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SHOW CASE

レゴランドⓇ・ジャパンが日本初の認定自閉症センター™(CAC)に!すべての子どもにやさしいテーマパークへ


この記事に該当する目標
10 人や国の不平等をなくそう
レゴランドⓇ・ジャパンが日本初の認定自閉症センター™(CAC)に!すべての子どもにやさしいテーマパークへ

愛知県名古屋市の大型レジャー施設「レゴランド® ・ジャパン」は、多くのファミリーが県外からも足を運ぶ人気のテーマパークです。
そのレゴランド® ・ジャパンが今年、自閉スペクトラム症を抱えるゲストに対し適切な対応に取り組んでいる施設として、米国のIBCCES(国際資格認定・生涯教育基準委員会)から日本で初めての「認定自閉症センター™(CAC)」に認定され、すべての子どもに優しいテーマパークとなり、7月1日から本格的な運用を開始しています。

認定自閉症センターってなに?

「認定自閉症センター(Certified Autism Center)」とは、対人関係の困難さやこだわりの強さなど、発達障がいのひとつである「自閉スペクトラム症」を抱えるゲストとその家族がサポートを受けられ、過ごしやすい場所であると認定されることで付与される認証資格です。

この認証の付与にあたっては、多種多様な障がい特性のある方をより適切に支援するため、ゲストに接する従業員が特別なトレーニングを受講し、80%以上が認定試験に合格する必要があります。
レゴランド® ・ジャパンでは、ゲスト対応を行う従業員の93%(815人)が基準をクリアし、今回の資格認定に至りました。

障がい者だから優先する、とは違う。だれもが一緒に過ごしやすく、安心して楽しめる環境を目指す

注目すべきはすでに導入されている取り組み。例えば「アシスト・アクセス・パス」は、障がいによってアトラクション待機列に長時間並ぶことが困難な方に、待ち時間分を列から離れて過ごすことができるよう用意されたパスです。待つ間は他のアトラクションに乗車したりすることはできず、あくまで負担のない場所で待つことができる、というものになっています。
障がいのある人は待たなくてもアトラクションに乗れる、優先する、といったような意味合いではなく、待ち時間は皆平等ながら、困難となる”並ぶ”という行為の部分だけアシストできるような仕組みです。

SDGsの目標10は「人や国の不平等をなくそう」、ターゲットには以下のようなものがあります。

10-2
2030年までに、年齢、性別、障がい、人種、民族、生まれ、宗教、経済状態などにかかわらず、すべての人が、能力を高め、社会的、経済的、政治的に取り残されないようにすすめる。

10-3
差別的な法律、政策やならわしをなくし、適切な法律や政策、行動をすすめることなどによって、人びとが平等な機会(チャンス)をもてるようにし、人びとが得る結果(たとえば所得など)についての格差を減らす。

「テーマパークを楽しむ」。ある家族が当たり前にできていることが、ある家族にとってはとても難しいこともあります。でもこうした取り組みや工夫があれば、年齢、性別、障がいなどに関わらず、全ての人が一緒に楽しむことができるようになるのではないでしょうか。

世界にある様々な「認定自閉症センター」

「認定自閉症センター」に認定された施設は、日本ではレゴランド® ・ジャパンが初めてですが、世界には他にもいくつもあります。
アミューズメントパークとして最初にこの認定を受けたのはアメリカ・ペンシルバニア州にある「セサミプレイス」。ここは自閉症の女の子のキャラクターも登場するアメリカの子ども教育番組「セサミストリート」のテーマパークで、「認定自閉症センター」にも世界に先駆けて2018年に認定されています。

今年4月には、リゾート地として世界中から多くの観光客が足を運ぶマカオにある「スタジオ・シティ」のゴールデンリール、スーパーファンゾーン、スタジオ・シティ・ウォーターパークを含むアトラクションが現地で初めての「認定自閉症センター」になりました。

さらに今年7月、IBCCES(国際資格認定・生涯教育基準委員会)は、ドバイの空港とメトロのどちらにも近いアクセスのいいホテル、「プルマン ドバイ クリーク」を自閉症や感覚過敏の旅行者のための安全な避難施設として認定しています。

このような認定施設は、障がいをもつ人やその家族が各地を旅行する際、とても安心できる場所となることでしょう。

レゴランド® ・ジャパンは、「アシスト・アクセス・パス」のほか、IBCCESの助言に基づき、今後はパーク内に各アトラクションから受ける刺激の目安を表す「感覚ガイド」を設置し、希望者には音や過度の刺激を抑制するイヤーマフを用意。感受性の強いゲストが刺激の少ない環境で過ごせる休憩スペースも新設するなど、すべての子どもたちとその家族が安心して楽しめるよう継続的な従業員トレーニングやサポート体制の構築を進めていくとしています。

今回の日本初認定を皮切りに、国内にもこのような施設がどんどん増えていくといいですね。


執筆/フリーライター Yuki Katagiri