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「腸内細菌分析」によってヘルスケアに新時代!パーソナライズド・マイクロバイオームの重要性


この記事に該当する目標
3 すべての人に健康と福祉を 9 産業と技術革新の基盤をつくろう 17 パートナーシップで目標を達成しよう
「腸内細菌分析」によってヘルスケアに新時代!パーソナライズド・マイクロバイオームの重要性

世界でもトップレベルの長寿大国である日本。一方で、“健康寿命”との差が大きいことが問題視されています。健康寿命とは、介護や医療に依存せずに自立した生活ができる生存期間のこと。

日本では平均寿命と健康寿命の差が10年近くもあり、この差を縮めることが近年の大きな課題となっています。そして、健康寿命を延ばすためのカギを握るとして、世界的に今注目を集めているのが「腸内マイクロバイオーム」です。

そんな中、日本アムウェイが韓国発のバイオベンチャー企業・HEM Pharma Japanと提携し、「腸内マイクロバイオーム解析技術」を活用したパーソナライズド・ヘルスケア・ソリューションの提供開始を発表しました。これはSDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」にも関連する取り組みといえるでしょう。

「パーソナライズド・ヘルスケア」が持つ重要性

人間の体には約100兆個ともいわれる膨大な数の腸内細菌が存在し、免疫や代謝、さらには脳の働きやメンタルヘルスにまで影響を与えます。ただ、年齢や食生活、生活習慣などの影響で、腸内環境は人によって大きく異なるもの。この違いを科学的に解き明かし、誰もが自分に合ったケアを見つけられるようにするために、パーソナライズド・ヘルスケアの重要性があります。

「今までは、体内に『どの菌がいるか』が注目されてきたが、重要なのは、『その菌たちが何をして、何を作り出すのか』という点だ」と建国大学医学部助教授のキム・ジュウォン氏も語っています。

「腸内細菌の分析」がヘルスケアを変える

HEM Pharma Japanが持つ独自の技術「PMAS(Personalized Pharmaceutical Meta-Analytical Screening)」 は、従来の腸内マイクロバイオーム解析とは一線を画しています。すでに95,000件以上を超えるマイクロバイオームの実験データベースを構築し、「その菌がどのように作用しているのか」まで解明できるのが最大の特徴です。

これにより、食品やサプリメントなども、科学的エビデンスに基づいて「その人に効く理由」を可視化できるようになります。つまり、腸内細菌を細かく分析し、一人ひとりに合った健康戦略を立てられる時代が到来したのです。

「将来的には、各個人に合わせたヘルスケアソリューションのアルゴリズムを構築することで、ヘルスケア産業に大きな革命が起こるかもしれない」と、HEM Pharma Japan CEOのチ・ヨセフ氏は今後の展望を説明していました。

HEM Pharmaは腸内マイクロバイオームのサンプルの採取から保存、解析、データベース構築に至るまで、一貫した体制を整えているため、今後もデータの精度を極限まで高めていくことでしょう。これは、SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」を推し進めていると考えられます。

日本をモデルにして世界へ広げていく

最先端バイオ技術を持つHEM Pharmaが、グローバルでのアムウェイとの業務提携に加えて、日本アムウェイとも協業し、日本市場での展開を開始しました。SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」を体現する動きといえます。

HEM Pharmaと日本アムウェイは「日本を世界のモデルケースにする」というビジョンを掲げています。超高齢化という課題を抱える日本でパーソナライズド・マイクロバイオームを成功させることができれば、同じ課題を迎える世界諸国にとっても強力なソリューションとなるはず。

「健康寿命の延伸は社会にとって差し迫った課題。日本をマイクロバイオームを活用したパーソナライズ社会の先進国とし、世界へ広げていきたい」と、日本アムウェイ合同会社社長のイリーナ・メンシコヴァ氏も語っていました。

パンデミックを経た今、世界的に免疫や腸内環境への関心は高まりを見せています。また、“健康寿命”を延ばしていくことも、日本のみならず、全世界規模での課題になりつつあります。いわば今こそ、「腸内マイクロバイオーム解析」を実社会に実装する最適のタイミングなのかもしれません。国際的な連携による新たな健康ソリューションが日本から世界へ広がる大きな可能性を秘めているといえるでしょう。