ヒト・街・地球に優しいまちづくりTAKANAWA GATEWAY CITY
この記事に該当する目標


JR提供
東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」)と株式会社えきまちエナジークリエイトの2社が、2025年3月27日にまちびらきを迎えた「TAKANAWA GATEWAY CITY」において、水素・バイオガス・多様な再生可能エネルギーを活用し、ヒト・街・地球に優しいサステナブルなまちづくりを推進しています。
100年先の心豊かなくらしの実現に向けてTAKANAWA GATEWAY CITYでは、どんな取り組みを行っているのか紹介していきます。
TAKANAWA GATEWAY CITYとは


TAKANAWA GATEWAY CITYは、高輪ゲートウェイ駅のある東京の新たな都市開発エリアです。街全体が約10haにおよぶ広大な敷地に、JR東日本グループが取り組む環境長期目標「ゼロカーボン・チャレンジ2050」の先導プロジェクトとして誕生しました。
元々は車両基地などがあり、南は海、北は山と車両基地によって分断されていた地形を繋ぐ役割も開発により期待されています。
そして、この街が提供するさまざまなサービスで使用するエネルギーは、CO2排出量「実質ゼロ」を目指しています。
また、水素利活用や、廃棄物を「資源」として利活用するサーキュラーエコノミーに取り組み、街の活動そのものが地球益につながる未来を目指しています。
ゼロカーボンでサステナブルな街の実現に向けた取り組み
TAKANAWA GATEWAY CITYでは、ゼロカーボンでサステナブルな街の実現に向けた取り組みとして、バイオガスだけでなく水素や再生可能エネルギーを活用し、先進的な環境エネルギー技術を取り入れています。なかでも国内最大級の蓄熱槽を利用したエネルギーマネジメントや、水素利用活用を紹介していきます。
1.エネルギーマネジメント


「THE LINKPILLAR 2」の地下施設では、国内最大級の蓄熱槽を導入することで、街で生成された余剰の熱を溜めることで、効率的な空調環境を実現する。蓄熱槽の水は災害時における非常用水としてトイレ用水や消防用水などへの活用も可能。


また温水ボイラを使用した空調設備を建物内エリアをゾーン別に細分化して運転制御する「デマンドレスポンス・ゾーン別空調管理システム」により、利用することで快適性と街全体で高度かつ最適なエネルギー利用の両立を実現し、生活者や地域のBCPに貢献しています。
2.水素利活用


TAKANAWA GATEWAY CITYでは、街で利用するモビリティや、街の後方を支える物流など、様々な場面で水素利活用に取り組んでいます。


現在はファーストトライアルとして、高輪ゲートウェイ駅に取り付けられた太陽光パネルのエネルギーを利用しカセットに吸着させた水素を、高輪ゲートウェイシティ内を走行する自動走行モビリティの電源として利用しています。将来的には、水素由来の電気や熱エネルギーを街の中へ供給することで、水素が基幹エネルギーの1つとなる未来を目指しています。
サーキュラーエコノミーの実現


サーキュラーエコノミーの実現として街で行われる事業活動から発生する廃棄物や資源をリサイクルし、街で有効活用する取り組みを行なっています。
THE LINKPILLAR 1 SOUTHの地下に設置されたバイオガス施設では、街から発生する食品廃棄物の内、1日に約4.3tまで対応可能な処理能力を備えています。施設内で発生した食品廃棄物は、3基のバイオガス発酵槽内で発酵させてガス化することで、食品廃棄物の約7割の減量を可能とし、1日約760m³のバイオガスを生成することができます。


また2025年10月2日開業予定の「JWマリオット・ホテル東京」の温水ボイラーに生成されたバイオガスを使用し、ホテルの給湯における約10%の熱を賄い、街からごみを出さないという方針を体現しています。
さいごに


TAKANAWA GATEWAY CITYの活動は、ヒト・街・地球に優しく、地球益に向けて取り組める環境先導型のまちづくりを実現していきます。
これらの取り組みはTAKANAWA GATEWAY CITYに訪れる方やオフィスワーカー、近隣住民と共に楽しんで参加することで、SDGsの目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」や目標11「住み続けられるまち作りを」に寄与できる取り組みです。
TAKANAWA GATEWAY CITYを訪れる際は、エネルギー地産地消の体験を通してゼロカーボンでサステナブルな街の実現に参加してみてはいかがでしょうか?
執筆/フリーライター Nami Harashima






