パリ2024パラリンピック難民選手団にアシックスがオフィシャルスポーツウエアを提供
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パリ2024オリンピックが幕を閉じて約半月。8月28日からはパリ2024パラリンピックが行われています。
このパラリンピックに出場する難民選手団とそのスタッフに、日本に本社を置くグローバル企業であるアシックスがオフィシャルスポーツウエア、シューズなどを提供しています。
シンボルマークカラー赤・青・緑で表現した矢絣のデザイン
今回のオフィシャルスポーツウエアの特徴は、決断や強さを表す「矢絣(やがすり)」のデザインを、国際パラリンピック委員会(International Paralympic Committee 略称=IPC)シンボルマークカラーの赤・青・緑を取り入れて表現した点。素材は軽量で吸水速乾性に優れたタイプが使用されています。
アシックスがこのウエアやシューズを提供したのは、パリ2024パラリンピック難民選手団(Refugee Paralympic Team 略称=RPT)に選ばれたアスリート8名、ガイドランナー2名、そしてそのスタッフです。
パラリンピック難民選手団とは
1950年UNHCR事務所規程、1951年難民条約、1967年難民議定書において、「人種、宗教、国籍、政治的意見または特定の社会集団に属するという理由で、自国にいると迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れ、国際的保護を必要とする人々」、と定義されている難民。
彼らは国の代表としてオリンピックに出場することはできません。しかしその代わりに、「難民選手団」というチームとして出場する資格を得ています。
これはオリンピックだけでなく、パラリンピックでも同じこと。
どんな状況であっても、オリンピック、パラリンピックの出場資格を得る権利は平等にあります。
難民と障がいをもつ人、そして全ての人に希望を与えるパラリンピック難民選手団
8月28日にパリのコンコルド広場で開催されたパラリンピック開会式の入場行進は、難民選手団から始まりました。
パラリンピック難民選手団は、困難な逆境に打ち勝ち、パリ2024パラリンピック競技大会への出場を果たしたアスリートたちです。
パラトライアスロン イブラヒム・アル・フセイン選手は「私たちはチームというより家族だと感じています。困難な道のりには多くの共通点があり、お互いの人生を知っているかのように理解しあうことができます。パラリンピック難民選手団の一員であること、多くの難民と障がいをもつ方を代表していることを誇りに思います。」
車いすフェンシング アメリオ・カストロ・グルエソ選手は「オフィシャルスポーツウェアを提供いただき光栄です。パリという大舞台で着るのがとても楽しみです。スポーツは私の人生を変えました。スポーツのない人生なんて考えられません。このパラリンピック難民選手団の一員になり、パラリンピックに出場することは夢のようです。」
パラテコンドー ザキア・フダダディ選手は「パラリンピック難民選手団初のメダルを獲得できたら夢のようです。もし実現すれば、どんなに困難な状況に直面しても、決してあきらめてはいけないことを示すことができ、世界中の人々に大きな感動と希望を与えることができると思います。」
とそれぞれコメントしています。
オリンピック、パラリンピックは平和の祭典とも言われています。オリンピックやパラリンピック、そしてそこに出場する選手たちが人々に与える影響は非常に大きなものです。日本企業であるアシックスが、困難を乗り越えて輝くパリ2024パラリンピック難民選手団のオフィシャルウェアやシューズの制作を担当したことは、日本人として非常に嬉しい事実です。
執筆/フリーライター Yuki Katagiri