2026年春に入学するお子さん用のランドセル選びが本格化するシーズンですね。各メーカーからは毎年この時期に新モデルが発表され、予約・販売がスタートします。ランドセルの購入時期は5月がピークだそうですが、昔に比べて検討・購入のタイミングが早くなっている印象です。
パイナップルの葉が主原料の素材を使用したランドセル「パイナセル」
パイナップルの葉からできた素材を使用した地球にやさしいランドセル「パイナセル」をご存知でしょうか。ランドセルの大手メーカー、セイバンが販売しているこの「パイナセル」は、パイナップルの収穫時に廃棄される葉から繊維を取り出し、粉砕して、水性の無溶剤ポリウレタンを混ぜ合わせて加工した「パイナップル由来の素材」を使用しています。スウェードのような独特な質感を持ち、マットでやさしい風合いが特徴のランドセルです。

“自然とともにある暮らし”をテーマに、パイナップルから連想したナチュラルで温かみのあるカラー展開をしている「パイナセル」に、今年2月から新色の「パステルブルー」が登場しました。グレー、グリーン、ベージュと合わせて全4色のカラーバリエーションとなります。

新色「パステルブルー」は、パイナップル由来の素材ならではの独特の風合いを活かして、みんなに愛されるやさしい色であることから採用されました。パイナップルの産地である東南アジアの空や海など、豊かな自然を連想させるさわやかな青色が印象的ですよね。
パイナセルは、カラーごとにカブセ裏のデザインが違うことが特徴ですが、新色パステルブルーは自然豊かな国のきれいな朝の空気をイメージした「朝霧」のデザインが描かれています。

㈱セイバンのランドセル事業部の都野瞳さんは、「新色に限らず、パイナセルを手に取っていただくことで、身近なもので鞄がつくられているという意外性から、子どもたちの想像力や好奇心の種となってもらえればと考えています」とコメントしています。
CO2削減に繋がる環境にやさしい植物由来の素材
パイナセルで使われている素材は、動物由来の原材料を使っていない人工的な皮革です。パイナセルは、石油などと合成した有機顔料を使わずに色出しをしていることも特徴です。セイバンによると、ランドセル1本あたり約13kgのCO2削減につながっており、削減量は牛革の約40分の1に抑えられているといいます。
繊維・ファッション業界は、製造にかかる資源やエネルギー使用の増加で環境負荷が非常に大きい産業と言われています。未来を担う子どもたちがパイナセルを使うことで、その小さな背中から再生素材を身近に感じ、サステナビリティへの関心が生まれるといいですよね。

思い出が詰まったランドセルを、感謝の気持ちがこもったアイテムにリメイク
近年は、使い終えたランドセルをさまざまなアイテムにリメイクするサービスが人気です。セイバンでも長財布やキーケースなど毎日使えるグッズにリメイクする「天使のはねランドセルリメイク」サービスを受け付けています。
小学校6年間の想い出がいっぱい詰まったランドセルをカタチとして残すにあたっては、“ランドセルと同じように毎日使ってもらいたい”という想いから、長財布、キーケース、パスケース、キーホルダーの4つがセットとなっています。

ランドセルの顔であるカブセの部分は長財布に、デザインが特徴的なサイド部分は左右それぞれをパスケースとキーケースに、6年間カラダを支えていてくれた肩ベルト部分はキーホルダーへとリメイクされるそうですよ。お子さんが使うのはもちろん、家族で共有してもよさそうです。
また、おじいちゃんやおばあちゃんへのプレゼントにも喜ばれているようです。日本鞄協会ランドセル工業会が行ったランドセル購入に関する調査によると、ランドセルの支払いは「祖父母」が54.5%という結果が出ています。6年間使ったランドセルを、買ってくれた大切な人への贈り物に作り替えるって素敵なリサイクルだと思いませんか?

「ラン活」という言葉まで生まれるまでになったランドセル選び。お子さんが6年間ほぼ毎日使うものですから、親御さんにとっても重要なイベントです。色やデザイン、価格など、購入の決め手となる理由の一つに、今後は“サステナブル”というポイントも重要視されていく時代になっていくような気がします。
執筆/フリーライター こだまゆき