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スポーツ科学と先端技術の融合で健康社会に貢献!アシックスとTDKの共同研究


この記事に該当する目標
3 すべての人に健康と福祉を 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
スポーツ科学と先端技術の融合で健康社会に貢献!アシックスとTDKの共同研究

スポーツ用品メーカーのアシックスとTDK 株式会社が、トップアスリートのパフォーマンス向上を目的とした、練習時の動作を可視化する次世代センシングデバイスの共同研究を開始しました。

スポーツとテクノロジーの融合は、SDGsな社会に必要な「健康」と「技術革新」の双方に貢献します。

リアルタイム動作分析でアスリートの成長を支援

スポーツの世界では、ミリ単位の動作の差が勝敗を分けることもあり、緻密なパフォーマンス分析のニーズは年々高まっています。
アスリートは、試合で最高のパフォーマンスを発揮するために、日々の練習を通じて技術や体力を向上させています。

一般的に、試合時間よりも練習時間の方が長く、練習時の動作を正確に可視化することで、自身のコンディションやフォームへの理解が深まり、パフォーマンス向上が期待されます。

今回の共同研究では、TDKが持つ高精度かつ小型センシング技術と、アシックスが長年つちかってきたスポーツ科学の知見を融合。
アスリートの動作データをリアルタイムで可視化し、客観的なフィードバックを提供することで、技術向上やコンディション管理を支援する新たなソリューションを創出します。
また、研究所外での高度な動作分析ができる手段を確立することで、より多くのアスリートのデータ収集が期待できます。

アスリート・コーチ・開発者をつなぐ包括的支援へ

今回の共同開発では、まずは陸上競技を対象に足首などに装着するプロトタイプの実証実験をスタート。実用化するのは2027年以降の予定です。

将来的には、このデバイスから得られたデータを活用したイノベーティブな製品・サービスの開発を加速させるほか、アスリートだけでなくコーチや製品開発者もネットワークでつなげ、さまざまな角度からアスリートを包括的に支援するソリューションへと展開していくといいます。

アスリート支援から健康・福祉への広がりにも期待

今回の研究はトップアスリートを対象としたものですが、センシング技術による動作解析は、一般の人々の健康維持や高齢者のリハビリ、子どもの運動指導などにも応用できるポテンシャルを秘めています。アスリート支援から始まるこの取り組みは、やがて社会全体の健康と福祉を支える技術へと発展していく可能性があります。また、アスリートのパフォーマンスが向上すれば、スポーツの魅力がより多くの人に伝わることとなり、SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」への寄与も期待できます。

さらに、センシング技術が高度化すれば、スポーツ産業だけでなく医療やウェルネス分野にも展開できます。新しいスポーツテック市場を開拓できれば、産業の持続可能な発展、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」にも寄与します。

SDGsの目指す「誰もが健康でいきいきと暮らせる社会」へ広がる可能性を持つこの共同研究に、今後も注目していきましょう。


執筆/フリーライター Yuki Katagiri