東京・江戸川区のSDGsフェスに“潜入”新内眞衣が語るファッションにまつわるSDGsとの向き合い方
当WEBメディアと連携し、17の持続可能な開発目標、SDGsをパーソナリティの新内眞衣さんとともに楽しく、分かりやすく学んでいくニッポン放送のラジオ番組『SDGs MAGAZINE』。11月12日の放送では、10月28日に東京都立葛西臨海公園汐風の広場で開催され、新内さんも参加した「SDGs FES in EDOGAWA supported by TGC」の模様を紹介。ファッションにまつわるSDGsの話や新内さんのSDGsへの向き合い方にフォーカスする内容となった。
東京・江戸川区は2021年、内閣府がSDGs達成に向けた優れた取り組みを提案した自治体として認める「SDGs未来都市」に選定され、持続可能な都市モデルを目指している。TGC=東京ガールズコレクションのプロデュースのもと、そんな江戸川区のSDGsへの取り組みの一環として行われたのが「SDGs FES in EDOGAWA supported by TGC」だ。
新内 「今回は、私が『SDGs MAGAZINE』の看板を背負って出演してきました『SDGs FES in EDOGAWA supported by TGC』の模様をお伝えします。東京ガールズコレクションプロデュースのもと、江戸川区のSDGsの取り組み『SDGsえどがわ10の行動』を楽しみながら、学び・体験できるイベントで、今年で3年目。江戸川区はホームページなどでも区民に『10の行動』や『5つのステップ』などを分かりやすく伝えている自治体なんです」
「SDGsえどがわ10の行動」は、身近な行動からSDGsに取組めるよう、江戸川区がまとめた行動指針で、以下の10項目で構成されている。
行動1:食品ロスを防ぐため、必要な量だけ買おう
行動2:健康的な食事をし、運動を心がけ、十分な睡眠をとろう
行動3:家事や育児、介護に家族みんなで参加しよう
行動4:電気も水も大切に使おう
行動5:最新の科学や技術に興味を持ち、活用してみよう
行動6:一人ひとりの多様性への理解を深め、交流の機会を増やそう
行動7:世代を超えて地域のイベントや防災訓練に参加し、絆を深めよう
行動8:とにかくリサイクルをしよう
行動9:みどりを大切にし、プラごみを減らして豊かな自然を守ろう
行動10:川や海に囲まれた江戸川区の歴史や文化、環境を学ぼう
イベントでは、これら10の行動を学び、体験できるブースが登場。新内さんも、それぞれのブースを見てまわったという。
新内 「例えば行動2の『健康的な食事をし、運動を心がけ、十分な睡眠をとろう』では、ブースに大きめのテントのようなものがあってヨガを一緒にできたり、行動4の『電気も水も大切に使おう』ではウォーターサーバーが会場内にあって自分のボトルを持っていれば、いつでも水を汲んでいいですよという感じだったり、行動9や8ではフェスで出たごみをきちんと分別してリサイクルできるようなゴミステーションがあったりしました。親子連れの方もいっぱいいらっしゃって、みんなで楽しく学べる環境になっていました」
そのイベントではニッポン放送『SDGs MAGAZINE』のコラボレーションステージも実現。新内さんがフリーアナウンサーの山田真以さんの質問に答える形で、自身のSDGsへの向き合い方などを紹介した。番組では、そのステージでのトークの一部が公開された。
山田 「番組をされていて、気付きなどはありますか」
新内 「結構、街中でSDGsに関連したものを見かける機会が増えているかなと思っていて、それこそ工事現場の壁に描かれていたりとか、企業に行ったりしたときに、ここの企業はこの目標を頑張っているんだなというものを見かけたりとか、テレビとかラジオでもSDGsというワードを聞く機会はすごく増えたなと思っています。でも、その中身を知っている方はなかなか少ないと思うので、番組をやっている身として皆さんにお伝えしていきたいと思っています」
山田 「一つ一つ紐解いて知っていただくことが大事だと思いますね。新内さんが日頃から取り組んでいるSDGsに関することには、どのようなことがありますか」
新内 「今回のブースでもありますが、古着回収ですね。お洋服は基本的に捨てることはせず、古着回収に持って行ったりとか、友人に譲ったりとか、違う形で生まれ変わるように努力しています」
山田 「ごみについては、考え方が変わってきたという方は多いですよね」
新内 「ごみ捨てに関していうと、番組のゲストとしてお笑いコンビ、マシンガンズの滝沢秀一さんにいらっしゃっていただいたときに、本当にいろいろと聞けました。紙ごみって、それまで私は普通に燃えるごみとして捨ててしまっていたんですが、滝沢さんに『紙は資源』と教えてもらったんです。自治体によって違うんですけど、雑誌とかと一緒に回収するとそれが生まれ変わってくれる。それを知ってからは、分別を徹底しています」
山田 「どうしても雑誌、新聞紙とかまとまったものしか出してはいけないというイメージがありますよね」
新内 「私もそうだったんです。でも、自治体によりますが、基本的には資源ごみとして回収されるものですので、ぜひ皆さんも今日をきっかけに『紙は資源ごみ』と覚えて帰ってくれるとうれしいなと思います」
山田 「ほかに、これからやりたいSDGsの行動はありますか」
新内 「番組の中でも言ったことがあるのですが、今一人暮らしをしているので、調味料が余ってしまうんですよね。胡椒とか、ちょっとおしゃれな七味とか、ああいうものを使いきれなくて、余らせてしまうことが多かったので、調味料や香辛料の量り売りとかができたらいいなと思っています」
山田 「分かります! 確かに、それはいいですね。容器も自分のものを持っていって入れてもらえばごみも増えないですし」
新内 「そうなんです。最近は、ご家庭で調味料入れみたいなものにこだわって揃えている方も多いじゃないですか。それを考えても、量り売りってものすごく理にかなっているんじゃないかなと思います」
山田 「皆さん、詰め替えているわけですからね」
新内 「その詰め替えのアクションがいらなくなる、プラス資源も守られて無駄もなくなる。めちゃめちゃいいなと思っています」
山田 「それはやりたい、むしろ」
新内 「調味料の量り売り、どこかでできたらいいなと思っています」
新内 「TGCがプロデュースに入っているイベントということで、『ファッションとSDGs』についてお話した部分を中心に聞いてもらいました。ファッションについては、この番組でも何度か取り上げているんですけど、実はこちらも結構根深い問題で、国連貿易開発会議(2019年)において当時、世界のCO2排出量の8%を占め、ファッション業界は世界第2位の汚染産業と指摘されたこともあったということです。最近では『サステナブルファッション』という言葉も出てきて、『素材などをサステナブルなものにする』のと『選ぶ』を同時にするとか、そもそも『どういった服の手に入れ方、手放し方をするか』というのも大事なポイントになっています。環境省のページに、そういった現状が分かりやすくまとめられているのですが、そこからいくつか紹介していこうと思います」
国内における衣服の供給数は増加する一方で、1枚あたりの価格は年々安くなっている。つまり『安いものをたくさん売り、安いものをたくさん着る』という流れが生まれ、それによって衣服のライフサイクルが短くなり、大量廃棄に繋がっている現状がある。そうした中で、新内さんが挙げたのが(1)着ない服多すぎ問題(2)ほとんど捨てちゃう問題(3)毎日トラック120台分を焼却・埋め立てている問題-の3つの問題だ。
(1)着ない服多すぎ問題
手放す枚数よりも購入枚数の方が多く、統計では1年間で1回も着られていない服が1人あたり35 着もある。
新内 「この問題は、結構ドキッとする方がいるんじゃないかと思うんです。私も自分が大好きな服、一生着たいなと思うような服を選ぶようにしているんですけど、やっぱりコートとかって年々増えていて、最近衣替えをしたときに数えると10着以上ありました。もちろん、全部着ていますし、職業柄もあります。ただ、確かに1年間で1回も着ていない服がないかというと、ある。そういった時には手放し方をちゃんと考えるようにしています」
(2)ほとんど捨てちゃう問題
服を手放す方法として、主に「古着にする」「資源として回収する」「捨てる・廃棄する」の3つがある中、ダントツで多いのが「捨てる・廃棄する」。実に68%を占める。
新内 「私は、お気に入りの服を買っているからこそ、基本的に手放すときは古着にしたりとか、欲しいという友人がいればプレゼントしたりもしますし、資源として回収してもらう方法をチェックしたりというのは意識してやっています。でも、やっぱりまだまだ浸透していない感じはあるので、これを聞いている方はお洋服を手放すとなった時に、まず先に『捨てる・廃棄する』以外の選択肢を調べていただきたいなと思います」
(3)毎日大型トラック120台分を焼却&埋め立てている問題
服がごみとして出された場合、再資源化される割合は5%程。ほとんどはそのまま焼却・埋め立て処分されている。その量は年間で実に約45万トン。大型トラック約120台分を毎日焼却・埋め立てしている計算になる。
新内 「こういった問題を考えると、大量生産されたものを安く手に入れるという段階ではもうなくなってきているのではないかなと思うようになります。私もお洋服を買うことに、消極的なわけじゃないんです。自分の好きなものを楽しむというのは心の豊かさにもつながるので、自分の好きなものは買うって決めています。ただ、その手放し方、手に入れ方の選択が増えればいいなと。サステナブルであることはもちろんですが、何が本当に自分にとって心地良いものなのか、皆さんもぜひ考えてファッションを楽しんでみてください」
『SDGs FES in EDOGAWA』の模様を紹介した今回の放送。新内さんは「フェスに参加できて良かったなと思います。登壇するだけでなくフェス自体を楽しめたので、こういう機会があればまた参加したいなと思います」と前向きに振り返った。自治体や企業がさまざまな取り組みを進め、浸透しつつあるSDGs。そのワードだけでなく、いかに中身を知り、伝えることが大切かを改めて実感する貴重な機会となった様子だった。