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SDGsの切り札となる「問題解決のための科学」。 社会問題に科学で挑む研究者たちをサポートするRISTEXとは


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17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsの切り札となる「問題解決のための科学」。 社会問題に科学で挑む研究者たちをサポートするRISTEXとは

科学技術、研究開発と聞いて、何を想像しますか?
かつてそれらは、人々の暮らしを快適にする“優れた物や手段”を生み出すために活用されてきました。 
技術開発を行うためには、資金が必要不可欠です。企業の商品開発のための研究であれば、利益を生む可能性を見込んで、先行投資としてのサポートが受けられます。
それでは、今多くの人が直面する社会問題(環境問題、少子高齢化、病気や貧困など)を解決するための研究には、誰が投資し、サポートをするのでしょうか?
この役割を担うのが、RISTEX(国立研究開発法人 科学技術振興機構 社会技術研究開発センター)です。

高度経済成長は、日本を資本主義諸国で第2位の経済大国にし、国民の所得水準や生活水準を上昇させた一方で、多くの社会問題を引き起こしました。
発展至上主義と競争の歪みは格差の中で“弱者”を置き去りにし、本来人間のためだったはずの発展は負の遺産を生み出したのも事実です。それらは「社会の宿題」として、今まさに、SDGsの課題となっています。
持続可能な社会の実現には、今ある問題を一つひとつ解決するためのアイデアが必要です。
もちろん、社会問題を研究課題として捉え、取り組む研究者も少なくありません。ですが、志を持った研究者の前には、「分野の壁」「経済的な壁」「実行力の壁」などが立ちはだかります。完成すれば、多くの人を救える有益な研究開発が、未完成に終わることも多いのです。
そこで、RISTEXは研究者と社会の人々が「人が生きやすい社会にするためのアイデア」を連携して構築し、社会に適用するための活動をサポートしています。

――目指すのは研究開発成果の「実装」と持続すること

社会技術の定義は、「社会を直接の対象とし、今ある or 将来起こりうる問題の解決を目指す技術」です。それは、人が人を助けるための「社会問題の新たな治療法」といえるでしょう。
RISTEXでは、支援すべき対象プロジェクトを様々な視点で選定しますが、その条件の筆頭は、「社会の具体的な問題に対する取り組みであること」です。そして、選ばれた研究プロジェクトに多面的な支援をします。
例えば、研究ジャンルの横断=研究者が苦手と思われる「他分野との複合的な研究」の推進、問題を抱える現場の専門家や一般市民など関与者との連携など、研究者が課題を乗り越えプロジェクトを完成するサポートするのがRISTEXの働きです。

また、大切なのは、完成した研究開発成果やアイデアが、社会に「実装」されること
社会問題を解決する「有効な治療法」が完成しても、それが論文として棚に収まったのでは意味がない。実際に役立ち、誰かを救ってこそ、社会科学(=人間を助ける科学)であるという考えに基づいています。
RISTEXでは、令和元年に「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム」をスタートしました。環境問題、高齢者や社会的弱者に配慮した社会の実現など、あらゆる社会問題に対し、科学技術イノベーションを活用し、特定の地域における社会課題を解決。その成果を事業計画にまとめあげて、国内外の他地域にも適用可能なソリューションとして提示することを目標としています。
社会問題と科学で挑む研究者たちをサポートするRISTEX。SDGs達成に向けた、新たなアプローチが進みつつあります。

SOLVE for SDGs

RISTEX  https://www.jst.go.jp/ristex
SOLVE for SDGs https://www.jst.go.jp/ristex/solve