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“未来への種蒔き”体験とは?!キャロウェイゴルフ「未来へつなぐ森:共創プロジェクト」


この記事に該当する目標
15 陸の豊かさも守ろう 17 パートナーシップで目標を達成しよう
“未来への種蒔き”体験とは?!キャロウェイゴルフ「未来へつなぐ森:共創プロジェクト」

10月は「都市緑化月間」です。『ひろげよう 育てよう みどりの都市』を統一テーマに、都市緑化の普及や啓発のための行事が各地で実施されました。全国各地の国営公園では、都市緑化月間にあわせて無料入園日も設定されたので、お出かけになった人もいるのではないでしょうか?
今回は、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」に含まれている、持続可能な森林の経営について考えてみたいと思います。

“次世代に環境保全の大切さをつなぐ”ためのプログラム

9月18日〜20日の3日間、鳥取県智頭町で「未来へつなぐ森:共創プロジェクト」が開催されました。アメリカ発のゴルフ用品メーカーであるキャロウェイゴルフが中心となって企画したこのプログラムは、中央大学と東京海洋大学のゴルフ授業への参加学生7名を対象に実施されたもので、昨年に引き続き2回目となります。

舞台となった智頭町は鳥取県の南東部に位置し、面積の9割以上を森林が占める「杉のまち」として知られています。智頭町の森林の約78%は、人の手で植えて育てた木からできている人工林で、林業の担い手不足に伴う森林整備がまちの課題となっています。

“次世代に環境保全の大切さをつなぐ”ことをテーマとした本プログラムでは、地域の「課題」と「魅力」を発見・体験するワークショップのほか、大学生と地域住民との交流プログラムも実施されました。

1日目のテーマは「地域の産業」。本来の森の姿を目指して“未来への種蒔き”

1日目、国定公園に指定される芦津(あしづ)渓谷の豊かな自然環境資源の天然林を視察した学生たちは、森林における鹿害や腐朽菌による被害などを目の当たりにして、獣害対策の重要性について学びました。また視察中には、トチノキやドングリの種子拾いをし、採取した種子は「キャロウェイの森」に植え付けました。

この「キャロウェイの森」は、キャロウェイゴルフが森林保全団体である一般社団法人more treesとのパートナーシップに基づいて、鳥取県智頭町と協働しながら、植林や獣害対策などの取り組みなどを行っている森です。

学生たちはこの日、more treesが進める“さまざまな樹種を混在させて森の多様性を取り戻す活動”を体験しました。

「地域の生活」をテーマに、よもぎ餅作り体験をした2日目

2日目は、よもぎ摘みのアクティビティから始まりました。郷土料理を提供する「みたき園」の協力のもと、採取したよもぎの葉のアク抜き作業や薪の火付けなどを自分たちの手で行いながら「よもぎ餅」作りに挑戦。森と共存する地域の食生活に触れる機会となりました。

続いて、活力ある地域づくりを進めるために設置された住民自治組織「智頭町百人委員会」の「ぐるぐる循環部会」の皆さんとのディスカッションを実施。“資源が循環するまち”を目指して智頭町が取り組むさまざまな事業活動について、活発な意見交換が行われました。

またこの日は、智頭町内にある「石谷家住宅」見学も。江戸時代から300年以上続く石谷家は、明治期に林業で財を成した商家として知られています。国内の銘木と最高の施工技術で建築された近代和風建築は国指定重要文化財に指定され、現在はいくつかの土蔵が博物館や資料館として公開されています。

「地域資源の活用」を学んだ最終日は、智頭杉を活用したネームタグ作り

「地域資源の活用」をテーマとした3日目は、木工小物の展示販売を行っている九十九製作所の指導を受けながら、智頭産木材などを活用したネームタグ作りに挑戦しました。

学生たちは、好きな形状に研磨した木材に自身の名前や模様を入れて、自分だけのネームタグを完成させました。

3日間のプログラムを終えた参加学生たちからは、
「林業でも水産業でも高齢化や人口減少など、事業を継続する上での問題点が共通していることを実感した」

「住民主体となって行政と連動して活動する百人委員会が興味深かった。近い距離感で住民と行政が活動しているのは、智頭町だからこその取り組みだと感じた」


「サステナビリティは、身近な課題だとは思っていながらこれまで行動を起こすことができていなかった。今回智頭町で積極的に取り組んでいる人々に出会ったことで、今後は自分も意識して取り組んでいきたいと思った」
 などの声が聞かれました。

現代社会の暮らしを支える「森林」を、若い世代が知る重要性

森林は、地球温暖化防止や生物多様性の保全など大切な役割を果たしています。雨水を蓄えて洪水や渇水を防いだり、樹木の根が土壌を抱え込み山崩れなどの土砂災害を防止するなど、森林が持つ重要な役割はますます注目されています。

そして昨今は、今回ご紹介したキャロウェイゴルフの取り組みのように、民間が主体となって、自治体や林業・木材産業関係者とパートナーシップを結び、持続可能な森林の確保に取り組む共創の動きが活発化しています。学生たちは、今回の「未来へつなぐ森:共創プロジェクト」の参加を通して、多様な生き物が息づく豊かな森がある未来の重要性を感じ取ったのではないでしょうか。


執筆/フリーライター こだまゆき