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国内最大規模のアップサイクルデザインコンテスト『Reclothes Cup 2025』が開催。ブックオフから始まるアップサイクルの未来


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12 つくる責任つかう責任
国内最大規模のアップサイクルデザインコンテスト『Reclothes Cup 2025』が開催。ブックオフから始まるアップサイクルの未来

10月13日(月・祝)、福岡県福岡市の福岡国際会議場で国内最大規模となる古着のアップサイクルデザインコンテスト『Reclothes Cup 2025』が開催されました。
『Reclothes Cup(リクロースカップ)』は、古本やトレカなどを中心に取り扱うリユースショップ「BOOKOFF」を運営するブックオフコーポレーション株式会社が主催するアップサイクルデザインコンテストです。このコンテストは、2021年に初開催し、今年で5度目の開催を迎えました。応募作品の制作条件として、BOOKOFFの店頭に並ぶ1,500円未満の古着を取り入れることが必須となっています。

衣服ロス問題とリユーストレンド

昨今、大量生産・大量廃棄が続く世の中で「衣服ロス」が深刻な問題となっています。
不要となった衣服を手放す方法としては、古着としての譲渡・売却、資源としての回収、そしてゴミとしての廃棄と大きく3つあります。可燃ごみとして1日に約1,300トン廃棄※1されている、といったデータもあります。なんとこれは、大型トラック約130台分に相当します。一方で近年フリマアプリの普及や若者の古着ブーム、世の中のサスティナブルファッションの関心の高まりからリユース市場の規模が拡大。衣類カテゴリーのリユース市場規模は6,392億円※2にも上ります。そんな「衣服ロス」と「リユーストレンド」に着目した取り組みが『Reclothes Cup』です。

*1:https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/ 
*2:https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_11719.php

数も質も高まりを見せる『Reclothes Cup』

応募部門は、全国の高校生以上の学生を対象とした「デザイン部門」と学生から一般の方まで自由に参加いただける「販売部門」で構成されています。今年で5度目の開催となる『Reclothes Cup 2025』は、デザイン部門551作品・販売部門61作品、計612作品の応募がありました。昨年度の応募総数・489作品をはるかに超えました。6月に、デザイン画・作品コンセプトが記載されたエントリーシートをもとにした一次審査会で、「デザイン部門」40作品、「販売部門」20作品、計60作品が通過し、最終審査会への出場が決定しました。

審査員は、「回を重ねるごとに、デザイン画のクオリティが上がっており、コンテスト自体のレベルが上がってきてきました」とコメント。応募数だけでなく、応募作品の質の高まりを見せています。一次審査会を通過した応募者は、8月29日の作品提出締め切りに向け、BOOKOFFの店頭に並ぶ古着から素材を選定し、デザイン画をベースに衣装制作を行いました。

古着にしかない生地感そのものを生かした作品がグランプリを獲得

約2ヶ月間の制作期間を経て完成した作品は、10月13日(月・祝)開催の最終審査会で、実際にモデルが着用し、ファッションショー形式のコンテストを実施しました。その前日に、審査員が完成した作品をチェックした上で、最終的にはランウェイでの作品を評価し、受賞作品を決定しました。

『Reclothes Cup 2025』「デザイン部門」のグランプリは、開催地福岡県の香蘭ファッションデザイン専門学校の川端 應斗さんが受賞しました。表彰式で川端さんは自身の作品について、「作品のテーマは『LINE』にしました。洋服の柄でいう線、すなわちボーダーには、囚人服のようなマイナスなイメージがあります。

そこで、衣服廃棄とボーダーのマイナスなイメージという二つの要素を結びつけ、古着が持つ特有の生地感を生かしながら、異なるボーダー柄を継ぎ接ぎすることで新たな可能性を表現しました」とコメント。審査員長である児島 幹規氏は、「古着特有の柄、欲しくない柄だから残ってしまう、そのような古着の柄をあえて全面に押し出して昇華させるといった点、審査基準のひとつでもある第一印象において、作品自体の力強さも感じた。作品を近くで見た時に、『おお。こう仕上げたか!』とディテールのきめ細やかさを感じさせてくれる作品でした。審査員満場一致でグランプリとして選出となりました」と高く評価しました。

アップサイクルが当たり前の世の中に

本だけでなく、洋服やスポーツ用品など様々なモノを、リユースという形で循環させるBOOKOFFが、未来のファッション業界を担う学生たちと一緒にアップサイクルデザインコンテンストに取り組むことで、「衣服ロス」解決に向けた新たなアプローチだと感じました。このコンテストでアップサイクルする楽しさを知った学生たちが、アクションし続けることで、世の中のファッショントレンドも変化してくるかもしれません。そして、BOOKOFFにもこのコンテストを開催し続けることで、アップサイクルの輪を広げていってくれることを期待しています。

Reclothes Cup 2025 (YouTube)