“SDGs”と“企業”をもっと近づける!SGDs MAGAGINE

【Unipos×メルカリ対談】Uniposが提供する従業員寄付体験「SDGsプラン」から考えるSDGsの社内推進

【Unipos×メルカリ対談】Uniposが提供する従業員寄付体験「SDGsプラン」から考えるSDGsの社内推進

#SERVICE
  • パートナーシップで目標を達成しよう

みなさんは日常的に寄付をしていますか? 災害への募金はしたことがあるけれど、日常では・・・という方も多いのではないでしょうか? 

社員間コミュニケーションツールを提供するUnipos(ユニポス)では、従業員が「Unipos」上で獲得したピアボーナスを使い、自社のSDGs活動に寄与する社会貢献活動を行う団体を選んで寄付できる「SDGsプラン」を提供しています。これまで、同サービスでは従業員間で感謝のメッセージとともに送り合った「ポイント」を、ピアボーナスとして給与などの報酬に変換してきました。ピアボーナスを寄付するという選択肢を作ったことで、同社はSDGs推進を後押しする企業となり、SDGsを従業員が自分事化するため、社内浸透に苦戦している企業の一助となっているようです。

今回、Uniposを提供するUnipos株式会社代表取締役社長の斉藤さんと、SDGsプランの導入企業である株式会社メルカリBranding team manager/ESG leadである田原さんに対談していただき、社内のSDGs推進を進める秘訣を聞いてきました。

導入をきっかけに、社員の寄付への関心を知る

― まずUniposで「SDGsプラン」を作られたきっかけを教えていただけますか。

斉藤さん:SDGsプランは日本での実装前に、社会課題に対する国民意識が高いドイツにて試験導入を行いました。サービスを導入したとある現地企業では、事業が成長し、社会の役に立っている反面、成長するほどに温室効果ガスを排出してしまうことが、社員のロイヤリティを下げていました。ソーシャルグッドの意識が強く、自分が社会に貢献していることを誇りに思うようなドイツの国民性が影響しています。そこで、ピアボーナスを報酬として受け取るのではなく、寄付する仕組みをつくることで社員が誇りをもって働けるようになるのではないかと考えたのが、SDGsプランを作るきっかけです。

― 実際にSDGsプランを導入されてみて、いかがですか。

田原さん:導入する前は本当にワークするのか、少し不安でした。感謝の気持ちから生まれたピアボーナスを、社会貢献に使うことを社員はどう思うのだろうと。アナウンスをしたところ、むしろ社内から「待っていました!」と良い反応が起こりました。メルカリは社会課題を解決する事業を行っていることから、社員ひとり一人の社会貢献に対する関心が高いです。普段から個人的に寄付を行っている人がいることも知っていましたが、想像以上に寄付をしてみたいと思っている人が多く、驚かされました。

斉藤さん:まだ初めて4か月程度ですが、「こんな社会問題が起こっています」「コロナの支援ができないでしょうか?」「今回の水害(※令和2年7月豪雨)の支援をできないでしょうか?」と田原さんから多くの相談をいただきます。

田原さん:Uniposさんに相談する内容は社員から直接相談を受けたものです。リクエストに応えていただく度に社員も喜んでいます。

斉藤さん:寄付して終わりではなく、より自分事化してもらうためにも、寄付先が行った活動のレポートを送っています。このレポートは情報を蓄積しているのでメディア展開を行ったり、実際に社員の方が寄付先に訪問するツアーだったり、オンライン体験会をしたりできないか・・・と構想中です。もっと社員の皆さんが自分事化できるもの、それを支える仕組みを考えていきたいなと思っています。

「なぜこの団体に寄付をすべきか?」企業の姿勢を考えさせるきっかけに

― サービス開始時の寄付先はどのように選ばれているのですか?

斉藤さん:意図的に、SDGsプランを導入する企業が寄付先を選ぶプロセスにしています。たとえば、メルカリさんの場合、マテリアリティ(※本業を通じて解決するべき最も重要な課題)で挙げているSDGsの項目『つくる責任、つかう責任』に当てはまる団体を2~3つ紹介し、「こんな活動をしていますが、どうでしょうか?」とマッチングさせていただいています。どの団体にも寄付できる仕組みでは、「メルカリのSDGsの取り組み方針とマッチしない」となるため、導入企業に必ず選んでもらうようにしています。

田原さん: UniposのSDGsプランにおいては、寄付先を導入企業が選ぶことが重要だと私も思います。企業として寄付先を適当に決めてしまうと、お金を無責任に回してしまうことになります。実際、寄付先のリストを眺めると、「メルカリの解決したい社会・環境課題に即しているか」と1つひとつ考えることになります。企業が社会に存在する意義をもう一度考える良いきっかけになると思います。メルカリの場合は、SDGsのマテリアリティが決まっていたので、企業が大事にしたい事と寄付先の候補を照らし合わせ、吟味して考えることができました。

斉藤さん:自分たちの企業がしたいことや、事業として成したい未来の先の壁になっているもの、今の当たり前を変えないといけない、という軸でメルカリさんは寄付先を選んでいます。「自身の日々の会社に対する貢献がが仲間から称賛され、ピアボーナスを受け取り、ピアボーナスの寄付が世の中のためになる」この循環によって、働く意義を感じてもらうことが、Uniposが掲げる「働き甲斐」に資するものだと思っています。

自分たちにしか解決できない社会問題は何か

―先ほどSDGsのマテリアリティという話が出ました。自社のサービスに派生させてSDGsの取り組みをされている印象を受けますが、メルカリさんの場合はどのようにマテリアリティを選ばれたのでしょうか。

田原さん:SDGsに貢献しようというよりも、どんなフレームワークを使えばステークホルダーにメルカリが目指すことが伝わるのか、という視点で模索してきました。日本では大量に物が捨てられているにも関わらず、新興国では豊かになりたくてもなれない子どもたちがいる。この光景を創業者の山田進太郎が目の当たりにし、こんな不均衡な世の中でいいんだろうか? と疑問を持ったのが、メルカリ誕生のきっかけです。敢えて、SDGsとして発信しなくても良いのでは?という気持ちもありましたが、最終的にはグローバルに通用するESGというフレームワークに当てはめて、ストーリーを話していこう、という判断をしました。元々、創業理念が社会課題なので、新しく何かをはじめようということではなく、どう伝えたらステークホルダーに伝わるか考えた結果、それがESGでした。素案を作るときは、投資家など色んなステークホルダーの方々とお話をしました。SDGsの項目を見ると全てを取り入れた方が良いのではないかと思ってしまい、当初は11個もマテリアリティがありました。でも、「いやいや、メルカリさんにしかできないことがあるでしょ。そこにフォーカスした方が良いですよ」とアドバイスをいただいて。5個まで絞り込みました。

斉藤さん: SDGsは17項目に対して169の目標がありますが、一つひとつの目標を見て自社に合う合わない、と議論するのは違うのではないかと思います。自社の「こうなりたい」から逆算して、たまたまこの目標が当てはまっていたよね、とガイドとして扱うのには良い指標だと思います。思想を持っていて、Why(なぜ?)を語れる進太郎さんは素敵だなぁと思っています。我々は、『「はたらく」と「人」を大切にできる世界に』をビジョンに掲げています。思想が中心にあると、サービスで何をするかしないか、の判断軸になるんです。

田原さん:どんな企業でも何かの課題を解決したくて存在していると思います。問題を解決したいと思って事業を起こす、というところに意味があり、「今ある課題をこんな風に解決してやろう!」と、熱意を持った人がどんどん創業していくことが必要なのではないかと思います。

作りたい社会を語ろう、語れる人を増やそう

―お二人がおっしゃる通り、思想や軸がしっかりしていないと、結果的に色々なものに手を出してしまう、というのは他の企業でもあることですよね。

田原さん:そうですね。メルカリでは5つのマテリアリティから軸をずらすことなく、施策を行ってきました。直近の事例としては、2つ目のマテリアリティである循環型社会の実現に向けた文化の醸成・教育に取り組んでいます。自分の目の前にあるものを、どんな人が作っていて、どんな資源が使われていて、どんなお金がかかっていて・・・と、小さいころから意識しているのと意識していないのとでは、大人になったときの環境やあるべき社会に対する意識が変わると思っています。そこで企画したプロジェクトが、メルカリを使って物やお金の価値を親子で学ぶことができる「メルカリかんさつ帳」です。こうした時間が、家庭の中で広がっていくことが、遠回りに思えますが、結果的に私たちが作りたい社会につながるのではないかなと思っています。

https://jp-news.mercari.com/2020/06/22/kansatsucho_monitor/

―メルカリさんのように、自社の思想からSDGsの取り組みを実施し、ブランディングや事業の成長に繋がっていくことは、経済と社会、環境が統合的に向上していて、SDGsの取り組みとしては理想形ですね。

斉藤さん:ここまでお話をしてきて、田原さんが会社とSDGsのマテリアリティについて語れること自体が素敵なことだと思っています。田原さんを起点に、語れる人が増えることで、担当者ではないメルカリのマーケターの方が企画する流れも自然と生まれるかもしれないです。結果的に、社会的な意義が生まれ、企業のブランドとなり、ファンも増え、事業が伸びていくと思います。そのためには、マテリアリティと自社との接続「なぜ自分たちがやるのか?」を考えぬくことどれだけ自分たちが語れるかが重要です。

田原さん:私も熱量をもって語り、同じように語れる人を増やしていくことが重要だと思っています。始めたばかりのころは、語れる人も少ないため、出来る人が汗をかいて語っていくしかありません。他の企業の担当者さんと話をする機会も多いですが、プラスアルファーの部署になっていたり、やらなくてはいけないから作りましたといった部署になっていたりと、そこに熱がないことが一番の問題だと思います。SDGsのチームに入った人は、使命だと思って熱を持つしかありません。私の役割もまさに汗をかいて熱く語ることです。熱量をもって語ることで人の共感を得られると思っています。実際に、キラキラした目で循環型社会について語る進太郎さんや小泉さんの姿にワクワクし、共感したからこそ、喜んでこの役割に取り組んでいます。

斉藤さん:田原さんのように思ってくれる人が近くにいるのは、経営者として嬉しいことです。経営者、メルカリの思想に共感し、最初の一人が語り始め、代弁してくれる人が増える。究極のフォロワーだなと思いました。

田原さん:フォロワーを増やすのはすごく大事です。

斉藤さん:そのための一番いい方法が、Why(なぜ?)を語ることだと思っています。

田原さん:本当にそう思います。企業が存在するまでには、原体験やストーリーがあるはずです。そのストーリーを社員に対して語っていくことが、SDGsを事業につなげていくために大事なのではないかと思います。

—————————-

二社の取り組みやUniposのSDGsプランを通して、SDGs推進のポイントは見えてきましたでしょうか?

今回、お話を聞いた二社ともに、自社の事業に根差したところからSDGs達成に向けた事業展開を進めていました。

これまでのCSR活動では、多くの企業が本業から離れたところで寄付活動などを行う事例が多く、そうした取り組みを行う企業のサービスを利用しても、生活者にとっては直接的に社会課題へ取り組むことや影響を与えることができませんでした。

しかし、両社のサービスを使うことになる生活者は違います。UniposのSDGsプランが会社に導入されていれば、SDGs達成のために寄付をすることができます。メルカリのサービスを使うことで、自分にとって不要なものを、必要な誰かに届けることができます。もしかすると、使っている人はSDGsのことなど意識していないかもしれません。それでも、社会の一員として無意識に良い行動をとることが出来る仕組みが提供されています。企業の役割は自社の事業に根差したところでSDGsの取り組みを真摯に行い、生活者にまで届くような仕組みづくりを行うことではないかと考えさせられる対談となりました。

SDGs MAGAZINE

WRITTEN BYSDGs MAGAZINE

カテゴリーの新着記事

新着記事

Page Top