壊さず、活かし、街へつなぐー都心主要エリアで進む「TRUST VALUE」の不動産再生
この記事に該当する目標


老朽化した建物は、建て替えるしかないーそんな考え方が今、都市の中で少しずつ変わり始めています。建物を壊さず、活かし、未来につなぐ。それは、SDGsが掲げる「住み続けられるまちづくり」や「つくる責任・つかう責任」とも深く重なります。
12月11日、東京を中⼼に不動産事業を展開する東通グループが、不動産再⽣事業「TRUST VALUE」で、新たに都⼼主要エリアを網羅する計5物件を展開することを発表しました。「TRUST VALUE」では、⽼朽化した建物の付加価値を創出するバリューアップにより、既存の建物のポテンシャルを最⼤限に引き出し、魅⼒ある物件に⽣まれ変わらせます。
都心に点在する“老朽化不動産”を、未来の資産へ


東通グループが新たに展開することを発表した物件は、 「TRUST VALUE ⽩⾦台」 「TRUST VALUE ⾚坂」「TRUST VALUE 新宿御苑Ⅱ」「TRUST VALUE ⿇布⼗番」「TRUST VALUE 渋⾕東」の5つ。いずれも、港区、新宿区、渋⾕区といった東京の中⼼地の物件です。このエリアは地価・賃料水準が高く、新しい土地が出ることもほぼないため、新規開発は難しい場所です。だからこそ、古くからある建物を活かしながら価値を高める不動産再生は、非常に現実的で、今必要な選択肢だといえます。
壊さずに価値を高める「不動産再生」という選択
東通グループが手がける不動産再生事業「TRUST VALUE」では、老朽化した建物を単に修繕するのではなく、現代のニーズに即した機能とデザインを加えることで、新たな価値を生み出します。港区・新宿区・渋谷区といった都心主要エリアにおいて、建物が本来持つポテンシャルを引き出しながら、都市機能を更新していく、それが同社の目指す不動産再生のかたちです。


それぞれの物件では、立地や街の文脈を丁寧に読み取り、エリア特性に寄り添った空間へとバリューアップを実施。「TRUST VALUE」は、高いデザイン性と実用性を兼ね備えた都市空間を安定的に市場へ供給することを目指します。
既存のものを活かしながら都市の価値を更新していくこうした取り組みは、資源を無駄にしない持続可能な都市づくりの視点からも、今後ますます重要性を増していくでしょう。
エリアの記憶を継承する、「TRUST VALUE」のデザイン思想


「TRUST VALUE」シリーズのひとつである「TRUST VALUE 白金台」は、白金台が持つ文化的で重厚な街並みに調和しながら、学習塾やクリニックといった、清潔感や安心感を求める入居者ニーズにも応える軽やかな表情へと生まれ変わりました。低層部のゲート形状アプローチや特徴的な軒天といった既存の意匠を活かし、端正で品格あるファサードを構成。看板位置の整理とデジタルサイネージの導入により、街並みとの調和を保ちながら視認性と情報更新性を高めています。さらに、宅配ボックスの新設やEVホール天井の折り上げ、間接照明の採用など、現代の利用シーンに即した機能性と快適性を加えることで、建物全体の価値をアップデートしました。


「TRUST VALUE 赤坂」では、モダニズム全盛期の意匠を継承しつつ、老朽化や後年の改修によって失われていた本来の調和と美しさを丁寧に再構築しています。既存の大きな吹き抜けが生み出す縦方向の開放感を活かし、新設ルーバーを組み合わせることで、エントランスに象徴性と奥行きを創出。インターホンや郵便受けといった既存要素は配置を変えずに素材を刷新し、建物の歴史性を尊重しながら、現代的な存在感へと昇華させました。建物が本来備えていたポテンシャルを最大限に引き出し、「価値をつくり直す」ことを体現したリニューアル計画です。
既存の構造や意匠を活かしながら価値を再定義するこれらの取り組みは、スクラップ&ビルドとは異なる、持続可能な都市更新のひとつの答えともいえるでしょう。
建物を新しくすることだけが、価値創出ではありません。既にそこにあるものを見つめ直し、活かし、未来に手渡していくこともまた、重要な選択です。
東通グループの「TRUST VALUE」が示す不動産再生は、都市の更新を“消費”ではなく“循環”として捉える取り組みです。
限りある資源をどう使い、どんな街を次の世代に残すのか。不動産業界でも、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」、目標12「つくる責任 つかう責任」に繫がる考え方が広がっています。
執筆/フリーライター Yuki Katagiri






