10億個の星がつなぐSDGs|相模原市の”宇宙を身近に感じられる”まちづくり
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開館30周年を迎えた相模原市立博物館が、7月16日、県内最大級の直径23メートルドームを誇るプラネタリウムをリニューアルオープン。新たな投影機などの導入で、10億個の星々と8K全天周映像を同時に体験できる、世界初のプラネタリウムとして生まれ変わりました。
相模原市は、このプラネタリウムを起点として、「宇宙を身近に感じられるまち さがみはら」として市民同士の絆を深めています。
ここでしか体験できない世界初のハイブリッド技術でこれまでの約4倍、10億個の星の投影が可能に!


リニューアルした相模原市立博物館のプラネタリウムには、 株式会社五藤光学研究所が製造する投影機、「ケイロンⅢ」の特別仕様機「ケイロンⅢSAGAMIHARA」を導入。これまでのプラネタリウムで投影できる星の数は約2万5千個でしたが、この投影機の導入により、10億個の星を投影できるようになります。
「ケイロンⅢSAGAMIHARA」では、色に特徴のある主恒星299個を固有色で再現し、銀河系を構成する約10億個の微恒星や300以上の星雲・星団まで高精細に映し出し、まるで本物の夜空が目の前に広がるような繊細な星空表現を可能にします。加えてドーム内には、全天周対応の8Kデジタル映像システムを装備。
世界初となる10億個の星を映す光学式投影と8Kの高解像度映像が合わさったハイブリッドシステムを実現しました。これにより、よりリアルで吸い込まれるような星空や、没入感溢れる鮮明な映像を楽しめるプラネタリウムに生まれ変わっています。
また、県内最大級・直径23メートルのドームスクリーンを改修し、スクリーンの反射率を向上させたほか、パネルの継ぎ目を見えにくくし、投影機の性能を最大限に引き出しています。さらに、音響、照明設備もアップグレード。コンサート等の用途に応じた演出も可能となっています。
JAXAと連携したオリジナル番組や関連番組の上映も
リニューアルを機に、プラネタリウムのドームを利用し、隣接するJAXA宇宙科学研究所(JAXA 相模原キャンパス)が2026年に打ち上げ予定の「火星衛星探査計画 MMX」を紹介する”全天周映画”の放映がスタートしました。
また、JAXA宇宙科学研究所による協力を得て制作した JAXA相模原キャンパス内の各施設を映像や全天周画像で紹介するこのプラネタリウム専用のオリジナル番組(1作品3分程度、全12作品)の投影も、解説員による生解説と共に、令和7年10月以降順次開始します。
プラネタリウムのリニューアルを起点に「宇宙を身近に感じられるまち さがみはら」として市民の絆を深める
相模原市立博物館は、リニューアルオープン当日の7月16日、抽選により選ばれた市民100名を招きリニューアルオープン式典を開催しました。イベントでは相模原市長のあいさつをはじめ、カウントダウンによる点灯式、市内小学校に通う児童によるサプライズイベントなどを実施。この日を待ち望んだ参加者全員でリニューアルを祝い、これを起点として「宇宙を身近に感じられるまち さがみはら」の機運をさらに高めました。


これは、市内にJAXAの研究所があるという他にはない魅力をもとに、地域の施設の運営に力を入れ、市民参加型のイベントを開催するなど、地域の文化・学びの拠点を強化し、市民の誇りや愛着を醸成している非常にいい例です。
教育や文化、科学が融合した施設整備により、持続可能な地域コミュニティの形成に貢献しており、目標11「住み続けられるまちづくりを」に寄与していると言えるでしょう。
あなたの住むまちの魅力はなんでしょうか。それぞれの都市の特徴を活かして、これからも住み続けたいと思えるまちづくりを皆でしていきたいですね。
執筆/フリーライター Yuki Katagiri






