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「エキュート秋葉原」に誕生した“バーチャル空間”が描く未来とは


この記事に該当する目標
8 働きがいも経済成長も 9 産業と技術革新の基盤をつくろう 10 人や国の不平等をなくそう 11 住み続けられるまちづくりを
「エキュート秋葉原」に誕生した“バーチャル空間”が描く未来とは

JR秋葉原駅構内のエキナカ商業施設「エキュート秋葉原」に、仮想空間を活用した新たなプロジェクトが誕生しました。4月2日より公開された「Parallel ecute -Akihabara-」は、リアルとバーチャルの境界を越えた新しい買い物体験を提供する取り組みです。生成AIとメタバース技術を駆使することで、これまでの商業施設のあり方に変革をもたらしています。

労働力不足と多様なニーズに応えるバーチャル導入

エキュート秋葉原は、「持続可能な次世代型商業施設」として新たな挑戦を掲げています。
その一環として導入されたのが、バーチャル空間「Parallel ecute -Akihabara-」です。

この導入の背景には、近年ますます深刻化する労働力不足の課題があります。仮想空間上のAIコンシェルジュにより、人手不足の補完を図るだけでなく、キャラクターを介在させることで、一人ひとりの利用者に寄り添った商品やイベントの提案が可能になります。結果として、より楽しく、個別最適化されたショッピング体験を実現することが目的です。

また、訪日外国人とショップスタッフのコミュニケーションを円滑にする役割も担っています。会話データの活用により、より精度の高いレコメンドや施設サービスの向上にもつながっていくことが期待されています。

仮想空間が生む「誰もが参加できる」駅ナカ体験

❶バーチャル空間でエキュート秋葉原を体験できる「3Dワールド」
「Parallel ecute -Akihabara-」は、バーチャル上で“もう一つのエキュート秋葉原”を体験できる3D空間です。ユーザーは、PCやスマートフォンからいつでもアクセス可能で、施設内を自由に歩き回るように移動できます。施設へ訪れる前の予習に、足を運んだ際の地図代わりにも、ご活用いただけます。

❷お買い物をサポートする「AIコンシェルジュ」
訪日外国人が多い立地特性を踏まえ、日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語の4言語に対応しています。さらに、ユーザーの対話内容に応じておすすめの商品や店舗、施設内イベントの情報を提示し、個々のニーズに合わせた情報提供を行います。
例えば、エキュート秋葉原の営業時間や、よくお寄せいただく施設に関するご質問など、施設全体に関する回答が可能です。施設に足を運ぶ前に、お買い物の計画に役立てることが可能です。

共創パートナーのコメントに見る展望

今回の取り組みの始動にあたっては、各社からコメントも寄せられています。

●株式会社JR東日本クロスステーション デベロップメントカンパニー
  新事業戦略部 部長/播田 行博(はりた ゆきひろ)

エキュート秋葉原が目指す「次世代型商業施設」の実現に向け、「リアルを超えたビジネスフィールドの拡大」「リアルでもネットでも活用できるインフォメーション機能」「新たなPR手法・販促手法の確立」という方向性を定め、その具体的な取り組みとしてメタバースを運用することを決めました。
そして、当社が重要だと考えていた「エキュートのブランドイメージに合わせたメタバース空間」を実現していただけるたきコーポレーションと様々な議論を重ね、生まれたのが「生成AI+メタバース」を活用した「Parallel ecute -Akihabara-」です。

機能はこれから随時拡大していく予定ですが、現段階でも従来のHPやメタバース空間では提供できなかった「リアルのイメージが掴みやすい空間」「わかりやすい案内や情報提供」、一方でバーチャル空間ならではの「遊び心」のある施設案内を実現することができました。
ぜひ現地に来る前も、来た後も「Parallel ecute -Akihabara-」を片手にエキュート秋葉原をお楽しみください。

●株式会社たきコーポレーション
  ZERO事業部 生成AI&メタバース事業開発室 執行役員/竹嶋 晋 (たけしま すすむ)

私はかねてから「新しい技術こそブランディングプロセスが重要」と考え、共感してくださった播田部長からお声掛けいただき開発に参加させていただきました。このサービスは生成AIと3D空間を組み合わせた、日本でも最先端な「一歩未来のサービス」です。

このサービスがこれまでと全く違う点は「事業者が伝えたいことを提示する」から「お客さまの知りたいことにお応えする」お客さま起点のサービスであることです。そして開発で大切にしたことは一つ、「エキュートらしい新たなサービスでエキュートのパーパスである『エキのひととき ちょっと、もっと、ずっと、』を実装」することです。

生成AIは使い、育てていく技術です。お客さまにとって「新たなサービス」から「当たり前のサービス」へ。もっとお客さまのために、ずっと取り組み続けます!

テクノロジーが導く未来の都市とのつながり

今回の取り組みは、単なる商業施設の仮想化ではなく、より広い意味での“都市との新たな関わり方”を提示しているのではないでしょうか。リアルに訪れることができない人々が、仮想空間を通して文化・商業・情報にアクセスできる社会の実現は、まさにSDGsの掲げる「誰一人取り残さない社会」に通じています。

今後、観光地や地方都市との連携、教育や医療との接続など、さらなる展開が期待されるバーチャル技術。秋葉原発の試みが、新しい都市と人の関係性を再定義していく第一歩になるかもしれません。