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「すべての人に健康と福祉を」豆乳で実践する肝活と健康維持


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3 すべての人に健康と福祉を
「すべての人に健康と福祉を」豆乳で実践する肝活と健康維持

年末にかけて⼈間ドックや健康診断を受診する方が多いかと思いますが、最近の調査によると、⽇本⼈の3⼈に1⼈が脂肪肝というデータがあります。「脂肪肝」とは、中性脂肪が肝臓に多く溜まった状態で、放置すると肝硬変や肝がんに進展する恐れもあるそうです。
そこで、今回は肝臓の機能を高める「肝活」に注目してみました。

肝臓のケアには、⽇頃の⾷⽣活・運動が特に重要です。健康的な体づくりをできることから始めたい方のため、肝臓の健康問題や肝活の詳細について紹介します。
具体的にどのように肝活を実践していけば良いかも紹介するので、ぜひご覧ください。

注目される肝臓の健康問題

【脂肪肝疾患の有病率の変化】(出典元:2024 Aug 16_60(8)-1330).jpg

脂肪肝とは“肝細胞に脂肪が溜まり、全肝細胞の30%以上が脂肪化している状態”のことを指します。⽇本⼈の約3⼈に1⼈が脂肪肝と⾔われており、お酒を飲み過ぎている⼈がなると知られていますが、脂質だけでなく糖質の摂り過ぎも原因として挙げられます。
最近では⾮アルコール性の脂肪肝(アルコール多飲以外の原因によって肝臓に脂肪が蓄積している場合のことを指す)が増えているというデータもあり、普段お酒を飲まない⽅でも注意が必要です。

さらに、肝臓は沈黙の臓器と呼ばれており、不調があっても重症化するまで症状が現れないことでも知られています。そのため、肝臓の状態が悪くなるのを防ぐためには普段から体に良い食生活や運動習慣を身に付けていく必要があります。

SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」のうち、目標3.4では非感染性疾患による若年死亡率を予防や治療を通じて3分の1減少させることを定めており、これには脂肪肝のような疾患も含まれます。
普段から脂肪肝の予防に取り組み、疾患リスクを低下させて健康寿命を延ばしていきましょう。

「肝活」とは?

浅部 伸一先生

脂肪肝を予防するために気をつけたいポイントとして、肝臓専門医である浅部伸一先生が推奨しているのが、普段の生活習慣や食生活を意識し、肝機能を高めていくことです。浅部先生によると、脂肪肝対策には「食べ過ぎ・食事の偏りを抑える」「ながら運動を増やす」「睡眠不足やストレスを解消する」といった3つが重要といいます。

また、腸と肝臓は互いに影響し合っている臓器で、「腸活」も「肝活」にはとても重要であり、腸内細菌を整え、腸のバリア機能を働かせることが肝臓の健康にも繫がるそうです。

さらに、浅部先生がおすすめしているのが週1⽇、12時間の断⾷をし、肝臓をデトックスすること。⾷後肝臓は何時間も働き続けており、胃や腸以上に疲れていると⾔われています。肝機能が低下すると、毒素が分解できない、⽼廃物を排出できない、免疫⼒が低下する、エネルギー代謝が低下するなどさまざまな問題を引き起こし、疲れやすくなるそうです。
12時間肝臓ダイエットは⽇々働き過ぎている肝臓をリセットするためにも効果的とのことで、その⽅法を教えていただきました。

〈12時間肝臓ダイエットとは〉
① 週1⽇だけでも良い
② 12時間、何も⾷べない(⽔やお茶はOK、睡眠時間を含む)
③ お腹が空いた時は、お助けフードとして⼤⾖を⾷べたり、⾖乳を飲む

豆乳に期待できる効果

手軽に「肝活」ができるおすすめ食材の一つとして、肝臓の働きを助ける豆乳がおすすめです。理由としては、豆乳に含まれる4つの栄養素「たんぱく質」「レシチン」「サポニン」「イソフラボン」が、肝臓に良い働きをすると言われているからです。
具体的な働きは後述しますが、これらはいずれも肝臓の働きをサポートしたり、脂肪肝を予防・改善したりするために効果的です。一つひとつを食事で取り入れると考えると手間がかかりますが、豆乳であればこれらの成分をまとめて摂取できることから手軽に実践・継続できる肝活としておすすめできます。

肝臓に良い働きをする、豆乳に含まれる4つの栄養素

たんぱく質
肝臓の毒出し⼒を⾼めるためには、ビタミンやミネラルも含まれている植物性たんぱく質を摂取することを意識すると良いとのこと。特に、⾖乳などカロリーの少ない⼤⾖製品はおすすめ。

レシチン
脂質代謝改善に有効と考えられる成分。肝臓での脂質代謝にも関わる成分で、肥満のほか脂肪肝や肝硬変の予防にも重要。

サポニン
植物に含まれる配糖体の⼀種で、脂肪の吸収や蓄積を抑える作⽤が期待できる。ダイエットをサポートしてくれる栄養素。

イソフラボン
⼥性ホルモンと肝臓の脂肪代謝には関係があると⾔われており、⽉経のある⼥性は脂肪肝になりにくいものの閉経を迎えると脂肪肝のリスクも⾼まるとのこと。⾖乳に含まれる⼤⾖イソフラボンは⼥性ホルモンと似た働きをする「エクオール」という成分に変わると⾔われていることから、更年期障害にも良いと⾔われている。
※過度な摂り過ぎは良くないため適度な量を⼼がけましょう

豆乳を活用した「肝活」方法

肝臓のために、豆乳を日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。 日常的に味噌汁を飲んでいる方は、味噌汁に加えたり、これからの季節はいつもの鍋を豆乳鍋にするのも良いでしょう。また、手軽に取り入れられる方法だと、コーヒーに入れてソイラテにするのがおすすめです。

SDGs目標3とのつながり

脂肪肝は放置した場合、さまざまな病気のリスクも高まり、肝硬変や肝がんに進展するおそれもあります。普段から予防に努め、できる対策を実践していくことが重要といえるでしょう。
SDGsの目標3で定めている「すべての人に健康と福祉を」ともつながるポイントです。
肝活を通じた脂肪肝などの生活習慣病の予防は、健康寿命の延伸とも深く関わっています。

また、豆乳は栄養価が高いことでも知られており、豆乳を普及させることによりバランスの取れた食事を啓発していくこともできるでしょう。これは栄養教育の重要性を認識する機会にもなります。

何よりも、豆乳は日々の生活に取り入れやすいのが魅力です。たとえば、健康のために運動しなければと思っているものの時間がない、面倒に感じてしまう、という方もいるでしょう。
そういった方であっても、毎日の食生活の中で豆乳をうまく活用することでさまざまな健康効果が期待できます。

このように、さまざまな理由から豆乳はすべての人に「健康と福祉」を届ける社会的意義を持つといえるでしょう。

まとめと展望

肝活の重要性や、そのために役立つ豆乳の効果などについて紹介してきました。肝臓のために良いことといわれても、具体的に何をすれば良いかわからず、悩んでしまう方もいるでしょう。

一方で、栄養価に優れている豆乳はただ飲むだけで日々の栄養バランスが整いやすくなるだけではなく、肝活につながる成分も多く含まれています。飲むだけでも、料理に加えるだけでも手軽に取り入れられるため、非常に優れた食品です。

運動や難しい食事管理は継続できないと感じている方は、まずは毎日の食生活に豆乳を取り入れてみてはいかがでしょうか。