• トップ
  • 記事一覧
  • 世界最大級の日本酒の品評会「SAKE COMPETITION2024」にて、新澤酒造店の渡部七海さんがダイナースクラブ若手奨励賞を受賞!
SHOW CASE

世界最大級の日本酒の品評会「SAKE COMPETITION2024」にて、新澤酒造店の渡部七海さんがダイナースクラブ若手奨励賞を受賞!


世界最大級の日本酒の品評会「SAKE COMPETITION2024」にて、新澤酒造店の渡部七海さんがダイナースクラブ若手奨励賞を受賞!

透明感のある液体に秘められたふくよかな旨味やキリッと引き締まった酸、すっきりとしたキレに得も言われぬ香り……。さまざまな表情を持つ奥深い日本酒を、より多くの人に楽しんでもらうべく2012年に生まれたのが、市販されている日本酒の銘柄を隠したブラインド方式で審査を行う品評会「SAKE COMPETITION」です。その根底にあるのは、「ブランドによらず消費者が本当に美味しい日本酒にもっと巡り会えるよう、新しい基準を示したい」という理念です。

女性杜氏が初受賞

去る6月12日、「SAKE COMPETITION 2024」の表彰式がザ・ペニンシュラ東京(日比谷)で行われ、宮城県にある新澤(にいざわ)醸造店の「伯楽星 特別純米」醸造責任者・渡部七海さんが、女性杜氏として初めて「ダイナースクラブ若手奨励賞」を受賞しました。

新澤醸造店の創業は1873年。「料理の素材そのものが持つ力を引き出し、食事をよりおいしく感じさせる酒」「糖度を低めに設定し、インパクトはないものの、気がつくと2杯3杯と飲み進められる酒」を目指し、究極の食中酒として生まれた「伯楽星」や、創業時より作り続けられている「あたごのまつ」といった銘柄で知られています。

新澤醸造店には、蔵人それぞれが日々学び、お互いを刺激し合いながら、より良い酒造りに取り組むマインドがあります。そこで杜氏を務める渡部さんは、入社3年目の22歳で、社長の新澤巖夫さんから杜氏を引き継ぎました。最年少女性杜氏(当時)の誕生です。「より良いものをみなさまにお届けして楽しんでいただけるよう、今後も頑張っていきたいと思います」と語りました。

「革新的な考えを持つ次世代の造り手を応援したい」

2012年からスタートした「SAKE COMPETITION」は、2019年には総出品数1919点という世界最大級のコンペティションへと成長を遂げましたが、新型コロナウィルスの感染拡大により、2020年以降は中止を余儀なくされました。しかし、2023年には出品数を1000点に絞って4年ぶりに開催の運びとなり、2024年は「純米酒」「純米吟醸」「純米大吟醸」「Super Premium」部門に加え、「海外出品酒」部門を再開。5月の予審会、決審会を経て、6月12日に全5部門の最終順位の発表及び表彰式が行われました。

ダイナースクラブを発行する三井住友トラストクラブ株式会社が「SAKE COMPETITION」に、「ダイナースクラブ若手奨励賞」を提供し始めたのは、2016年のこと。「純米酒」「純米吟醸」「純米大吟醸」の上位受賞酒の醸造責任者から40歳以下の若い杜氏を選出し、顕彰しています。この賞は、「SAKE COMPETITION」の理念と、「革新的な考えを持つ次世代の造り手を応援することで、日本の食文化の中核をなす日本酒文化の永続的な発展に寄与したい」というダイナースクラブの取り組みが融合して生まれた特別賞です。

これまでに「廣戸川」の松崎酒造(2016年)をはじめ、「七賢」の山梨銘醸(2017年)、「蔵王」の蔵王酒造(2018年)、「萩の鶴」の萩野酒造(2019年)、「雪の松島」の大和蔵酒造(2023年)の5つの酒蔵が、「ダイナースクラブ若手奨励賞」を受賞しています。受賞した酒蔵には、ダイナースクラブ会員誌「シグネチャー」誌面での取材記事をはじめ、販売拡大や製品PRの面での支援が行われます。

2020年に同賞を受賞した七賢は、ちょうどその年にダイナースクラブが60周年を迎えたこともあり、その記念として60周年オリジナルボトルが作成されました。また、ダイナースクラブの会員が田植えや稲刈りに参加し、酒造好適米「夢山水」を収穫。その米と白州の名水を使った「七賢」の純米大吟醸が醸されました。その他、ダイナースクラブがパートナーシップを結んでいるアラン・デュカス率いる「デュカス・パリ」と七賢との橋渡しが行われ、夢のコラボレーションが実現。アラン・デュカス氏の心のふるさと・地中海からインスピレーションを得た「Alain Ducasse Sparkling Sake(アラン・デュカス スパークリング サケ)が誕生しました。

ダイナースクラブが未来を担う若者を応援する意義

ダイナースクラブは、この他にも若手応援を行っています。例えば、2012年からは才能ある若手音楽家に上質な演奏の機会を提供する目的で、東京藝術大学と協同したプログラム「アーティストサポートプログラム」を行っています。さらには、なかなか生の音楽に触れる機会がない方にも音楽を届ける「音楽アウトリーチ」活動を支援する「アーティストサポートファウンド」なども運営しています。また、若手ゴルファーを応援すべく、2022年から植竹希望選手や工藤遥加選手とスポンサーシップ契約を締結。2024年には新たにウーチャイェン選手と契約を結ぶなど、「若手ゴルファー支援」も行っています。

これからの未来を担っていく若者を、ダイナースクラブがサポートする背景には、長年に渡って磨いてきた本物を見極める「目利き力」を、社会貢献に結びつけようという思いがあります。もちろん、「SAKE COMPETITION」における「ダイナースクラブ若手奨励賞」の提供もその一環です。

ダイナースクラブは、これまで培ってきた「目利き力」を活かし、次世代に残すべき日本の事業・文化・芸術を、次世代に繋ぐ取り組みもサポートしています。力を入れているのが郷土の文化を色濃く残した地域との連携です。各地の逸品をポイント交換商品に採用するなどしています。

日本には、その土地の歴史とそこに生きる人々の叡智によって育まれてきた魅力的な文化が数多存在しています。ダイナースクラブでは、会員に向けて「ふるさとときめきプロジェクト」を発足。その地方ならではのお取り寄せ食材を紹介する「食」と、伝統行事への参加や歴史的建造物での宿泊体験などを提供する「体験・交流」を、プロジェクトの中核に据え、広くサービスの拡充を図っていくそうです。これらダイナースクラブの取り組みは、地域の経済活動の一助となることでしょう。


取材・執筆/山脇麻生