移住者増加中の高知県、働きがいと住みやすさを両立した支援制度のポイントとは?
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四国の南西部に位置する高知県。ここは年間を通して温暖な気候であり、海・山・川すべて揃っている豊かな自然が特徴的な地域です。そのほか、独自の食文化や、オープンで朗らかな県民性など、語るべきポイントは尽きることがありません。そんな高知県ですが、近年デジタルマーケティングを活用した情報発信に力を入れているそう。こうした動きを通して、新たな移住関心層へのアプローチ拡大に取り組んだ結果、令和5年度は過去最多の1,437組、1,930人が移住を果たしたのだとか。中でも若年層が全体の約7割を占めているとのことで、いま高知移住は大きな注目を集めているのです。そこで今回は、働きがいと住みやすさを両立した暮らしが叶うという観点から、高知県の魅力に迫ってみようと思います。
就職の不安に寄り添う専門相談窓口や支援制度が充実
まずは、働き方について。こちらは特に移住を決める際の重要な要素になってくるかと思いますが、高知県は、就職に関する相談ができる専門相談窓口や支援制度が充実している点が安心と言えるでしょう。
たとえば、UIターンサポートセンターが運営するサイト「高知求人ネット」をはじめ、起業(スタートアップ)、県内事業者の事業の引継ぎ、農林水産業への就業など、幅広い切り口が用意されています。希望する暮らし方や働き方にじっくりと向き合うことができるので、移住後の自分が思い描きやすいかもしれませんね。
また、高知県の女性は「はちきん(土佐弁で男勝りの女性という意味)」と呼ばれるほど元気で、自由に活動できる風土があるのが特徴的。それ故、女性の起業家や経営者も多く活躍しています。その風土を活かし、性別に関わらず誰もが自分らしく、家庭でも仕事でも活躍できる社会づくりを目指しているそう。男性が育児休業を取得することを当たり前にし、育児や家事を分かち合う「共働き・共育て」を県民運動として日々推進している様子も印象的です。
「地域おこし協力隊」ほか、安心して住み続けられるまちづくりを実現
ここまでは働き方についてご紹介してきましたが、実は住みやすさの視点でも高知県は様々な取り組みを行っています。
その一つが、田舎暮らしへの憧れや不安から一歩踏み出したい人にぴったりな「二段階移住」。これは、地方での田舎暮らしを一気にはじめる前に、まずは他県との交通アクセスが良く、 比較的都市部の高知市に移住・滞在するというもの。そこを拠点に高知県内の各所を巡り、自分に合った地域を見つけ、 最終的な移住を決めることができる新しいかたちの移住の仕組みなのです。後々ミスマッチが発生しにくいですし、自分自身の目でみて・きいて・肌で感じながら住む場所を選ぶことで、その地への愛着も一層わくのではないでしょうか。
加えて、1〜3年間ほど都市部から地方に移り住み、地域の課題解決や活性化のための活動を行う制度「地域おこし協力隊」についても、その動きは活発とのこと。高知県は、人口10万人当たりの隊員数が全国1位なほどです。
日高村地域おこし協力隊として活躍中というこの方は、イラストレーターとして地域の事業者とコラボ商品の制作、ふるさと納税の返礼品ページの制作などに携わりつつ、さらにSNSでこの地域の魅力を発信する活動も行っています。
こちらが、日高村のふるさと納税の返礼品にもなっている地元の茶園とコラボレーションしたお茶のアソートセット。こうした取り組みにより、地域コミュニティへのスムーズな参加はもちろんのこと、特産品の開発や観光振興など、あらゆる面で地域の活性化につながりますよね。街も人も元気になる気持ちよさが感じられます。
まずはサイトをチェックして魅力に触れる
さて、高知県の溢れる魅力に触れていくうち、移住を考える人もきっと少なくないかと思います。そこでおすすめしたいのが、『高知家で暮らす。』というサイト。仕事情報や空き家情報、各市町村の特徴、移住した方のインタビュー記事や動画など、移住する上で知っておきたい情報が満載なので、この先のビジョンが少しずつクリアになっていくのではないでしょうか。
そしてさらに、県・市町村・産業団体が設置する一般社団法人 高知県UIターンサポートセンターには、高知窓口に11名、東京窓口に5名、大阪窓口に2名が所属しているそう。一人一人の希望に寄り添いながら、様々なサポートを実施しているので、チェックしてみてください。
仕事・住みやすさ・自然が相互的に作用しあっている
最後に、やはり冒頭でも述べたように高知県の自然の豊かさが移住の決め手になる人もきっといるかもしれません。朝仕事の前にサーフィンをしたり、週末ごとにカヌーやSUP、釣り、キャンプ、トレッキングを楽しんだり……心安らぐ自然が生活の一部になっていることが、個々の趣味やライフスタイルを充実させる働き方・考え方にも強く影響していそうですね。今回主にご紹介した仕事・住みやすさ・自然の3つの柱が密接に関わり合いながら、街も人も呼吸しやすくなっている。これらの相互作用により、高知県の持続性は、より強固なものになっていくでしょう。
執筆/フリーライター 黒川すい