企業努力で脱・動物レザー、アシックスがスポーツシューズ生産におけるカンガルーレザーの使用中止を発表
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スポーツ用品メーカーのアシックスが、2025年末までにスポーツシューズの生産におけるカンガルーレザーの使用を中止することを決定、発表しました。
動物レザーの使用には賛否両論ありますが、SDGsの観点から見ると、この決定はいくつかの目標達成に寄与する価値あることだと言えるでしょう。
高品質、高性能であることと同時にサステナブルであることを追求
スポーツ用品メーカーとして、品質の高さ、そして科学的研究に基づいた機能性や快適性を継続的に追求し、トップアスリートをはじめ、多くの顧客のパフォーマンス向上に寄与する製品の提供に努めてきたアシックス。
同社は創業哲学「健全な身体に健全な精神があれかし(Anima Sana In Corpore Sano)」のもと、健全な心身はもとより、 健やかな環境が将来世代まで続くよう、あらゆる事業活動においてサステナビリティを推進しています。
今回の決定は、従来採用していたカンガルーレザーを使用する製品より高性能かつ持続可能性の高い製品を開発できたこと、その製品が市場から好評である点などから判断したといいます。
陸の豊かさを守る、責任感ある製品作り


カンガルーレザー、すなわち動物レザーの使用停止は、動物倫理や持続可能性を考慮した「責任ある生産」に繋がります。消費者側にも、エシカルな選択、倫理的消費を促す動きとなり、企業と消費者双方の意識向上が期待されます。
従って、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に寄与すると言えるでしょう。


また、動物レザーの使用を減らすことは、生物多様性の保全につながります。特にカンガルーのような野生動物の乱獲や人間活動による生態系への影響を減らすという意味で、この取り組みは目標15 「陸の豊かさも守ろう」に直結します。
今回の発表の対象となる製品は、サッカー用スパイクシューズ、フットサル用シューズ、ラグビー用スパイクシューズの3種類。カンガルーレザーの代わりにそれぞれどんな素材が使われるかは明記されていませんが、ただ単に使用を中止するのではなく、それよりも高性能で、好評な製品を開発したうえでの発表という点で、アシックスの本気と自信が伺えます。
アシックスは、今回の発表にあたり、「今後も倫理的な調達を重視し、持続可能な事業活動を通じて、
世界中のすべての人々の心身の健康向上に寄与する製品、サービス、環境の提供をめざします。」としています。
今後も、スポーツ業界のサスティナビリティへの取り組みに注目です。
執筆/フリーライター Yuki Katagiri






