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“ものづくり”の可能性と未来を実感するインパクト&イマジネーション訴求型展示――神戸製鋼所が大阪・関西万博 未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」パビリオンに展示


“ものづくり”の可能性と未来を実感するインパクト&イマジネーション訴求型展示――神戸製鋼所が大阪・関西万博 未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」パビリオンに展示

大阪・此花区の人工島・夢洲で行われるEXPO2025大阪・関西万博では、2025年4月から10月にかけて、国内外の多種多様な展示やイベントが行われます。たくさんのパビリオンの中でも未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」(以下、「未来の都市」)は、2025年日本国際博覧会協会と12者の企業・団体による共同出展。パビリオンでは、経済発展と社会課題の解決を両立することを目指した未来の都市の姿が描かれて行きます。

大手鉄鋼メーカーの神戸製鋼所は、「未来の都市」に協賛しており、同社がこれまで手掛けてきたものづくりの未来と可能性を追求した展示を行います。展示の狙いやこだわりについて、神戸製鋼所の大溝貴史さんと神尾真裕美さんにお話を伺いました。

製鋼だけでなく、産業機械やエンジニアリング、電力など幅広い事業

神戸製鋼所は、1905年に鈴木商店が小林製鋼所を買収したことを創立とし、以来120年にわたって事業を展開してきました。1979年には国際統一商標として「KOBELCO」ブランドを制定。鉄鋼、アルミ製品をはじめ、チタンなどの素形材、溶接材料、圧縮機など産業機械、プラントや社会インフラのエンジニアリング、油圧ショベルなどの建設機械、電力供給など、幅広い事業を展開し、社会のニーズへの対応や課題解決に貢献してきました。

「これまでいろいろな事業を手掛けてきました。今のような多彩な事業を展開している背景には、大きな鉄鋼メーカーと規模で勝負するのではなく、ニッチなところにこだわったり、新たな分野で事業の発展性を模索したりしてきた結果だと思います。特に発電事業は阪神淡路大震災の経験から電力の卸売事業を手掛けるようになり、今では大きな柱の事業の一つとなっています。120年という歴史の中で、さまざまな技術を培ってきたというのが、私たちの強みだと考えています」

未来でも息づく「ものづくり」の魅力を伝える展示

KOBELCOグループの展示では、変化し、つながり、掛け合わせて進化しながら社会を支え続ける「ものづくり」を、3つのゾーンで表現していきます。関西に数多くの拠点を抱える企業として、せっかく関西で行われる万博だからこそ、一生の記憶に残るような展示をするべきではないか、と協賛を決めました。

「実は私たちの展示では、目に見えて分かりやすい未来の技術や製品を展示はしません。私たちの事業自体がB to Bであって、何かの機械の一部を作るための素材であったり、製造現場で使用される産業機械であったりするため、それをそのまま提示してもわかりにくいものになってしまうためです。私たちは「ものづくり」をしている企業ですが。最近はデジタル技術に注目が集まっていますが、デジタル技術を活用するためのパソコンやタブレット、スマートフォンにも、必ず「ものづくり」の技術が必要になっているのです。ですので、今も昔も「ものづくり」が社会を支えていることは変わりはなく、「ものづくり」ってやっぱり面白い、と思ってもらえるようなものをお見せ出来ればと考えています」

「ものづくり」はいつの時代でも、世の中の下支えとして連なっています。さまざまな技術革新が起こり、想像を超えるような未来が訪れたとしても、そこには必ず「ものづくり」の技術が息づいていることが伝わるような展示になっているそうです。

3つのゾーンには、それぞれにテーマがあります。まず目に飛び込んでくるのは、球体ビジョンの「象徴」ゾーン。この球体には、同グループが実施している子ども絵画コンテストの作品をヒントに、未来の都市のイメージが映し出されます。続く「リアル」ゾーンは、絶えず動き続けるボールコースターと映像コンテンツとを組み合わせた今までにないような、目で見て体感できる展示となっています。

1つ目の「『象徴』ゾーンでまずイメージを掴んでもらい、2つ目の『リアル』ゾーンにある、ボールコースターで、ものづくりの一連の流れ、連なりをボールの動きと機械仕掛けで体感をしていただきたいと考えています。今回の万博会場の中では、様々なデジタルコンテンツが溢れている中で、やはり、リアルなものをお見せしたいと考え、機械仕掛けのようなボールコースターを置くことにしました。リアルなものの動きと映像をうまく組み合わせ、様々な技術・製品が関わり、社会とつながっていることを表現できればと考えています。」

3つ目のゾーンには、5.25メートルもの巨大なスクリーンが設置された「ダイナミック」ゾーンです。見上げるほどの大きなモニターに映し出されるのは、現在の「ものづくり」と未来の「ものづくり」。赤く燃え滾る金属など、まさにダイナミックな映像で、その魅力を伝えていきます。

「例えば、製鉄ひとつとっても、石炭で製鉄しているのか、水素で製鉄しているのか、ぱっと見てわかるものでもありません。ただ、赤く溶けている金属は、きっと未来でも同じ。1000年前の鉄も、1000年後の鉄も、鉄は鉄ですから。だからこそ、まずはその製造現場の迫力を感じていただきたいですね。その後には、未来の自動車や街、未来の製造現場など、さまざまな風景が映し出されます。その未来の風景には様々な「ものづくり」が息づいている…といった感じで、「ものづくり」の魅力を『おっ!』と、感じ取っていただけるように工夫しています」

使うエネルギーを変える、リサイクル率を上げる、環境に影響のあるものの使用量を減らすといった、新しい技術による製造方法の変化はあっても、例えば、金属を使うということ自体をきっと未来の人類もやめることはありません。展示を通して、子どもたちにはやがて訪れる未来を、もっと身近に感じ取ってほしいと考えています。

「やはり万博のメインターゲットは子どもたち。そんな子どもたちが大人になった時に、こんな未来、こんな社会になっているといいなと思える、明るい未来を描いていきたいですね。自分達がこれから生きていく未来を、もっと身近に感じてもらえたら、一番ありがたいですし、『あれってどうなっているのだろう?』『これを作るにはどうすればいいのだろう?』という、たくさんの「?」を積み重ねていくきっかけになれたら。そんな問いを投げかける展示になれば大変嬉しく思います」

世の中に必要とされ、世の中を支える企業に

同グループではサステナビリティな取り組みにも積極的です。環境先進企業グループを目指し、環境に配慮した生産活動や、技術・製品・サービスを通しての環境への貢献、社会との共生と協調を実践しています。

「まず大きなところではCO2の削減です。製鉄においても石炭をなるべく使わないようにするにはどのようにすればいいかを検討していますし、発電においてもアンモニアを混ぜて燃焼させるなど、石炭以外のエネルギーの検討を進めています。私たちは金属素材の製造や製造現場で使われる機械を製造しているように、様々な「ものづくり」を下支えしている会社であり、人にやさしいもの、地球にやさしいものを作っていきたいと考えています」

また、同グループは創作童話コンテスト「KOBELCO森の童話大賞」を主催しています。小・中・高校生を対象に「森」をテーマにした創作絵本を募集するコンテストで、金賞作品は実際に絵本作家の手により絵本化し、学校や図書館などに寄贈。生き物を育み、豊かな恵みを与えてくれる森を通して環境の大切さを考える機会を創出しています。

「私たちは、自然から恵みをいただいて事業を行っています。だからこそ、自然を未来につないでいくことを考えていかなければなりません。自然を考えるきっかけにしたいという想いから、例えばお話の中の木は六甲山のどのあたりの木なのか、というところも事務局がしっかりと調べて確認しています。子どもたちが読むものだからこそ、より真面目に取り組んでいます」

事業においても、こだわりすぎることなく、必要なことに対して形を変えながら、人の暮らしを支える取り組みをしていきたいと考えています。

「たくさんの事業に手を伸ばしていますが、今の事業を50年後にもすべて続けているかどうかは分かりません。ただ、世の中に必要とされる企業でありつづけたいと思っています。様々な課題を解決するために培ってきた技術を活用して、世の中を支える企業であること。それが、未来でも私たちのあるべき姿ではないかと考えています」

大阪・関西万博 未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」詳細はこちら


神戸製鋼所
総務・CSR部 担当役員補佐 秘書広報グループ担当部長 大溝貴史さん
総務・CSR部 担当部長 兼 総務グループ長 神尾真裕美さん