JFRカード二之部社長に聞く、企業が生き残っていくためのサステナビリティ経営
- #気候変動に具体的な対策を
- #ジェンダー平等を実現しよう
- #つくる責任つかう責任
- #パートナーシップで目標を達成しよう
- #働きがいも経済成長も
- #すべての人に健康と福祉を
- #エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- #住み続けられるまちづくりを
この記事に該当する目標
先日SDGsMAGAZINEでは、スウェーデンの企業が開発した自分の購買行動の環境への影響が分かるクレジットカードについて取り上げました。
国内のクレジットカード会社ではサステナブルな社会の実現に向けて、どのような取り組みが行われているのでしょうか。今回は、ニューノーマル時代に企業が生き残っていくためのサステナビリティ経営について、J.フロント リテイリンググループのJFRカード株式会社の二之部守社長に伺いました。
大丸や松坂屋などの百貨店事業を中核とするJ.フロント リテイリンググループは、2020年にマテリアリティの見直しを実施。17のSDGs目標の中から事業を推進する上で特に関連の深いものから2018年に定めた5項目をさらに昇華させた「脱炭素社会の実現」「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」「ワーク・ライフ・インテグレーションの実現」「地域社会との共生」「サプライチェーン全体のマネジメント」に、「サーキュラー・エコノミーの推進」「お客様の健康・安全・安心なくらしの実現」の2つを加え、7つのマテリアリティ(重要課題)として設定しています。
最重要課題に掲げているのは「脱炭素社会の実現」。
大丸心斎橋店では、全館LED電球など100%再生可能エネルギーの使用、社用車70台の電気自動車(EV)への切り替え、簡易包装の実施、古着リサイクルなどの取り組みを実施しています。
JFRカードでは、ペーパーレスの取り組みとして、社員の業績目標にカード明細利用者の減少が組み込まれ、会議では原則紙資料を使用しないなど全社でエコ意識を高めているといいます。
その他のマテリアリティについては、カード会社ならではの保険商品の充実とがんセミナー等の開催を通じて「お客様の健康・安全・安心なくらしの実現」に貢献。女性管理職率50%の実現、LGBTQに関する社員への教育や福利厚生の整備による「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」、コロナ禍でライフスタイルが大きく変化し、ますます関心が高まる多様な働き方に対応するテレワーク支援やオフィス環境の充実のほか、男性の育児休暇を積極的に推進し「ワーク・ライフ・インテグレーションの実現」に向けて取り組んでいます。
また、その他のグループ会社では、2017年に設立した特例子会社JFRクリエが「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」に向けて障がい者雇用を推進。同社では大丸・松坂屋で使用するリボンの製作や簡単な事務作業を行っています。JFRカードも各種の事務処理業務を依頼し、JFRクリエとの連携を強めています。デベロッパー事業では、「くらしのあたらしい幸せを発明する。」グループビジョンの実現に向けて、雇用の創出や街の活性化を推進し「地域社会との共生」の実現に取り組んでいます。JFRカードでも「令和3年8月豪雨災害緊急災害支援基金」「大阪府コロナ助け合い基金」への寄付活動をはじめ、JFRカードの本社がある大阪府高槻市で行われている「高槻シティハーフマラソン」への応援活動など通じ「地域社会との共生」に取り組んでいます。さらに、「お客様の健康・安全・安心なくらしの実現」の点から、「ピンクリボン運動」も応援しています。
JFRカードは、J.フロント リテイリンググループと共に、サステナビリティ経営を推進し、環境や社会を奥深く見つめる眼差しを持つことで、あたらしいビジネスチャンスや見えにくいビジネスリスクに、柔軟かつ迅速に対応していくそうです。新たな施策は模索中とのことですが、今後の取り組みに注目したいと思います。