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働く人の約3人に1人は定期的な通院を必要とする持病を抱えている!?仕事と病の両立、「ワークシックバランス」を実現するには?

働く人の約3人に1人は定期的な通院を必要とする持病を抱えている!?仕事と病の両立、「ワークシックバランス」を実現するには?

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  • すべての人に健康と福祉を

SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」のターゲットには、「若者や障害者を含む全ての男性及び女性が、自分らしく働けるようにする」という項目が設けられています。

「誰一人取り残さない」と掲げているSDGsにおいて、病気を抱えながらも働く意欲や能力がある人のことも例外ではありません。病気や患者さんに対する社会の理解が深まれば、病気の治療などを理由にフルタイムの勤務ができなくても、働きたい人が働けるようになることで、社会全体の成長にもつながります。

この「病気」と「働く」の両立、“ワークシックバランス”の啓発を行うヤンセンファーマは、すべての人々が自分らしい働き方のできる環境作りに向けたイベントを実施しました。

2020年12月11日(金)から13日(日)まで、二子玉川ライズ ガレリアにて開催された、

炎症性腸疾患(IBD)を事例として仕事と治療の両立を考えるイベント、「ワークシックバランスひろば」の模様をお送りします。

ヤンセンファーマでは、IBDの患者さんが、難病を抱えながらも「自分らしくはたらく」ことをサポートしつつ、社会への理解促進を通じて「働きやすい就労環境」をつくっていくために、2019年5月から「IBDとはたらくプロジェクト」という啓発活動に取り組んでいます。

IBDとは、炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease)のことで、主に潰瘍性大腸炎と、クローン病を指します。腸に炎症が起こり、下痢、腹痛、発熱などの症状があります。患者数は世界規模で増加傾向にあり、日本での患者数は約29万人にものぼるとされています。根治に至る治療法のない難病ではあっても、ただちに命に関わる病気ではありません。

今回のイベントに先立ち、2020年12月11日(=胃腸の日)に開催されたメディアセミナーでは、エッセイスト/タレントの小島慶子さん、北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター(IBDセンター)副センター長の小林拓先生、医療ジャーナリストの森まどかさん、実際にIBDを患いながら自分らしいワークスタイルを送っている患者さん代表として奥野さんの4名によるトークセッションが行われました。現在のコロナ禍の医療体制の状況を考慮して、小林先生はオンラインでのご登壇でした。

まず、今回ヤンセンファーマが行った「ワークシックバランス」の重要性に関する調査レポートが発表されました。「ワークシックバランス」とは、病を抱えながら働く人が、周囲の理解を促しながら仕事と病との調和をとり、病があっても自分らしい働き方を選択できることを目指す考え方です。

2020年10月に全国の就労中の男女 1,000人を対象に調査を行った結果、働く人の約3人に1人(32%)が定期的な通院が必要な持病を抱えているそうです。「仕事と病の両立」は多くの人にとって身近な課題であることがわかりました。

また、持病を抱えている人のうち、約半数以上(55%)の方が日常や仕事に影響があると回答しながらも、上司に持病を伝えている人は32%にとどまり、上司や同僚といった周囲の人たちに自身の病気のことを言いにくいと感じていることがわかります。

一方で、周囲の人たちの約7割が「どのようにサポートしたらいいか分からない」「病気について聞いていいのかわからない」など疾患に関するコミュニケーションの難しさを課題に挙げており、両者のギャップを埋める必要性が感じられます。

 この、患者さんと周囲の方の双方のコミュニケーションについて、IBD患者の奥野さんは「企業に理解を求めるだけでなく、患者自身も伝える力を磨かなければならないと思います。『周囲の理解がない』と嘆くのではなく、自分の強みをアピールできるようなコミュニケーションを心がけ、企業側と患者さんが互いに理解を高めながら、歩み寄ることが、ワークシックバランスに繋がると感じています」と双方理解の大切さを強く訴えていました。

続くトークセッションでは、「IBDという難病を抱えながらも、自分らしく働くためにはどうするべきか」 「昨今の社会情勢の中で治療とどう向き合っていくか」について考えを深めるなか、小林拓先生は、「普段つい『シック』に注目して診察しがちですが、患者さんとコミュニケーションを取るうえで『ワーク』や『ライフ』の部分にも目を向けていかなければならないと思います」と、医師ならではの意見が。「ワークシックバランス」を保つうえで重要なポイントの一つとして、患者さん一人で悩みや不安を抱え込むのではなく、医師や職場の人と一緒に考えていくことが示唆されました。

また、自身の病気や障害について積極的に発信し「ワークシックバランス」を体現している小島慶子さんは、33歳で不安障害を発症し、仕事と治療と子育ての両立にかなり悩んだそうです。「当時、会社の人が親身になって話を聞いてくれて気軽に相談できたことがすごく助かりました」と自身の経験を振り返りながら、周囲のサポートの重要性を伝えていました。また、「心理的安全性が高い職場は結果的に能率が上がると思うので、みんなのハッピーにつながるような職場作りをしてほしい」と職場の環境が仕事に与える影響や、その環境を整える立場の方々に対する自身の期待を述べていました。

さらに、イベント会場では、「ワークシックバランス」の考え方を象徴して設置された「ワークシックバランスシーソー」や「リモートワーキングロボット」の体験、トイレットペーパーにIBDに関する読み物が記載された「トイレットフリーペーパー」の配布も行っていました。

「リモートワーキングロボット」は、在宅勤務しやすい環境づくりをサポートする、自立走行可能なビデオ会議ロボットです。コロナ禍の影響で働き方にもかなり変化がありましたが、リモートワークの浸透によって、IBD患者さんのように通勤の負担が軽減され、働きやすくなる方もいるようです。

離れた場所からでも、まるでその場にいるように存在感を保ちながら働けるのは、患者さんだけでなく、コミュニケーションの活性化が期待できそうですね。

高齢化社会により、今後も病気を抱えながら働く人が増えることが予想されます。

だからこそ、何にもない状態が健康なのではなく、病気や持病を抱えていても健康だと思える自分と、それをかなえる社会を作っていく必要があるのかもしれません。

「ワークライフバランス」の考え方だけでなく、「ワークシックバランス」の考え方がより多くの人に広まることで、持病がある人も、そうでない人も、安心して働ける環境づくりが進むといいですね。

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