国を跨いでシェフたちが考える、地球環境に配慮した「食」とは
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「環境に配慮した食事」と聞くと、みなさんはどんなことを思い浮かべますか?肉を控える、食品ロスを減らす、または海洋資源の保護といったアイデアを考える人もいいのではないしょうか。
TPCマーケティングリサーチが発表した『2024年 世界のプラントベースフード市場』では、世界のプラントベースフード市場が2030年には約3兆2175億円に達し、この10年で約2.5倍に拡大することが予想されています。特に、動物性食品の代替として持続可能な選択肢として注目されており、環境への負荷軽減や動物福祉の向上への貢献が期待されています。
先月末には世界の食文化とおもてなしの豊かさを守り続けたいという強い思いを抱くシェフたちが加盟するルレ・エ・シャトーが、スローフード協会と毎年取り組んでいる“Food For Change”の取り組みの一環として、東京で唯一の加盟ホテル「ザ・キタノホテル東京」と、箱根の老舗旅館「強羅花壇」で特別メニューを提供するイベントを開催しました。
【未来をつくるガストロノミー】ザ・キタノホテル×ザ・ピラミッド
ザ・キタノホテル東京のメインダイニング「L’Orangerie 光庵(オランジュリー こうあん)」の人材育成アドバイザーであり、「#Food For Change 2024」のキャンペーンアンバサダーも務める、フランスの名店「ラ・ピラミッド」シェフ、パトリック・アンリルー氏を招き、総料理長・加茂健とコラボレーションした特別メニューを3日間限定で提供しました。
『未来をつくるガストロノミー』はパトリック・アンリルー氏と加茂健氏が、環境破壊を招かない食材選び、調理方法、提供方法を考え、“未来につながるフランス料理”をテーマに開催した、両シェフ初共演となったイベントです。Food For Changeの今年のテーマ‘Plant The Future’の想いに共感したことで、今回はプラントベースや野菜を主役に編み出した各シェフのオリジナルメニューと、メインとして両シェフがコラボレーションした一皿の計3品が「#Food For Change」オリジナルメニューとして登場しました。加茂総料理長による「能登 高農園 有機野菜のプレッセ」は、ゼラチンなどの動物性食材を一切使用せず、野菜ひとつひとつの味わいとその調和が際立つ、美しい一皿です。
【シェフの文化交流プログラム】強羅花壇×エクアドル・ガラパゴス諸島「ピカイアロッジ」のシェフ
強羅花壇では、ルレ・エ・シャトー加盟メンバーの国を跨いだ文化交流プログラムの一環として、エクアドル・ガラパゴス諸島の「ピカイアロッジ」からシェフ 2 名を招き研修を行いました。研修プログラムでは、懐石料理 花壇(強羅花壇)の中田料理長より日本食の技法を学んだほか、静岡県の漁港・沼津港の競り見学をはじめ、地域特産の野菜や鰹節、豆腐工房、ブランドサーモンなどの生産者とも交流しました。
10月1日から9日の期間には、1ヶ月の研修を終えた両シェフが、強羅花壇・中田料理長とともに地元食材を使用した特別メニューを強羅花壇内のレストランにて提供しました。懐石料理 花壇では生産者ツアーから発想を得た中田料理長とマテオ氏による共同合作料理「紅富士サーモン揚げ-セコソースがけ」、ラウンジ「花影」ではペイストリーシェフ・カロリーナ氏による「バナナケーキ」が提供され、訪れた人々の心を魅了しました。
今年で6年目を迎えるルレ・エ・シャトーとスローフード協会の取り組みは、ルレ・エ・シャトーが持つ世界的ネットワークを活かした豪華なコラボレーションを通じて、地球環境に配慮した「食」について考える良いきっかけになるのではないでしょうか。