多目的次世代型アリーナ”が10月3日に開業!TOYOTA ARENA TOKYOが掲げる「新たな可能性」
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今年10月、お台場青海エリアに新たな多目的アリーナ「TOYOTA ARENA TOKYO」が開業します。
収容人数はスポーツで約1万人、コンサートでは約8,000人規模。最新のビジョンや音響設備による圧倒的なエンタメ体験を提供する一方で、サステナビリティを意識した取り組みにより環境にやさしく誰もが楽しめる空間を提供します。
国内アリーナ初のLEED認証の取得を目指し、環境に配慮した設計と施設管理を実施
「TOYOTA ARENA TOKYO」を運営するトヨタアルバルク東京株式会社では、世界基準のアリーナ作りを⽬指す上で、「⽇本基準のみならず、世界基準」にあわせていくため、LEED*認証ゴールドの取得に向けて取り組んでいます。
LEED認証とは、非営利団体USGBC(U.S. Green Building Council)が開発、運⽤し、GBCI(Green Business Certification Inc.)が認証の審査を⾏っている環境性能評価システムです。環境に配慮された建築や都市環境を作るための戦略や、それらをどう実現させるかを評価します。LEED認証を受けるためには、いくつかの必須条件を満たし、取得ポイントにより認証レベルが決定されます。
近年は、NBAのアリーナでもLEED認証取得をするアリーナが増加中。
この秋オープンする「TOYOTA ARENA TOKYO」では、以下のような項目を実施予定です。
・駐⾞スペースの10%以上をEV(電気⾃動⾞)専⽤とする
・適切な植栽種と設備の選択により灌⽔量を効率化
・⼀般⽤の全トイレに節⽔トイレを採⽤し、またトイレ洗浄⽔には再⽣⽔を使⽤して上⽔の使⽤量を削減
・建物全体のエネルギーシミュレーションを実施し、基準に対して5%のエネルギー使⽤量を削減。
・建物内に常設メーターを網羅し、常時、建物全体のエネルギー使⽤量を中央監視。
・屋上に太陽光発電パネルを設置し、エネルギーの代替⽐率を5%以上とする
・建物内の電⼒には、再⽣可能エネルギーを100%使⽤
・建物内の照明は、センサー制御により無駄遣いや消し忘れによるエネルギーの浪費を防⽌
・⼈々の交流を促すと同時に⽣物の⽣息域を保護するため、敷地の30%をオープンスペースとし、そのうち25%以上を緑化
・敷地内にもたらされる⾬⽔を100%管理し、敷地外流出を抑制する他、植栽の灌⽔は、⾬⽔または再⽣⽔を利⽤し、上⽔は利⽤しない
国内アリーナ最大規模の太陽光パネルを設置し、電力は再生可能エネルギーを100%使用、会場内で発生する廃棄物を全てリサイクルするなど、「TOYOTA ARENA TOKYO」は、非常に高いレベルで持続可能な運営を目指しています。
衣類やシューズを資源に変え、カップも再生化する“循環型プロジェクト”を実施


⾐類の廃棄問題の解決に挑むCIRCULAR FARMとエリアネーミングライツ契約を締結し、「CIRCULAR FARM SOUTH GARDEN」(サーキュラーファーム サウスガーデン)と名付けたアリーナの屋外テラス空間には、⾐類回収ボックスを設置し、不要になった⾐類やタオルを回収します。


これは、⾐類の廃棄問題に取り組む中で、スポーツの領域で⾐類回収を通じたサステナ⾏動変容を促進し、⾐類廃棄を減らす1つのきっかけとしたいという思いから生まれた取り組み。「CIRCULAR FARM」のテクノロジーを使⽤して⼟壌改良材として再資源化する「服をあつめて、未来をつくる」プロジェクトを⾏います。
再資源化された⼟壌改良材は「TOYOTA ARENA TOKYO」敷地内40%以上を占める緑化を守る資源として使⽤されます。今まで廃棄されていた衣類やタオルが土壌改良材に変身するのは新たな可能性を感じられる嬉しい試み。ファンや来場者のプロジェクトへの参加がアリーナ内の健全な緑化維持につながっていきます。


また、アルバルク東京ホームゲームなどを通して、選⼿やファンから回収し不要になったシューズが、TOPPANの「RE:MixCourt」の技術によって、adidasがネーミングライツを取得したTOYOTA ARENA TOKYO の屋外コート「adidas SPORTS PARK」へと⽣まれ変わる『OUR SHOES, OUR COURT プロジェクト supported by adidas』も。不要になったシューズのソール(ゴム部分)を砕いて廃タイヤなどのゴムチップと混ぜてSPORTS PARKの床⾯の素材に再利⽤し、これまで廃棄するしかなかったシューズのリサイクルを啓蒙していきます。


さらに、アリーナ内で販売されたカップを回収し、新しいカップへと再生化する取り組みも。アルバルク東京では、2022-23シーズンより会場内の産業廃棄物の資源化を東洋製罐グループとの取組みを通じて⽬指してきました。来場者は、会場で使⽤したドリンクカップを⾃⾝で洗浄し、分別を⾏います。フードカップはグループ会社東罐興業が新開発した、内側に貼ってあるラミネートフィルムをはがして分別回収できる「FF(Film Forming の略)カップ」が世界で初めて正式採⽤されています。


この取り組みは既に少しずつ来場者の認知も上がってきているところ。今後もTOYOTA ARENA TOKYOで人々のリサイクルへの取り組み意識の向上と、新たな資源循環社会への実現に向け展開を続けていきます。
サステナブルを“体験する”展示エリアで環境配慮のメッセージを発信!
アリーナの重点テーマである「サステナビリティ」を表現した常設の展示エリア「SUSTAINABILITY AREA」では、壁面緑化と置き式の植栽でアリーナ内ながら緑が感じられる休憩スペースを演出。トヨタ自動車・未来創生センターで研究されている、緑の葉をうまくレイアウトすることで高揚感を感じたり、落ち着きを感じることができる「Genki空間®」の考え方を取り入れたものとなっています。
エリアの半分は、トヨタアルバルク東京が実施してきた社会的責任プロジェクト「ALVARK Will」を回転式のグラフィックで紹介。もう半分では、全量リサイクルを実現する分別ごみ箱、アリーナが目指す世界を表現したグラフィック、前日のCO2排出量の可視化など、アリーナとしての取り組みを紹介します。
ユニバーサル設計で誰にもやさしい空間に
TOYOTA ARENA TOKYOでは、多様性への理解と配慮を計画に反映するとともに、ユニバーサルデザインについては、設計段階から有識者や障がいをもつ当事者の方、パラアスリートと共にワークショップを実施。新しく開業するアリーナだからこそ、最新の声や技術を結集させた設備や運営を目指します。
具体的に導入されたのは、全体デザインとの調和を確保しつつ視認しやすいデザインや、競技用の車椅子が不自由なく回転できる余裕のあるスペース、スライド式のドアを採用したトイレやシャワースペースなど。障がいがある人にも過ごしやすい内装やサインが多数採用されています。
また子供向けのプレイスペースも兼ね備え、親子でストレスフリーな観戦ができるように配慮したファミリールームも設置。
さらにアリーナの屋外各所には、障がいのあるアーティストが豊かな感性で表現した芸術活動である”エイブルアート”が8種類飾られます。エイブルアートは、さまざまな人々が自分らしく生きられる社会の実現を目指す活動で、3つのNPOが協働で運営する中間支援団体エイブルアート・カンパニーでは、障がい者がアートを仕事にするための環境づくりも行われています。


最新技術とホスピタリティを備えたTOYOTA ARENA TOKYOは、単なるスポーツ・エンタメ施設を超えて、「可能性にかけていこう」のコンセプトのもと、さまざまな工夫をこらしながら持続可能な社会を実現するアリーナを目指しています。
皆さんもぜひ実際にアリーナに足を運んで、次世代型のバスケットボール観戦体験を楽しむと同時に、サステナビリティに触れる機会にしてみてはいかがでしょうか。
執筆/フリーライター Yuki Katagiri






