「暮らしの質」を左右する空間の有効利用

地価の高騰や住宅価格の上昇により、日本の都市部を中心に新築住宅は年々コンパクト化が進んでいます。国土交通省の調査では、2004年度に1戸あたり134.2㎡だった平均延べ床面積は2023年度には114.0㎡と、この20年で約20㎡も縮小しています。「1部屋分が消えた」と言っても過言ではありません。

こうした住環境の変化のなかで「限られた空間をどう活かすか」が暮らしの質を大きく左右するようになりました。ここで注目されるのが「スペースパフォーマンス（以下、スペパ）」です。これは限られたスペースを効率的かつ効果的に使い、そこから得られる価値や満足度を高めるという考え方であり、現代の都市生活では重要なキーワードのひとつと言えます。

狭小住宅に「ビルトイン家電」という選択肢

「スペパ」を実現する鍵のひとつとして、ミーレが提案するのが「ビルトイン家電」という選択肢です。そもそもビルトイン家電とは、キッチンや収納などの家具にあらかじめ組み込んで設置するタイプの家電のことを指します。空間にすっきりと収まり、生活感を抑えながら美しいインテリアを保てるのが特徴です。オーブンや食洗機、洗濯機などを家具や収納と一体化させることで、空間をより美しく機能的に活かすことができます。

ミーレは「ビルトイン家電はシンプルで洗練されたデザインが空間に自然に溶け込みつつ、凛とした存在感を放ち、住まいの価値を高める」としています。限られたスペースを最大限に活かし、デザイン性にも優れた住宅は「暮らしの質」を上げることでしょう。

「スペパ」を体現するリアルな暮らしの事例

こうした中、業界の関係者や一般生活者もビルトイン家電が叶えるスペパに注目しています。
床面積わずか19㎡の狭小住宅に暮らしている建築家・保坂猛さん、恵さん夫妻は、驚くほどコンパクトな空間にビルトイン家電の食洗機や洗濯乾燥機を取り入れるなどして、豊かな暮らしを実現。恵さんは「コンパクト＝何かを諦めると思いがちですが、本当に何も我慢してないんです。むしろより豊かになっている感じがしますね」と語っています。

一方で、ミーレのユーザーである一般生活者は、ビルトイン家電のオーブンと食洗機をキッチンに組み込み、洗濯機・衣類乾燥機をバスルーム横に配置。わずかな動線の工夫で料理の合間に洗濯を済ませられる効率的な暮らしを実現していて、「ビルトイン家電はQuality of Lifeが向上して、本当に大満足です」と話しています。

未来の都市住宅とスペースパフォーマンス

コンパクト住宅が当たり前になりつつある今こそ、「狭小でも豊かな暮らし」を実現する工夫が求められています。スペースパフォーマンスを高めるビルトイン家電は、その選択肢のひとつです。これはSDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」にもつながると考えます。ビルトイン家電が叶えるスペースパフォーマンスという新価値。「コンパクト＝我慢」ではなく「コンパクト＝豊かさ」へと暮らしをシフトさせるきっかけとなるでしょう。