マクドナルドのトレイは「ハッピーセットⓇのおもちゃ」でできている!意外と知らないおもちゃのリサイクル方法
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皆さんのご家庭では、おもちゃの処分ってどうしていますか。あっという間に増えていってしまう、お子さんが遊ばなくなったおもちゃの処分に、頭を悩ませている親御さんも少なくないと思います。
自治体によって違う?プラスチック製おもちゃの処分方法
一口に「おもちゃ」と言っても、ぬいぐるみや積み木、ミニカーなどいろいろなものがあり、使われている素材はさまざまですよね。プラスチックでできたおもちゃは、ごみとして出す場合どう分別したらいいのでしょうか。
私が住んでいる自治体では、「おもちゃ・玩具」は燃やせないごみとなっていました。容器包装プラスチック以外のプラスチック類、例えば歯ブラシやハンガー、CDやDVDなどと同じ分類です。
東京23区の世田谷区を見ると「プラスチック製品のおもちゃ」は、プラスチック類として可燃ごみの分類でした。一方、令和6年度からプラスチック回収方法が変更になった新宿区では、100%プラスチックでできているもの(金属が含まれず、約30cm角以内の大きさで厚さ5mm以内のもの)は「資源プラスチック」の分類となり、資源として回収しています。このように、プラスチックのおもちゃの分別は自治体によってさまざまです。
マクドナルドのトレイは「ハッピーセットのおもちゃ」でできている
おもちゃといえば、マクドナルドの「ハッピーセット」を思い浮かべる人も多いと思います。マクドナルド限定のおもちゃがセットになった、子どもたちが大好きなメニューですよね。
ハッピーセットを年間一億食以上提供している日本マクドナルドでは、遊ばなくなったハッピーセットのプラスチック製のおもちゃを全国の店舗で回収し、リサイクルする取り組みを2018年から実施しています。店内の「おもちゃ回収BOX」に入れられたハッピーセットのおもちゃは、マクドナルド店舗で使われている緑色のトレイの材料としてリサイクルされているのです。
環境省が運営する「プラスチック・スマート」キャンペーンの一環として実施しているこの取り組みは、プラスチックのおもちゃを対象にしたリサイクルとしては国内最大規模、全世界のマクドナルドでも初の試みです。
おもちゃリサイクルプロジェクトは子どもたちの環境教育にも!
今回は、日本マクドナルド株式会社のサステナビリティ&ESG部 マネージャーの飯澤さんにお話を伺うことができました。まずはこのプロジェクトの背景をお聞きしてみました。
飯澤さん「年間一億食以上提供する企業の責任として、循環型社会に貢献しなくてはいけないという考え方がベースとなっています。そして、“モノを大切にする気持ち”、“モノを手放すこと”、“手放してリサイクルする重要性”を、子どもたちに同時に教える機会を提供したいという思いがあります」
ーーー店内に設置されたリサイクルボックスに入れられたハッピーセットのおもちゃは、どういう流れでリサイクルされているのでしょうか?
飯澤さん「店舗で回収されたおもちゃは工場に運ばれて粉砕されます。さまざまなプラスチック素材に分類されたのち、プロピロピレン(PP)のみをペレット化し、緑色に着色してリサイクルトレイを製造しています。マクドナルドの店舗で使われているこのトレイには、ハッピーセットのおもちゃのリサイクル樹脂が約10%含まれています。また、回収されたそのほかのプラスチックは、家電部品などにリサイクルされています」
トレイをあらためて見てみると、中央部分には大きく「ぼくはハッピーセットのおもちゃから、うまれたよ!」の文字が刻まれています。皆さん気づいていましたか?
飯澤さん「トレイだけでなく、おもちゃ回収BOXにもリサイクル材が10%含まれているんです。2023年12月までに回収したおもちゃの数は累計約1900万個、おもちゃリサイクルで作られたトレイの数は累計約51万枚にもなります」
おもちゃもパッケージも2025年末までにサステナブル素材に
マクドナルドでは2025年末までに「すべてのハッピーセットのおもちゃを再生可能な素材、リサイクル素材または認証された素材など、サステナブルな素材へ移行する」という目標をグローバルで掲げています。実際に2018年からは、ハッピーセットに絵本や図鑑が導入され、ボードゲームやトランプなど紙製のおもちゃも登場しています。
また、バージンプラスチック素材の使用削減に向けて、バイオプラスチックを利用したおもちゃの導入も進められています。サステナブルな素材に移行するのはハッピーセットのおもちゃだけではありません。おもちゃを包んでいるパッケージもFSC認証を受けた紙製のものに変わってきています。
不要になったおもちゃを家庭ごみとして出すのは簡単です。しかし、子どもたちが「今までどうもありがとう!またね!」と、遊ばなくなったおもちゃを自らおもちゃ回収BOXに入れることはとても意味のあるアクションですよね。
飯澤さんによると、世の中のお母さん達の「おもちゃリサイクル」の認知度は約7割とのことです。「知らなかった~!」という人は、この機会にお子さんと一緒にお近くのマクドナルドに持っていってみてはいかがでしょうか。おもちゃを通じて「Reduce(リデュース)=ごみを減らして」・「Reuse(リユース)=繰り返し使い」・「「Recycle(リサイクル)=資源として再利用する」の「3R」を体感的に学ぶいい機会になるはずです。
執筆/フリーライター こだまゆき