アシックスが、日本経済新聞社が主催する「第4回日経統合報告書アワード 2024」で優秀賞を受賞しました。アシックスが「日経統合報告書アワード」を受賞するのは今回が初めてです。
同社のめざす姿や、持続可能な成長に向けた価値創造の取り組みをわかりやすく伝え、高い評価を受けました。
「日経統合報告書アワード」って?

「日経統合報告書アワード」は、日本企業の発行するアニュアルリポートのさらなる充実と普及を目的に1998年に設立された「日経アニュアルリポートアウォード」が2021年度に改称されたもの。現役のファンドマネジャーやアナリストが、応募企業のアニュアルリポート・統合報告書を複数の項目別に審査し、特に優れたものを選出します。
いかに課題を乗り越え成長していくのかを自らの言葉で説明
アシックスは、ステークホルダーとの重要なコミュニケーションツールとして、2020年から統合報告書(2019年以前は「AnnUAL REPORT」)を発行しています。ここでアシックスは、同社のめざす姿や、持続可能な成長に向けた価値創造の取り組みを体系的に理解してもらうため、財務情報と非財務情報を事業戦略とともにわかりやすく伝えることをめざしています。
「統合報告書2023」は、アシックスの課題や弱みにもしっかりと向き合った内容になっており、いかに課題を乗り越え成長していくのかを新しいマネジメント体制の面々がそれぞれの持ち場での戦略を自らの言葉で具体的に説明しています。
「働きがいも経済成長も」、「産業と技術革新の基盤をつくろう」にも寄与
今回アシックスが優秀賞に選定されるにあたり、評価された点はいくつかありましたが、その中に「長期ビジョンに基づき、自社の経営資本の強み(人材やDXの取り組みなど)をしっかりと示しグローバル展開の戦略を明確にしている」というものがありました。

このことは、SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」の達成に大きく寄与するといえます。良い人材が集まる会社は、整った労働環境であり、働きがいのある職場であると考えられます。そしてDX活用により業務の効率化や生産性向上を進めることで、持続的な経済成長に貢献できます。さらにグローバル展開を通じ、新興国での雇用創出や経済発展にも寄与することができます。
それだけではありません。DX推進により、デジタル技術を活用した新しいビジネスモデルやイノベーションを創出していくことは、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」にも繋がります。
アシックスでは、「統合報告書2023」の作成に60名以上のメンバーが携わったといいます。自社の取り組みをこうした報告書のかたちで対外的に示していくことは、企業のより良い成長のために重要なことだといえます。アシックスの常務執行役員CFOであり、統合報告書担当役員の林晃司氏は、「アシックスは今後も統合報告書のさらなる充実に努め、企業価値の向上をめざす」と語っています。
製品だけでなく、企業としての魅力がますます高まるアシックスに今後も注目です。
執筆/フリーライター Yuki Katagiri