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SHOW CASE

世界進出の起点・横浜から次世代へ文化を発信。トヨタグループが手掛ける没入型アート空間「THE MOVEUM YOKOHAMA」


この記事に該当する目標
4 質の高い教育をみんなに 12 つくる責任つかう責任
世界進出の起点・横浜から次世代へ文化を発信。トヨタグループが手掛ける没入型アート空間「THE MOVEUM YOKOHAMA」

持続可能な文化発信の新たな形

横浜市の山下ふ頭にて、かつての物流倉庫を舞台にした没入型イマーシブ・ミュージアム「THE MOVEUM YOKOHAMA by TOYOTA GROUP」が開催されています。自動車メーカーとして知られるトヨタグループが手掛けるこの大規模なアート空間は、同社が長年培ってきた文化・芸術支援(メセナ活動)の新たな試みといえるプロジェクトです。専門知識を持たなくても誰もが直感的に一流のアートに触れられる体験の提供は、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」に通じる、次世代に向けた持続可能な文化発信の新たな形として注目を集めています。

なぜモビリティ企業がアートの「場」をつくるのか

なぜ、モビリティカンパニーであるトヨタが横浜の地で最先端のアート空間を手掛けたのでしょうか。そこには、同社が長年継続してきたメセナ活動の歴史と、「表現する人たちへ活躍の場(器)を提供したい」という強い思いがあります。
トヨタはこれまで、地域のアマチュアオーケストラを応援する「トヨタコミュニティコンサート」など、40年以上にわたり全国各地で草の根の文化・芸術活動を支援してきました。自動車の製造・販売にとどまらず、社会を構成する一員として「豊かな社会づくり」に貢献することは、同社が掲げる重要なミッションです。特に文化教育の分野においては、優れた芸術に触れる機会を創出することが、次世代の想像力や多様な価値観を育むことにつながると捉えてきました。

今回のプロジェクトはその延長線上にあり、「良いことをやっている人がもっと報われてほしい。広く伝わるための“器”が必要ではないか」という豊田章男会長の思いが起点となっています。表現者たちが躍動し、人々の心に「感動(MOVE)」を届けるための新しい空間として、この“MOVEUM”が構想されました。長年のメセナ活動の精神を現代のテクノロジーでアップデートし、より多くの人へ届けるための壮大な挑戦の場として位置づけられています。

空間全体で体感する、最先端のアートプログラム

現在、会場では二つの没入型プログラムが展開されています。一つ目は、ウィーン世紀末を彩ったクリムトやシーレの作品を、高精細な映像技術と壮麗な音楽によって空間全体に投影する「THEATER PROGRAM」です。二つ目は、俳優の山口智子氏が10年かけて世界の音楽文化を映像に収めてきた「STUDIO PROGRAM『LISTEN. ONE MOMENT』」です。どちらも、圧倒的なスケールで来場者を包み込みます。

誰もが直感的に楽しめる、開かれた文化教育

従来の美術館で名画を鑑賞するスタイルは、時に美術史などの専門的な知識を必要とし、子どもたちやアートに馴染みのない方にはハードルが高い側面がありました。しかし、光や音、巨大な映像に全身が包み込まれる没入型アートであれば、予備知識がなくても直感的に「美しさ」や「迫力」を感じ取ることができます。
最先端のテクノロジーを用いて芸術への入り口を広く開放するこの取り組みは、あらゆる人に開かれた質の高い教育を提供する機会となっています。難解な説明を読み解くのではなく、五感で直接アートを「体験」することは、次世代を担う子どもたちの豊かな感性を育む上で新たな方法なのではないでしょうか。

「移動」から「感動」へ、持続可能な文化の継承

2025年12月20日からスタートした「THE MOVEUM YOKOHAMA」は、2026年3月31日(火)まで開催されています。港の古い物流倉庫を舞台に、長年培ってきたメセナ活動の理念と最先端のテクノロジーを融合させた本プロジェクト。単なるアートイベントという枠組みを超え、人々の心に“MOVE(感動)”をもたらすこの空間は、誰もが平等に質の高い文化に触れられる社会の実現に向けた、これからの企業による教育・文化支援の一つのロールモデルとなるはずです。