英国のラグジュアリークルーズライン キュナードが、2025年10月31日にニューヨークから出発するテーマクルーズ「大⻄洋横断ファッション・ウィーク」のヘッドラインデザイナーに世界的ファッションディレクターのクリスチャン・シリアノ氏を迎えることを発表しました。
キュナードの船旅がこれまで以上に注目されることになりそうです。

世界的なスターやセレブに愛されるクリスチャン・シリアノ氏

クリスチャン・シリアノ氏は、ロンドンでヴィヴィアン・ウェストウッドとア
レキサンダー・マックイーンのもとでキャリアを積んだ後、2008年に自身の同名コレクションを設立。多くのセレブリティから愛されるファッションデザイナーのひとりです。

彼のデザインは、レディー・ガガ、オプラ・ウィンフリー、ジュリア・ロバーツをはじめ、ミシェル・オバマやカマラ・ハリスなど、世界的なスターやセレブリティたちによって着用されてきました。ブランド創立15周年を迎えたばかりのシリアノ・アトリエは常に変化するファッション業界において、美と多様性を守り続けています。

クリスチャン・シリアノ氏が今回ヘッドラインデザイナーを務めることとなったのは、クイーン・メリー2で実施される2025年10月31日から11月7日のニューヨークからサウサンプトンへの大⻄洋横断ファッション・ウィーククルーズ。クイーンズ・ルームで行われるランウェイでは、ファッション界の著名な顔ぶれを揃え、彼の貴重なアーカイブ作品を披露することも予定しているといいます。

また、ロイヤル・コート・シアターでのQ&A セッションイベントでは、本人による本へのサイン会も行われます。

デザイナーの登竜門でもある大⻄洋横断ファッション・ウィーク

今回で5回目となる大⻄洋横断ファッション・ウィーク。2016年に行われた第1回からこれまで、クイーン・メリー2のアールデコ調でまとめられたスタイリッシュな客船を舞台に、ファッションの素晴らしさを発信し続けています。
これはファッションコンサルタントのギル・サックロフ氏によって発案されたもので、今やキュナードの代表的なテーマクルーズの一つです。

これまでに迎え入れた著名人にはエリザベス・テイラー、リタ・ヘイワース、メリル・ストリープ、ユマ・サーマン、カーリー・サイモンなどがおり、過去のキュナード大⻄洋横断ファッ ション・ウィークのヘッドライナーには、ダム・ザンドラ・ローズ、ジュリアン・マクドナルド、バージニア・ ベイツ、スティーブン・ジョーンズなど名だたるデザイナーが並びます。

このイベントは、著名なデザイナーが作品を披露するだけでなく、才能ある新進気鋭のデザイナーの登⻯門にもなっています。

クルーズラインとデザイナーのタッグが生み出す新たな可能性

SDGsの目標17は「パートナーシップで目標を達成しよう」です。今回のように世界的に人気のあるクルーズラインとファッション業界がタックを組めば、そこから色々な可能性が生まれていきます。

例えばクルーズが寄港する地域の地元ブランドと提携しショーを行えば、地域産業の支援になり、地元経済の成長に寄与し、目標8「働きがいも経済成長も」の達成に繋がります。異なる業界や組織が協力することは、社会全体で持続可能な発展を目指すための重要な基盤になります。

来年、実際にこのショーでどんなものが表現されるのか、今から楽しみですね。


執筆／フリーライター Yuki Katagiri