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真鍋淑郎(しゅくろう)さん、地球温暖化の研究で、ノーベル物理学賞受賞


真鍋淑郎(しゅくろう)さん、地球温暖化の研究で、ノーベル物理学賞受賞

今年のノーベル物理学賞で、アメリカ・プリンストン大学上級研究員の
真鍋淑郎(しゅくろう)さん(90歳)[アメリカ国籍] ら3人に贈られました。
地球温暖化の予測研究をめぐる先駆的な業績が、高く評価されてのものです。

真鍋さんは1960年代にコンピュータで地球の気候を再現する方法を開発。
「大気中の二酸化炭素濃度が上昇すると気温が上がる」ことを数値で示し、
大気や海洋の流れを考慮して開発を進めた「大気・海洋結合モデル」が、
現在の様々な気候モデルの原型となっています。

そこから半世紀以上経った今、毎年のように繰り返される猛暑や豪雨被害。
温暖化の影響を肌で感じながらも、これまでは「異常気象と温暖化との関係を
示すのは難しい」というのが“科学の常識”でした。

しかし、近年、真鍋さんの後に続く研究者たちが「イベント・アトリビューション」という手法で異常気象にどれくらい温暖化が影響しているかを分析しています。

具体的には、2021年7月中旬、ドイツ・ベルギーで200人以上が死亡する大洪水が発生しましたが、この地域で同様な記録的豪雨が発生する確率は、地球温暖化の影響によって、産業革命前に比べて1.2~9倍に高まったと分析。
日本の2018年7月の「西日本豪雨」も「温暖化によって発生確率が3.3倍になっていた」という分析が、さらに同じ時期に襲った、熱中症による1000人以上の死者を出した記録的猛暑も温暖化の影響がなければ発生確率は「ほぼ0%」という答えが導き出され、「この猛暑も人間活動による温暖化がなければ起こりえなかった」という結論に。