「SDGs」と「結婚」ってどういうこと!?「SDGsウエディングケーキモデル」とは…?
画像出典:How food connects all the SDGs │ Stockholm Resilience Centre
皆さんは「SDGsウエディングケーキモデル」という言葉を聞いたことはありますか?「えっ、SGDsとウエディングケーキはそれぞれ聞いたことがあるけど…」という方がほとんどなのでは。筆者である私も、初めて聞いたときは「SDGsに関心がある人がデザインしたウエディングケーキなのかな…?」と思っていました(実際は違いますよ)。
実は「SDGsウエディングケーキモデル」とは、SDGsをより深く理解するための素晴らしい概念なのです。そこで今回は、この「SDGsウエディングケーキモデル」についてご紹介していきたいと思います。
――「SDGsウエディングケーキモデル」って何?
「SDGsウエディングケーキモデル」は、ストックホルムレリジエンスセンターの所長らによって作成された概念です。このモデルでは、頂点(SDGsの目標17)とその下の3つの階層(「経済圏」「社会圏」「生物圏」)という構成になっています。
【生物圏】
まず最下層に位置する「生物圏」には、目標6(安全な水とトイレを世界中に)、目標13(気候変動に具体的な対策を)、目標14(海の豊かさを守ろう)、目標15(陸の豊かさを守ろう)という4つの目標が含まれます。
この層には、私たち人間やその他の動物・植物が地球上で暮らしていくために必要不可欠な「自然環境」に関する目標が入っています。
【社会圏】
中間層に位置する「社会圏」には、目標1(貧困をなくそう)、目標2(飢餓をゼロに)、目標3(すべての人に健康と福祉を)、目標4(質の高い教育をみんなに)、目標5(ジェンダー平等を実現しよう)、目標7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)、目標11(住み続けられるまちづくりを)、そして目標16(平和と公正をすべての人に)の8つの目標が含まれます。
この層には私たちが生活をしていく上で必要な「社会環境」に関する目標が入っています。すべての人が不自由なく生活をすることができることを目標としています。
【経済圏】
さらに上には「経済圏」の層があります。この層には目標8(働きがいも経済成長も)、目標9、(産業と技術革新の基盤をつくろう)、目標10(人や国の不平等をなくそう)、目標12(つくる責任 つかう責任) の4つの目標が含まれます。
これらの目標は下層の「生物圏」「社会圏」の目標を達成した上で目指すことができる、経済の発展に関する目標です。
――モデルの頂点は「SDGs目標17」
上で紹介した3つの層の頂点に、目標17(パートナーシップで目標を達成しよう)があります。目標17では、世界中の人々が協力し合うことで持続可能な世界をつくることを目標にしています。この目標を達成するには、「生物圏」「社会圏」「経済圏」の3つの層に位置する目標を達成していく必要があります。
――地球環境の持続なしでは、社会や経済の発展は持続できない
「SDGsウエディングケーキモデル」があることで、SDGsの17のゴールそれぞれがどのように関わり合っているのかがわかりやすくなったかと思います。さらに、このモデルにはとても重要なメッセージが含まれています。それは「地球環境(生物圏)の持続なしには、社会(圏)や経済(圏)の発展は持続できない」ということです。
私たちは日頃、「自分が暮らしやすいように」「自分にお金が回ってくるように」と考えてしまいがちです。しかし、「自分や自分の周りだけ」ではなく「みんな」が暮らしやすいような工夫をしていくことが、最終的には一番自分や自分の周りも暮らしやすくなると思います。
今回紹介した「SDGsウエディングケーキモデル」を意識して、少しずつ持続可能な生活を実践していくことに“みんなで”チャレンジしていきましょう!
ライター:慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 石渡萌生
編集:SDGs MAGAZINE