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SDGs先進国のドイツで家電ブランドMieleがサステナブル賞受賞、注目したい「長期使用」「修理する権利」「完全循環型経済実現に挑戦」


この記事に該当する目標
7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
SDGs先進国のドイツで家電ブランドMieleがサステナブル賞受賞、注目したい「長期使用」「修理する権利」「完全循環型経済実現に挑戦」

Miele(ミーレ)はオーブン・スチーム調理機器、冷蔵庫、コーヒーマシン、⾷器洗い機、ランドリー機器、掃除機などの家電製品を製造するドイツ発のプレミアム家電ブランドです。1899年の創業で、来年125年を迎える、ファミリーカンパニーです。2022年度の売上⾼は約54億3000万ユーロで、世界で約2万3300 ⼈の社員が働いています。
日本では1992年にミーレ・ジャパンを設立。東京の目黒・表参道・日比谷、名古屋や大阪、神戸で直営店「ミーレ・エクスペリエンスセンター」を展開しています。

そんなMieleがGerman Sustainability Award 2023を受賞しました。ドイツは「SDGs達成度ランキング2023」でも世界4位(ちなみに、1位はフィンランド、2位がスウェーデン、3位はデンマーク、日本は21位)の環境先進国、サステナビリティ先進国です。そんなドイツで“最もサステナブルな企業”の一つとして2014年にアワードを獲得していたMieleが、今回は新設された「家電部門」で受賞しました。

サステナビリティにおける変⾰への効率的で⾒習うべき優れた貢献と模範を⽰した企業を部⾨ごとに認定するもので、品質に対する実調査と、サステナビリティレポートや公開データについてAIを利⽤した包括的調査も実施したうえで選ばれたものです。

Mieleは「Immer Besser(常により良いものを)」をコンセプトに、製品を進化させ続け、素材の調達、製造、使用時、そして、回収して再利用する完全循環型エコノミーの構築など、360度すべての段階でサステナビリティを実現し、100%カーボンニュートラルになることを目指しています。

重点に据えるのは、循環型バリューチェーンの確立による「気候保護」と「資源保全」です。とくに参考にしたいのが、「製品の長期使用」と「修理する権利」「完全なサーキュラーエコノミーの実現への挑戦」です。
家電業界でもファッション業界でも建築業界でも、今、究極のサステナビリティとして注目されているのは「製品の長期使用(ロングライフ)」です。素材の調達や製造、輸送などにかかるCO2排出量を削減し、天然資源の使用量を低減するためには、出来上った製品、今ある製品をなるべくそのままの形で長期使用することが最善だと言われています。

たとえば内閣府の2021年の消費動向調査では、冷蔵庫の平均使用年数は2人以上世帯で12.9年、故障による買い替えは55.1%、単身世帯では12.6年で故障が65.2%となっています。これに対して、Mieleは創業時から高品質・長期使用にこだわっており、現在も製品テストは20年間の使用を想定するなど、その理念は受け継がれています。
修理のしやすさも際立っています。EUの法令で義務付けられたレベルを超えて、約9万点の純正スペアパーツをドイツの中央倉庫に常備し、製造中止から最⻑15年間、最低でも10年間、部品を入手可能として「修理する権利」に寄与しています。ちなみに日本の各メーカーが定める補修用性能部品の保有期間は9年程度が多いようです。人々の暮らしに長く寄り添える、洗練された機能美を追求した、時代を超えるタイムレスなデザインもポイントになっています。

長期目標に掲げるのは「製品が寿命を終えたときに、すべての使⽤材料が資材サイクルに戻される状況を達成すること」(⼈事・サステナビリティを管轄するRebecca Steinhage(レベッカ・シュタインハーゲ)コーポレート業務担当エグゼクティブディレクター)です。製品に使用されるすべての材料が、ライフサイクルの最後に再び循環するように、廃棄物を正味ゼロにする循環型バリューチェーンの構築を目指しているところです。現在、中古家電製品の改修や素材の再利⽤など、さまざまなコンセプトの開発と検証を⾏っています。プラスチックの再利⽤推進に加え、2022年からは、オランダにて古い洗濯機を引き取り、点検、修理、洗浄を行った上で「再生品」ラベルをつけて販売するパイロットプロジェクトを実施。

研究開発費の50%以上を省エネルギー・省資源に投資している最中で、この20年間でミーレの家電製品の電力消費量は平均して55%、洗濯機においては約72%削減を達成しています。 インフレの中、野菜や果物の鮮度を長持ちさせ、食品廃棄を削減し、食費の支出のセーブにもつなげられる高性能冷蔵庫も気になりますね。アシスタントプログラムやアプリの提供などによって、最も省資源につながる使用方法などについても情報を発信・サポート※するMieleですが、「お客さまにインスピレーションを与え、より責任ある消費者となり、より良い生活を送るために、お役さま自身が前向きな変化を起こすことを奨励したいと願っています」というメッセージもぐっときます。

※日本では2023年12月時点では未導入