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約70年の時を経て一般開放へ!「黒部宇奈月キャニオンルート」と合わせて巡る秋の富山旅


この記事に該当する目標
11 住み続けられるまちづくりを 12 つくる責任つかう責任 15 陸の豊かさも守ろう
約70年の時を経て一般開放へ!「黒部宇奈月キャニオンルート」と合わせて巡る秋の富山旅

10月2日から、「黒部宇奈月キャニオンルート」のツアーがスタートします。
ここは、黒部川第四発電所の建設工事が始まった1956年までさかのぼる歴史を持ち、工事用ルートとして整備されながら、安全面や発電所運営上の理由から長らく一般の人が立ち入れなかった場所。

2018年に富山県と関西電力が一般開放・旅行商品化に関する協定を締結したのち、能登半島地震による延期を経て、構想から約70年を経て新たな観光ルートとしてこの秋ついに動き出します。

今回は、このキャニオンルートを中心に、秋に巡りたい富山ならではの自然や歴史、ものづくり、食など、この地域で受け継がれてきた魅力をご紹介します。

 “秘境”を5つの乗り物で進む。自然と人間の挑戦を体感する特別な旅

標高3,000m級の山々を貫く「立山黒部アルペンルート」は、富山と長野を結ぶ世界有数の山岳観光ルート。ケーブルカーやロープウェイ、バスなどを乗り継ぎ、雄大な立山連峰や黒部ダムの絶景を楽しむことができます。

そんな立山黒部の新たな魅力として注目されるのが「黒部宇奈月キャニオンルート」。日本の建設史に刻まれた“世紀の大事業”の舞台を巡る特別な周遊ルートです。
このツアーでは、普段は立ち入ることのできない黒部峡谷の秘境を、工事用トロッコ電車、竪坑エレベーター、蓄電池機関車、インクライン、専用電気バスの5つの乗り物を乗り継ぎながら進みます。

黒部ダムから欅平まで通り抜けることができ、雄大な自然はもちろん、黒部川の電源開発を支えた施設や歴史にも触れられる、希少性の高い観光スポットになっています。

 “通過する観光”から“地域を巡る旅”へ。立山黒部をもっと深く楽しむ

キャニオンルートだけではなく、「立山黒部アルペンルート」を一緒に巡ることで、旅はさらにダイナミックなものに。黒部峡谷トロッコ電車、宇奈月温泉、道の駅「KOKOくろべ」など、自然だけでなく温泉・食・地域の暮らしにも触れることができる場所があります。

黒部峡谷のトロッコ電車は、宇奈月から欅平まで約20kmを結ぶ列車。日本一深いといわれるV字峡谷を縫うように走り、車窓からは切り立つ断崖や清流など黒部峡谷ならではの大自然を満喫できます。

そして1923年に開湯以来、志賀直哉など多くの文人墨客から愛されてきた、情緒溢れる宇奈月温泉郷。「足湯 くろなぎ」は、このお湯が宇奈月温泉駅のホーム上で楽しめるユニークなものです。日本有数の透明度といわれ黒部川の清流を思わせる無色透明の湯は、より旅を豊かにしてくれることでしょう。

また宇奈月温泉の道の駅「KOKOくろべ」は、2025年版「道の駅大賞」北陸ブロック第1位、全国総合部門第8位になった人気の道の駅。黒部の新鮮な農産物や海産物、特産品などのグルメや子ども連れで楽しめる水辺エリアや展望台もあります。

400年続く“ものづくりのまち”高岡へ。旅を通じて伝統を未来につなぐ

富山には、立山黒部のほかにもまだまだ魅力的なエリアがあります。例えば、400年以上にわたり、ものづくりの技が受け継がれてきた高岡。秋には「市場街」をはじめ、町家で工芸・アートを体感する「ミラレ金屋町」、全国の作り手が集う「ツギノテ」などが行われます。

今年9月18日から3日間行われる市場街は、開催15周年。山町筋をはじめとする中心市街地を舞台に、クラフト作品が並ぶ「ものの市」や、普段は見ることのできない工場・工房を巡るオープンファクトリー、職人との交流、アート展示、限定グルメなど、多彩な企画が繰り広げられます。
秋の高岡では、こうしたイベントを通じて、職人の技や工芸、食、歴史ある町並みまで、“ものづくりのまち”を丸ごと体感できます。

自然と文化を“五感”で味わう。秋だから出会える富山の魅力

すでに多くの魅力をご紹介してきましたが、これでもまだまだ語り尽くせないのが富山。流通数が少なく、農家の庭先販売が中心という「加積りんご」や、9月頃から富山湾で獲れる深海魚「幻魚(ゲンゲ)」など、地域に根付く味覚や、県定公園に指定される「神通峡」も秋の富山で楽しんでほしいポイントです。

また世界遺産「相倉合掌造り集落」では、紅葉の終盤に山頂の雪・紅葉・青空が重なる「三段染め」が見られることもあります。

行けばたくさんの新しい発見がある、そんな富山を旅することは、単なる休日の楽しみにはとどまりません。黒部の電源開発の歴史、高岡で400年以上受け継がれてきたものづくり、地域に根付く食や町並みなど、そこに暮らす人々が守り、受け継いできた文化や産業に触れることができるのです。

そしてこうした地域の資源や文化を知り、未来へつないでいくことは、SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」や、目標12「つくる責任 つかう責任」にも繋がります。
この秋は、五感を使って富山をめぐりながら、ここでしか出会えない自然、文化、ものづくり、食の魅力をじっくり味わってみてはいかがでしょうか。



執筆/フリーライター Yuki Katagiri