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SHOW CASE

家族の笑顔が働きがいに。ヘンケルジャパンのファミリーデーが育むもの


この記事に該当する目標
4 質の高い教育をみんなに 8 働きがいも経済成長も
家族の笑顔が働きがいに。ヘンケルジャパンのファミリーデーが育むもの

夏休みの特別な体験、親の働く会社へ

夏休みは、子どもたちが新たな世界に触れる絶好の機会です。近年、多くの企業が開催する「ファミリーデー」は、単なる職場見学に留まらず、子どもたちにとって貴重な体験の場となっています。ドイツの化学・消費財メーカー、ヘンケルの日本法人ヘンケルジャパンは、今年も東京(天王洲オフィス)と大阪(箕面オフィス)で「ヘンケルジャパンFamily Day」を開催しました。その取り組みからは、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」や目標8「働きがいも経済成長も」に繋がる、未来への投資の姿が見えてきます。今回の記事では、天王洲でのイベントの様子を紹介し、その内容に迫ります。

見て、聞いて、触れる、お父さん、お母さんの職場

2025年7月28日(月)、ヘンケルジャパンの天王洲オフィスは、普段とは違う賑わいを見せていました。年少から中学1年生までの子どもたちが、自分のお父さんやお母さんが働く会社を見学するために集まったのです。このイベントの目的は、単に家族サービスに留まりません。同社の事業と、働くことの面白さを、未来を担う子どもたちに直接伝えることにあります。

イベントの冒頭、コンシューマーブランド事業部門日本代表のロラン・マルタン氏は、「お父さん、お母さんがどんな仕事をしているか、今日は良い機会なのでいっぱい質問してください」と子どもたちに語りかけました。同社のヘア製品や接着剤が、数年がかりで開発されることもあるという話は、子どもたちの好奇心を掻き立てます。

「お父さん、お母さんの仕事を知っている人?」という問いかけに、「糊を売る仕事をしています」、「実験をしています」と元気よく手が挙がりました。その後、子どもと共にイベントに参加した5人の社員が、ファイナンスからサプライチェーンまで、様々な部署で働く、自身の仕事をプレゼンテーションし、子どもたちは、一つの会社の中に多様な役割があり、それらが協力し合って社会に役立つ製品を生み出していることを学びました。

今年のプログラムの目玉は、初公開となるヘア製品の研究開発施設の見学ツアーでした。普段は関係者以外立ち入り禁止の特別なエリアに、子どもたちは目を輝かせながら足を踏み入れました。研究開発部長は、「皆さんが毎日使うシャンプーやトリートメントは、ここで生まれます」と説明。海外には「匂いのデザイナー」という専門家がいることなど、開発の裏側を明かしました。太陽光を再現して製品の色を正確にチェックする部屋や、消費者の行動を観察するためのブースなど、最先端の設備を目の当たりにし、一つの製品が世に出るまでの工夫と努力を肌で感じた様子でした。

午後は、同社の製品を使った体験型アクティビティが用意されました。特殊なカメラで自分の頭皮の状態を確認し、正しいシャンプーの方法を学ぶ「頭皮ケア」のワークショップでは、ボランティア社員が作詞したオリジナルの歌が登場。子どもたちは音楽に合わせて楽しみながら、頭皮の洗い方に関する知識を身につけました。また、廃ペットボトルとスティックのり「プリット」を使った「空気砲作り」では、リサイクルの大切さと工作の楽しさを同時に体験。完成した空気砲で的当てゲームに興じる歓声が、フロアのあちこちで響き渡りました。

社員のエンゲージメントが生む相乗効果

ヘンケルジャパンのファミリーデーが特筆すべきは、単に親の職場を「見せる」だけでなく、子どもたちが「主体的に体験する」機会を豊富に提供している点にあります。特に、研究開発施設を公開するという判断からは、同社がコミュニケーションを真摯に考えている姿勢がうかがえます。これは、子どもたちに身近な製品が生まれる背景への興味を抱かせると同時に、自社の事業に対する透明性と誇りを社内外に示す効果も持つでしょう。

また、社員がボランティアとして企画・運営に深く関わっている点も注目です。子どもたちが楽しく学べるようにとオリジナルの歌まで制作する姿勢は、単なる業務の延長線上にはない、社員の自発的な貢献意欲とエンゲージメントの高さを示しています。こうした活動は、社員の働きがいを高め、家族が会社への理解と愛着を深めることに繋がり、結果として組織全体の活性化に貢献します。このイベントは、子どもたちへの教育的投資であると同時に、社員とその家族を含めたコミュニティを育む、優れた企業文化の醸成装置としても機能しているのです。

まとめ:未来へ繋ぐ、企業と家族のコミュニケーション

ヘンケルジャパンのファミリーデーは、子どもたちに夏休みの忘れられない思い出を提供すると同時に、親の仕事への理解、ものづくりの面白さ、そしてチームで創造する喜びを伝える、多面的な価値を持つ取り組みです。企業が持つ専門知識や施設といったリソースを、未来を担う子どもたちのために解放することは、SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」を達成するための、極めて有効なアプローチの一つと言えるでしょう。一企業から始まったこの小さな探検が、未来の社会を支える大きな力へと繋がっていくことが期待されます。