• トップ
  • 記事一覧
  • 全ての人が共に認め合い尊重し合うーTOKYO FORWARD 2025「東京2025デフリンピック」開催100日前記念イベント開催
SHOW CASE

全ての人が共に認め合い尊重し合うーTOKYO FORWARD 2025「東京2025デフリンピック」開催100日前記念イベント開催


この記事に該当する目標
10 人や国の不平等をなくそう 16 平和と公正をすべての人に
全ての人が共に認め合い尊重し合うーTOKYO FORWARD 2025「東京2025デフリンピック」開催100日前記念イベント開催

今年11月15日、日本で初めてのデフリンピックが開催されます。その開幕まで100日となる8月7日、
記念イベント『TOKYO FORWARD 2025「東京2025デフリンピック 100 Days To Go!」』が行われました。

“互いに認め合い尊重し合う”共生社会のカギとなるデフリンピック

記念イベントの会場である二子玉川ライズ ガレリア・スタジオ & ホールに設置された「みるステージ」では、「東京2025デフリンピック 100 Days To Go!セレモニー」を開催。

第1部には、選手を代表して茨選手、亀澤選手、中田選手、山田選手、応援アンバサダーとして、川俣郁美さん、朝原宣治さん、そして東京都の小池百合子知事、ろうあ連盟の河原雅浩副理事長、スポーツ庁の室伏広治長官が登壇しました。

セレモニー冒頭、小池都知事が挨拶を行い、「デフリンピックは、互いに認め合い尊重し合う、共生社会作りに大きく貢献するもの」とスピーチ。聞こえない、聞こえにくい人にも使いやすい身近なアイテムとして、音が鳴るのではなく、枕の下に入れておくと振動して気付くことができる目覚まし時計をあげ、聞こえる人でも、なかなか起きられない方にはぴったりかも、と紹介すると、会場からは笑いが起こりました。スピーチの最後には、「聞こえない人も聞こえる人も一緒に楽しめるデフリンピックまであと100日。そしてこれを、これからの100年にも続けていきましょう」と語りました。

続いて登壇したのは、ろうあ連盟の河原副理事長。挨拶は手話で行い、観客も手話で応えます。
河原副理事長によれば、デフリンピックの日本での認知度は38.4%。4年前は16.3%でしたが、今年日本ではじめて開催されることもあり、人々の関心も日増しに強くなっているといいます。
東京都内の公共施設では、ユニバーサル機器の導入が着々と進められています。これは、共生できる社会の実現に向けた歩みが進んでいるということです。
今回のデフリンピックに出場する先週は273名。これまでの最高の規模で、21競技全てに参加します。河原副理事長は、「過去にはなかなか見つけることができなかったハンドボール、射撃、テコンドー、レスリングなどの選手も、東京駅のトライアウトで発掘できた」と言い、東京都への感謝を述べました。

そして最後に「手話や国際手話、視覚的なコミュニケーションをとりながら最高のパフォーマンスを競い合うデフリンピック。観客の皆さんの応援が選手の力になります。ぜひサインエールや手話言語で応援してください。聞こえる人、聞こえない、聞こえにくい、全ての人が共に楽しめるように一緒に盛り上げましょう」と述べると、会場のあちこちから手話での拍手が起こりました。

これに続き、スポーツ庁の室伏長官も、「選手たちの努力に敬意を表すとともに、大会本番までの健闘を期待しております。デフリンピックは、音のない世界でも高度なコミュニケーションが行われていることをみて共生社会を理解する貴重な機会になります。ぜひ皆で盛り上げましょう」と語りました。

桜や折り鶴が描かれた東京・日本らしさを表現したメダル

続いて舞台に登場したのは、デフリンピックのために作られたメダル。デフアスリートが誇りに感じられること、東京・日本らしさを表現することをポイントに、デザインは8万人を超える小中高生の投票で選ばれました。東京・日本らしさを表現するため、メダルには桜、折り鶴などが描かれ、東京の職人の技術を活用し、精巧なデザインを実現しています。そしてメダルケースは豊かな自然にあふれた東京都多摩地域で育った「とうきょうの木」でつくられています。

2008年北京オリンピック銀メダリストである麻原さんはこのメダルに「自分も欲しい。選手たちも見たら欲しくなると思う」とコメント。茨選手も「実際にメダルを見てアスリートとしてさらにメダルをとりたいという気持ちになりました」と意欲をみせていました。

聞こえない、聞こえにくい、聞こえる人が一緒につくったサインエール

最後に会場をひとつにしたのは、このデフリンピックに向けて東京都が中心となって作ったサインエール。

サインエールを開発したメンバーの1人である山田選手は、「サインエールは、皆さんの応援に感謝するためにつくりました。」と話し、両手を小さくあげてパタパタと振る拍手のサインを、パワーを込めて3回前に出して応援するようにレクチャー。聞こえない、聞こえにくい、聞こえる人が一緒につくったサインエールで会場は一体となり、セレモニーの第1部は終了となりました。

初の東京開催となるデフリンピックまで、あと100日を切りました。平和の象徴であるオリンピックやデフリンピックは、SDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」、目標16「平和と公正を全ての人に」など、さまざまな目標と大きく関わりがあります。

登壇者たちが語ったように、聞こえる人、聞こえない、聞こえにくい、全ての人が共に認め合い、尊重し合い、一緒に楽しめる。そんなデフリンピックを皆で作り上げていきましょう。


フリーライター Yuki Katagiri