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SHOW CASE

「新年度の教室も、あの会議室も。石川県・小松市から届く「心地よい空間」の舞台裏」


この記事に該当する目標
9 産業と技術革新の基盤をつくろう 12 つくる責任つかう責任
「新年度の教室も、あの会議室も。石川県・小松市から届く「心地よい空間」の舞台裏」

3月、新たな「空間」が生まれる季節に

卒業、入学、入社、そして人事異動。3月は日本中で多くの人が新しい環境への一歩を踏み出す季節です。
学校の教室レイアウト変更や、オフィスの模様替え。私たちの身近な場所で、空間を新しく作り変えるために活躍しているのが「間仕切(パーティション)」です。

今回は、移動間仕切業界でトップシェアを誇る「小松ウオール工業」の心臓部、石川県小松市の工場にフォーカス。
普段は目にすることのない「壁」が作られる現場と、そこで実践されているサステナブルな取り組みを紹介します。

「壁は動かない」常識を覆す、可変空間の可能性

工場に入ってまず驚かされるのは、その圧倒的な広さと、整然と並ぶ巨大なパネルの数々です。

小松ウオール工業の主力製品は、会議室や宴会場などで見かける「大型移動壁(ランニングウォール)」。天井から吊られた巨大な壁が軽くスムーズに動き、広いホールを瞬時に複数の部屋へと変貌させます。

建築物を「長く使う」ためのSDGs

「建物を作っては壊す」スクラップ&ビルドの時代から、一つの建物を長く大切に使うストック活用型社会へ。
同社の移動間仕切は、用途に合わせて部屋の広さを変えられるため、リノベーションの際にも大掛かりな工事を必要としません。
「壁を動かす」ことは、空間の利用価値を最大化し、建物の寿命を延ばすこと。これこそが、メーカーとして取り組む本質的なSDGs(つくる責任、つかう責任)と言えます。

3月は「学校」の繁忙期。次世代を支える空間づくり

取材に訪れたこの時期、工場内は活気に満ちていました。特に学期末に向けて製造のピークを迎えるのが、学校用の間仕切やトイレブースです。

春休みを利用して行われる学校の改修工事。子どもたちが毎日使う教室のパーティションや、明るく清潔なトイレブースなどが、ここ小松の地から全国の学び舎へと送り出されていきます。
「子どもたちが安心して過ごせる空間を届ける」。工場で働く社員の方々の眼差しからは、そんな使命感が伝わってきました。

工場が生むのは製品だけではない。「資源循環」への挑戦

製造現場を歩くと、整理整頓が行き届いていることに気づきます。同社では「5S活動」を徹底しており、それが環境負荷低減にもつながっています。

端材を出さない、捨てない工夫

オーダーメイド生産が基本の間仕切製造では、どうしても端材が出やすくなります。しかし、小松ウオール工業では最新鋭の機械導入による歩留まりの向上や、発生した金属くず・木くずの分別リサイクルを徹底。
工場から出る廃棄物を極限まで減らす「ゼロエミッション」に向けた活動が日々行われています。

また、再生樹脂材を100%使用し、部材毎に分別できる工場用安全柵「マニスクリーン」や環境配慮型製品の展開も強化しており、自社工場だけではなく顧客の安全と環境にも貢献する製品を生み出しています。

変化する時代を「仕切る」力

「間仕切」は、単に空間を隔てるものではなく、空間と空間、人と人との関係性をデザインするツールでした。
3月、私たちが新しい環境で心地よくスタートを切れる背景には、こうしたモノづくりの現場と、環境への配慮がありました。

変化の激しい時代において、しなやかに空間を変え、環境負荷を抑えながら快適さを提供する小松ウオール工業。その技術は、これからのサステナブルな社会づくりにおいて、ますます重要な役割を担っていくはずです。

取材協力:小松ウオール工業株式会社
https://www.komatsuwall.co.jp/