B Corpがつなぐ企業の未来 ~ネスプレッソが開催したB Corpコミュニティイベントレポート~
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2025年、ネスプレッソ*はB Corp再認証を105点のスコアで達成。これを記念し、B Corp認証企業を対象としたコミュニティイベントを初めて開催しました。本イベントは、SDGs目標17が示す「協働による課題解決」を体現する場となりました。
*Nestle Nespresso S.A. としてグローバルでの認証取得
再認証は「達成」ではなく「学びのプロセス」
イベント冒頭では、ネスレネスプレッソ株式会社 代表取締役社長のシルヴァン・シマール氏が登壇し、
B Corp再認証について次のように語りました。


「再認証のプロセスは、謙虚さを学ぶ機会でもあります。私たちは学び、そしてより良くなろうと努力し続けています。だからこそ今夜は、ぜひみなさんから学びたいと思っています。みなさんのアイデアや、直面している課題から学ばせてください。そして同時に、私たちがこのプロセスを通じて学んできたことや、いくつかのベストプラクティスを共有できれば嬉しく思います」
B Corpは、環境・社会・ガバナンスを包括的に評価する認証制度です。その本質は、評価を得ることではなく、改善し続ける姿勢にあります。シルヴァン氏の言葉は、その考え方を端的に示していました。
サステナビリティは「事業の中核」に


CSR・サステナビリティのセッションでは、ネスプレッソが事業の中核として取り組んでいるサステナビリティ施策が紹介されました。
中でも注目を集めたのが、レインフォレスト・アライアンスと連携した「ネスプレッソAAAサステナブル・クオリティ プログラム™ (持続可能品質)プログラム」です。高品質なコーヒー豆の安定供給と同時に、森林保全や水資源管理、コーヒー生産者の生活向上を目指すこの取り組みは、持続可能なコーヒー産業の基盤づくりを支えています。


また、アルミニウム製カプセルのリサイクルプログラムについても説明が行われました。
ネスプレッソでは、コーヒーの鮮度、味わい、品質を守るために最適な包材としてコーヒーカプセルにはアルミニウムを使用されています。アルミニウムには、繰り返し再利用できるというメリットがあるため、郵送や店舗で使用済みのカプセルを回収しているのです。
回収されたカプセルは分離・再生され、アルミニウムは再生資源として、コーヒーかすは堆肥や培養土として活用されています。こうした事業と直結したサステナビリティの実践は、参加者の高い関心を集めていました。
大企業が「場をつくる」ことの意義


日本におけるB Corp認証企業は、スタートアップや中小企業が多いのが現状です。参加者からは、こうした背景を踏まえた声が多く聞かれました。
B Corp認証企業・参加者(匿名)
「日本では、B Corp企業同士が、企業規模や業界を超えて集まる機会が限られています。その中で、ネスプレッソのようなグローバル企業が先頭に立って場をつくってくれることは、大きな意味があると感じました」


SDGs目標17が重視するのは、立場や規模の違いを超えた協働です。本イベントは、大企業が主役になるのではなく、ハブとして機能することで、コミュニティ全体を活性化させる好例となりました。
ワークショップが生んだ実践的な学び
イベント後半では、テーブルディスカッション形式でワークショップが行われました。参加者は、各社のサステナビリティ施策や社内浸透の工夫について、率直な意見交換を行いました。


「他社が社員向けにアンコンシャスバイアス研修を実施している話は、とても参考になりました。同じB Corpでも、会社ごとに取り組み方が異なります。その違いから学べる点が、この場の価値だと感じました」
また、異業種交流ならではの視点も高く評価されていました。
「普段は自社の事業の中でサステナビリティを考えがちですが、他業界の方と話すことで、新しいアイデアやヒントを得ることができました」
「時間が足りない」という声が示すニーズ
多くの参加者が口にしたのが、「もっと話したかった」「時間が足りなかった」という感想です。


「社内では、B Corpやサステナビリティに対する熱量に差があります。だからこそ、同じ志を持つ人たちが集まり、本音で語り合える場はとても貴重です」
この言葉からは、企業内だけでなく、企業の枠を超えた実務者同士の対話の場が、今後ますます重要になることがうかがえます。
SDGs達成に向けた、次の一歩


コーヒー産業は、気候変動や資源制約といった課題の影響を大きく受けています。ネスプレッソは、「AAA プログラム」やカプセルリサイクルなど、事業と直結したサステナビリティ施策を進めてきました。
一方で、こうした課題は一社だけで解決できるものではありません。だからこそ、B Corpという共通の価値基準を持つ企業同士がつながり、学び合うことが重要になります。
SDGsを「掲げる」段階から、「実践する」段階へ。
ネスプレッソが主催したB Corpコミュニティイベントは、SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」を、理念ではなく行動として示す取り組みでした。
企業同士がつながり、悩みや課題を共有しながら前進していくこと。その積み重ねこそが、SDGs達成への確かな一歩になると言えるでしょう。
B Corpコミュニティイベント参加企業
一般社団法人B Market Builder Japan
株式会社ピープルフォーカス・コンサルティング
アークエル株式会社
マテックス株式会社
株式会社ファーメンステーション
他
執筆/フリーライター 山田かほり





