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スポーツ業界に広がるSDGs活動。日本サッカー界の活動にフォーカス


スポーツ業界に広がるSDGs活動。日本サッカー界の活動にフォーカス

「世界でいちばん地域を愛するプロサッカーリーグになりたい。」

そんな思いを持つサッカー「Jリーグ」が、全58クラブの、ホームタウン・シャレン!活動の中から、プロサッカークラブを通じたSDGs推進事例として特に社会に広く共有したい活動を表彰する「2022 Jリーグシャレン!アウォーズ」が、5月10日にオンラインで開催されました。今年で3回目の開催となるJリーグシャレン!アウォーズでは、“地域に根差したプロスポーツクラブの持つ価値”を特に発揮した6クラブの活動が表彰されました。

Jリーグが取り組む「シャレン!」とは

Jリーグが2018年から推進している「シャレン!(社会連携活動)」は、教育やダイバーシティ、まちづくりなど社会課題や地域の共通のテーマに対して、地域の人や企業、自治体や学校などと、Jリーグ・Jクラブが連携して取り組んでいる活動です。これらの社会貢献活動はSDGsとも強く関係しており、地域社会の持続可能性の確保、関係性の構築や学びの獲得、それぞれのステークホルダーの価値の再発見などにも繋がっています。今回は全58クラブ、2021年シーズンに行われた2000を超える「シャレン!」活動の中から、「2022 Jリーグシャレン!アウォーズ」で表彰をされた取り組みを一部ご紹介します!

いわてグルージャ盛岡「ゴミで繋ぐ未来へのパス、グルージャごみゼロPJ」

「スタジアムから出るごみを少しでも減らしたい」という想いから2021年にスタートした「いわてグルージャ盛岡ごみゼロプロジェクト」。丸紅株式会社協力の元、ホームゲーム開催時のスタジアムグルメの店舗で循環型食器『edish』を使用し、堆肥化したごみを同クラブで行っているお米づくりに再利用。出来たお米は県内の子ども食堂に寄付し、子どもの健康な発育と居場所作りを行う事で、地域課題の解決につなげました。地域スポーツを応援する事をきっかけとしたゴミ問題解決と社会連携を目指した循環型のプロジェクトです。

松本山雅FC「スタジアムトイレに生理用品の設置と生理への理解」

子どもたちの生理の貧困・生理に対する知識が浅いという課題に着目し取り組んだ活動。REDBOXJAPAN協力のもと、松本山雅のレディースU-15や地域の女子選手に向けて、フェムケアに関する講習を実施し、さらに性別問わず理解を深めてもらいたいという考えから、地域の方に向けて、オンラインで講習を配信しました。さらにスタジアムでは、試合の有無に関わらず、トイレに生理用品を設置。若い年代の選手たちへ正しい生理の知識を伝えること、クラブが主体となり生理に対してオープンな環境をつくることで女性スポーツの発展を目指したプロジェクトです。

カターレ富山「Be supporters!サポーターになろう!」

富山県内の福祉施設で暮らす高齢者・認知症の方など普段は周囲に「支えられる人」が「支える人」となり、新しくサポーターとなってクラブを支えていくプロジェクト。施設内の公共スペースでパブリックビューイングを実施。高齢者の方々が、クラブの応援歌にあわせて全力でタオルマフラーを回したり、事前に制作したオリジナルの応援グッズを掲げたりと、地元クラブや選手を応援することで仲間ができてコミュニケーションが生まれ、生きがいや生活に充実感を感じることができ、健康増進にも繋がりました。2021年には、富山県内福祉施設に延べ1000人、最高齢98歳のサポーターが新たに誕生!高齢者に起きた変化には医学の専門家も注目しています。

日本サッカー界を巻き込んだ持続可能は地域創成

1993年に開幕し、“地域密着”を理念に歴史を重ねてきたJリーグは2022年5月15日に節目の30年目を迎えました。地域の課題は常に変化し続けますが、Jリーグ・Jクラブはこの30年間、常に地域に寄り添い数々のホームタウン活動をしてきました。人々に感動や興奮を与えることができるスポーツだからこそ、そして、地域と30年間一緒になって歩んできたJリーグだからこそ、地域課題の解決やSDGs目標達成のためにできることがあるのではないでしょうか。そんなJリーグクラブのシャレン!活動から私たちも気づかされることがあるのかもしれません。