泳オリンピアンの松田丈志氏は、「オリンピアンになるには並外れた才能と努力が必要ですが、スポGOMIは誰でも日本代表になれるチャンスがあります。みなさんもぜひ挑戦してください」とスポGOMIの魅力を話しました。
射撃パラリンピアンの田口亜希氏は、「車椅子の人でも参加しやすいように、去年からルールがアップデートされました。障がいがある人もない人もみんなが参加できる競技です」。そして、陸上100mハードルのオリンピアンの寺田明日香氏は、「海洋ごみが身近な問題として、世界中の人々と環境を考える機会になるのがスポGOMIです」と、海洋ごみ問題が自分ごとになった体験を話されました。
2023年に初開催されたスポGOMIワールドカップで集められたごみの総量は約9,000kg。このワールドカップへの参加国が増えれば増えるほど、毎年約新たに海に流出するごみはどんどんなくなっていくのではないでしょうか。拾うごみがなくなって、スポGOMIを開催する日がいずれなくなる日が来ることを、スポGOMIが何より目指すところだそうです。
スポGOMIワールドカップ公式サイトはこちら
アイキャッチ画像:写真左から(敬称略)、陸上100mハードルオリンピアン・寺田明日香、日本財団会長・笹川陽平、競泳オリンピアン・松田丈志(JOCアスリート委員長)、射撃パラリンピアン・田口亜希
執筆/ フリーライター 脇谷美佳子