2025 年 4 月に開校する通信制高校サポート校 HR 高等学院を運営する株式会社RePlayceは、 1 月 23 日にメディア向け発表会を開催しました。株式会社RePlayceは、NTTドコモの新規事業から生まれたスタートアップ企業として、中高生向けキャリア探究サービスを運営しています。発表会では、特別ゲストに小島よしおさん、株式会社NTTドコモ 総務人事部 採用担当部長 朝生雅人さん、HR高等学院の講師を代表して、ギャルマインドを軸にした起業家バブリーさんが登壇。4月の開校に向け進学を考える高校生に向けたメッセージを送りました。
SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」では、2030年までに誰もが公平に質の高い教育機会を与えられるような仕組みづくりに寄与することが求められています。社会での適応に悩む学生や金銭面で適切な教育を受けづらい環境にある学生、高校生のうちからやりたいことに挑戦する志がある学生や社会人と積極的に関わりたい学生など、様々な思いを持った若者が集う場が通信制高校です。
今回は、年々盛り上がりを見せる通信制高校サポート校について、通信制高校サポート校「HR高等学院」とはどんな学校か、Quality of careerを高めるために「HR高等学院」が果たす役割についてをご紹介します。
近年、通信制高校に通う生徒数が増加!
近年、通信制高校及び通信制高校サポート校の数は急上昇しています。文部科学省の2024年度学校基本調査によると、通信制高校在籍生徒数は、29万87人(前年比9.5%増)となり過去最高生徒数を更新。10年前のおよそ1.7倍にまで増加し、日本の高校生の約11人に1人が通信制高校に通っています。
文部科学省学校基本調査をもとに東京個別指導学院が作成一方で、全日制高校は過去30年で減少を続けています。このような減少の原因の一つが、高校生が抱える「将来やりたいこと」への不安です。日本の学生は社会との接点が少なく、自分の将来のイメージが湧きづらい環境にあります。山本氏は、「高校生で親と先生以外に進路を相談する人は8%しかいない」と話しており、将来に対して希望を抱くことができず、前向きになれない高校生の存在がこうした社会現象を生んでいると考えます。
そこで、現在注目されているのが「自由に柔軟に学べる」通信制高校です。人気な理由は大きく3つあります。1つ目は、パーソナライズな学び。イノベーター養成講座やeスポーツ、学校内コンテストなど、既存の全日制高校にはないプログラムを提供する学校が出現し、コロナ後、学ぶ環境が大幅に変化。既存の一斉一律の学校教育に疑問を持つ生徒にとっての新たな選択肢の1つになっています。2つ目が、ハイブリッドな学び。通信制高校では、早くからインターネットを介したオンライン学習が取り入れられています。リアルタイムでの授業配信や、オンデマンド動画教材の視聴、学習アプリの活用などで、場所を選ばず自分のペースで学習を進められ、ICT教育にも一役買っています。3つ目は高校卒業資格の習得。自分の学習ペースでも卒業要件を満たすことで、高校卒業の資格を得ることが可能となります。高卒以上を必要資格にしている求人にも応募することができ、大学や専門学校などの受験資格も得ることができます。
これらの理由から通信制高校は年々人気が高まり、2025年4月は過去最高の29校(私立25校、公立4校)が開校する予定です。
文部科学省学校基本調査をもとに東京個別指導学院が作成2025年4月開校!通信制高校サポート校「HR高等学院」とは?
そもそも「通信制高校サポート校」とは何かご存じない方もいるのではないでしょうか?通信制高校サポート校は、通信制高校に通う生徒に対して、個々に学習面や精神面での支援を行う教育機関です。通信制高校と提携することで高校卒業の資格を得ることができます。
「HR高等学院」は、そんな通信制高校サポート校の一つであり、従来の学校の価値観とは違う新しい学びの環境を創り出す場として2025年4月に開校します。由来は、「人材開発(Human Resource)」と「はたらく(HataRaku)」からきています。発表会の中で、CEO山本将裕氏は、「まずは、学校現場の中で人材開発をしながら学生一人ひとりが自律的に成長する世界を作りたい。そして、ポジティブに楽しく働くことで人生が豊かになると思える学生を一人でも増やしていくという想いを込めてこの名前にしました」と語りました。
そんなHR高等学院が目指すのは「日本一実社会と近い学校」。協賛企業と連携しながら、リアルな社会での課題解決を実践的に学ぶ機会を提供します。また、通信制高校大手として実績のあるカシマ教育グループの「鹿島山北高等学校」と提携を行い、高校卒業資格の取得とその先の大学進学等の進路選択をサポートしていきます。

Quality of careerを高めるために「HR高等学院」が果たす役割とは
SDGs目標4に掲げられている「質の高い教育をみんなに」では、だれもが平等に質の高い教育を受けられる環境をつくることが求められています。そんな中、HR高等学院が社会に果たしている役割とは何でしょうか?
HR高等学院の大きな特徴は「先生がいない学校」であることです。HR高等学院では、社会に一番近い学校として、先生がいない代わりに第一線で自らの道を切り拓いてきた企業のトップランナーたちが特別講師となり授業を行います。リアルタイムでの質問や対話を通じて「これからの時代を楽しく生き抜くため」のマインドやスキルを身につけ、自分の心に残る学びや経験を得ることができます。
発表会では、トップランナー講師を代表して、CGOドットコム総⻑バブリー氏が登壇。開校後には、バブリー氏が考案するギャル式ブレストを活用した授業を高校生向けに実施する予定です。バブリー氏はギャルのマインドについて「自分の意志を持って自己決定していく力っていうのがどこの業界でも求められている部分だと思っていて、そこをポップにギャルマインドと呼んでいます。社員が自立するためにギャルマインドが必要だと捉えている方も企業も多いし、そういう人材を育てたい風潮になってきているのを感じます」と語りました。

そして同じく発表会に登壇した、採用現場の第一線で活躍されているNTTドコモ人事部⻑朝生雅人氏は、企業が求める採用基準について「どこで学んできたかというよりは、何をやってきたか、ということを見るようにしています。正解を求めるという領域はもうAIができるようになってきているので、社会で多くの経験を積んできた人たちが我々が求める人材です」と回答。バブリー氏のマインド講義は、一般的な高校では学ぶ機会が少ない授業内容ですが、実際に企業側は学生の「挑戦心」や「行動力」を重要視しているということが伺えます。「今だからこそ企業のトップランナーと触れ合い、刺激され、社会に出てみようという若者が増えていく必要がある」と朝生氏は語りました。

他にもHR高等学院では、日本を代表する提携企業と共に、次世代の教育を担っていく仕組みづくりを行っています。具体的な提携企業には、LOTTEやmixi、CHINTAIなど名だたる企業がいます。「企業連携PBL」という高校生が様々な企業が抱えるリアルな課題を知り、解決のアイデアをチームで創造するプロジェクトを通して、提携企業のリアルな課題解決に挑戦する機会を作っています。企業の実践的な課題解決に取り組むことで、社会で活きる実践力を身につけるだけでなく、将来のキャリアに繋がる豊富な人生経験が得ることができます。
こうしたHR高等学院が提供するプログラムによって、「先生と生徒」ではなく「実践者と学びの伴走者」、「正解を教える」ではなく「問いを立てる力を育む」といった、従来の教育の価値観とは違う新しい学びの環境を創ることを目指しています。これからの人生につながる成長体験に充てながら、自ら自分の道を切り拓く越境した学生を育てることがHR高等学院の果たす役割となります。
2025年4月の開校以降、他では味わうことができないキャリア探究の授業を幅広く展開していきます。2025年3月現在、1期生として入学予定者数は80名(うち16名が転入生)となっています。高校生の目に見えないマインドやスキルを伸ばし、日本の未来に「新しい価値」を生み出すイノベーター人材を育てるHR高等学院の今後に期待が高まります。気になる方は、ぜひホームページをチェックしてみてください。
「HR高等学院」公式HP