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レシート、リサイクルできないって知ってた?日本では年間約5.4万トンのレシートが廃棄に。


この記事に該当する目標
14 海の豊かさを守ろう 15 陸の豊かさも守ろう
レシート、リサイクルできないって知ってた?日本では年間約5.4万トンのレシートが廃棄に。

2023年8月1日に、フランスでは環境対策の観点から紙のレシートが原則撤廃になったことが話題になりました。
これによりフランスではレシートは客側が依頼しない限り発行がされない仕組みに。生活に欠かさずあったレシートが当たり前でなくなることが社会で注目を浴びましたが、これはフランスだけのことではありません。
今、日本の私たちの生活でも「ペーパーレス化」により、特に企業で働く方には大切な“紙のあれ”がなくなる動きが迫っているのをご存知ですか?

今回は私たちにも迫っている日本の「ペーパーレス化」と、フランス、アメリカ、日本のそれぞれの国の環境に対する取り組みについて考えてみましょう。

レシートはリサイクルできない?

何かを購入すると必ず手元に残るレシートや、FAXに使用されている紙は感熱紙を呼ばれる特別な紙。そしてリサイクルに不向きな「禁忌品」と定められています。
感熱紙の表面には熱が伝わると黒く印字される特殊なインクが使われているため、古紙に感熱紙が混ざると再利用ができなくなってしまうそう。処分する際は「燃えるゴミ」で捨てることが推奨されています。

今回話題になったフランスでのレシート原則撤廃の背景には、電子決済が進んでいく中でレシートが不要なのではないか?という声もありつつ、背景には環境問題への懸念点が大きく関わっています。

フランスの地元メディアによると、フランスでは年間125億枚のレシートが印刷されていて、そのために約2500万本の木が伐採、180億リットルの水が使われているといいます。
レシートが再利用ができないからこそ、紙や水などの資源を守るための取り組みの一環として、当初は2020年2月に施行が予定されていましたが、生活に馴染みすぎているレシートをいきなり撤廃することは簡単ではありません。今回の施行に至るまでインフラへの懸念や小売業者での準備期間の必要性から2度延期になり、今回十分な整備を整えてついに施行されました。

日本では年間2.4億ロールのレシートを消費!

フランスでは年間125億枚消費されているレシート。では、日本ではどのくらいなのでしょう?日本全国で年間に消費されるレシート用紙は、約5.4万トンと言われています。これは、A4サイズのコピー用紙約135億枚に相当し、全国で販売されるレシートロールの数は年間2.4億ロール。

例えば、日本でレシートの発行量を30%削減することができれば、CO2排出削減量の効果は杉の木約11.6トン分に相当するそうです。日本でもフランスのような動きがあればきちんとエコに繋がり、SDGsの達成目標にもある「14海の豊かさを守ろう」「15陸の豊かさも守ろう」にも貢献できると言えます。

日本・アメリカ・フランスの環境意識

実はレシートの原則撤廃はフランスだけでなく、米国カリフォルニア州議会でも廃案になってしまったものの、紙レシートの印刷を廃止し、電子レシートの発行を求める法案が提出されていました。

このように世界と比較すると、日本は環境問題への対策に後れを取っているように感じますが、MMDLabo株式会社による日本・アメリカ・フランスに住む各国約400名の20歳~49歳の男女を対象にした「日米仏3ヶ国比較:都市部消費者の食の意識・動向調査」によると、「環境問題や倫理的な消費への意識から取り組んでいること・心がけていること」への質問について、日本はアメリカとフランスに比べて細かい取り組み意識は低いものの、生活と密接しているマイバックやマイボトルの使用や、食品ロスについては20%以上の人が意識した行動をしていることが分かりました。

一方で、あげられた項目のいずれも行動していないと回答した人も20%以上と、アメリカの3%とフランスの1%と比較すると、日本はまだまだ環境問題への意識が足りないと感じてしまいますよね。

来年から日本では“あれ”がデータ化に!

そんな中、環境対策が問題に上がる日本でも2020年10月1日に施行された「改正電子帳簿保存法」により、領収書はデータ管理が基本になります。領収書、大切に保管していた人も多いのでは?今までは紙のものを原本として保管していましたが、2024年1月1日以降は取引情報を原則データで、電子帳簿保存法の要件に則って保存することが必要となりました。

特に会社の経費などでこれまで紙の領収書を大切に扱っていた人たちにとっては、特に大きな変化になりそうですね。

ここ数年ではストローの紙化やエコバックの浸透など、私たちの生活でもプラスチック削減面は変化を遂げました。一人一人の生活の中で、プラスチックは以前よりも少しづつ削減されているでしょう。
領収書を対象にした「改正電子帳簿保存法」の施行や、フランスでのレシート撤廃のように、次は生活に馴染んでいる「紙」についての動きが盛んになれば、私たちの生活にさらなる変化が訪れそうですね。