これが古着!?アップサイクルの新たな形『Reclothes Cup』とは
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12月1日、福岡県福岡市の福岡国際会議場で一風変わったファッションデザインコンテストが開催されました。このコンテストのユニークなところは、作品の素材に必ず“古着”を取り入れることが条件となっている点です。
このコンテストは、「本を売るならBOOKOFF(ブックオフ)」でお馴染みのリユースショップ「BOOKOFF」を運営するブックオフコーポレーション株式会社が主催する『Reclothes Cup(リクロース カップ)』です。『Reclothes Cup』は、BOOKOFFの店頭で販売されている古着をテーマに、ファッションアイテムとしての新たな付加価値を創造し、着る人・見る人をワクワクさせられる作品を生み出すアップサイクルデザインコンテストとして、2021年に初開催し、今年で4回目の開催となります。高校生以上の学生がエントリーできる「デザイン部門」と学生から社会人までがエントリーできる「販売部門」の2つの部門で構成されたコンテストです。
エントリー作品数は約500作品。国内最大規模のアップサイクルデザインコンテストに成長
昨年開催した『Reclothes Cup 2023』では、394作品のエントリーがあった中、『Reclothes Cup 2024』では489作品のエントリーが集まりました。北海道から九州まで全国各地の学生や社会人がエントリーしました。『Reclothes Cup』では2回の選考があり、一次審査ではデザイン画と作品コンセプトを記載したエントリーシートをもとに実施。全審査員は、集まったエントリーシート1枚1枚に目を通しながら審査を行いました。一次審査会を終えて、「デザイン部門」39作品、「販売部門」18作品、計57作品が通過となりました。
作品のクオリティに、世界的に有名なファッションデザイナーも称賛
最終審査会の前日に、全審査員が集まり、全作品の出来上がりを細部までチェックします。ファッションデザイナー、スタイリストといったファッションのプロである審査員たちが、1次審査で提出したデザイン画をどこまで実現できているのか、どんな素材を使っているのか、といった点だけでなく、縫製方法など細部まで1作品1作品を確認していきます。
12月1日に行われた最終審査会は、約600人の観客がいる会場で一次審査会を通過した作品をモデルが着用し、ファッションショー形式でお披露目されました。様々な古着を素材として出来上がった作品とは思えない作品が並びました。『Reclothes Cup 2024』特別審査員として参加した世界的に有名なファッションデザイナー「beautiful people」の熊切 秀典氏も「僕たちの場合、自分が思い描いたデザインを具現化するために、素材を見つけ制作するが、このコンテストは、限られた古着の中からデザインを具現化しないといけないのでとても難しい。そういった制約がある中で、どれも素晴らしいクオリティの作品が並んでいる」と全作品を高く評価しました。
コンテスト開催を通じて、社会問題を考えるきっかけに
『Reclothes Cup 2024』の「デザイン部門」グランプリは、北海道文化服装専門学校の高橋 百花さんが受賞。「Bumpy(でこぼこな)」といった作品テーマで、挫折や成功を繰り返し、目標に向かってスポーツをしている人の姿を凹凸を使って表現した作品を制作。北海道ならではの、ウィンタースポーツウェアや手袋なども取り入れ、スポーティさを演出した。
リユース事業に携わるブックオフコーポレーションは、『Reclothes Cup』を通して、衣服ロス(ファッションロス)を考えるきっかけ、しいては解決に寄与する一つの取り組みとして、今後も『Reclohtes Cup』を開催し続けることを表明していました。いま起きている社会問題へのアプローチのみならず、開催し続けることへの熱い思いについて『Reclothes Cup』運営事務局長の山田 美有氏は語っていました。「このコンテストを続けることで、服飾に携わる学生たちの創作を披露する場を提供し、自分の作品を見てもらう楽しさや喜びを感じてほしい。将来的には、ファッションデザイナーの登竜門となるコンテストになっていけるよう頑張ります!」と笑顔で展望を語っていました。回を重ねるごとにエントリー数、志す学生たちも増える『Reclothes Cup』、来年はどんな作品が集まるのか楽しみです。