• トップ
  • 記事一覧
  • 首里城再建を応援!2冠達成も生まれた日本酒品評会に見る地方創生の形
SHOW CASE

首里城再建を応援!2冠達成も生まれた日本酒品評会に見る地方創生の形


この記事に該当する目標
11 住み続けられるまちづくりを
首里城再建を応援!2冠達成も生まれた日本酒品評会に見る地方創生の形

2026年6月10日(水)、TAKANAWA GATEWAY CITY THE LINKPILLAR 1 SOUTHにて開催された「SAKE COMPETITION 2026」の表彰式を取材してきました。
日本全国から367もの酒蔵、1,000点以上(総出品数1,139点)のお酒が集まる世界最大級の品評会です。
会場は終始、素晴らしい熱気に包まれていました。

お酒の美味しさを競い合う華やかなイベントですが、実はその背景には、SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」に深く関わる、地方の伝統産業を守り、未来へと繋いでいくための素敵なストーリーがたくさん隠されています。

涙の2冠達成!ひたむきな努力が実を結んだ瞬間

今回の表彰式で最大の盛り上がりを見せたのが、奈良県の今西酒造株式会社による圧倒的な「2冠達成」です。
銘柄を完全に隠して品質だけで勝負する厳しい審査の中 、なんと「純米酒部門」と「純米吟醸部門」の両方で1位を獲得するという快挙を成し遂げました。

2014年以来となる2冠に、蔵元からは「信じられない気持ちで言葉が見当たらないです。この喜びを一緒に酒造りをしてくれている蔵人たちと分かち合いたいと思います」と、驚きと感謝の言葉が溢れ出していました。

かつて酒蔵がボロボロだった時代に、この大会で活躍する先輩たちの姿を見て「いつか自分もあの壇上に立ちたい」と夢を見て努力を続けてきたといいます。
ひたむきな酒造りへの情熱が実を結んだ感動的な瞬間でした。

首里城再建への祈りを込めて。特別開催の「泡盛部門」

そんな日本酒全体の熱気に負けないほど注目を集めていたのが、今回特別に設けられた「泡盛部門」です。
首里城の再建予定を記念して限定開催されたこの部門では 、沖縄県の有限会社比嘉酒造が手がける、古酒部門「ZANPA TORAKICHI 2022」が見事に1位に輝きました。

20年以上もの歳月をかけて熟成された古酒を3種類ブレンドしたという特別なお酒で 、蔵元は「沖縄の首里城も復活するので、日本酒の皆様に負けないように美味しいお酒作りをしている私たちの酒作りが、全国、そして世界の方々に知っていただける機会になれば」と、地元・沖縄への想いを笑顔で語ってくれました。

地方の小さな蔵から、世界の空へさらに、国内でも出荷量が限られている希少なお酒を海外へ発信するための「JAL 空飛ぶSAKE賞」には、宮城県の合名会社川敬商店が造る「たちばなや 純米吟醸」が選ばれました。

お父さまの代から続くブランドをコツコツと守り、リブランディングに励んできた蔵の努力が実り 、期間限定で国際線ビジネスクラスの機内酒として採用される予定です。

日本酒を通じた、新しい「まちづくり」の形

地方にある小さな酒蔵や伝統的な泡盛の造り手が、このような全国規模の、そして世界からも注目される舞台で正当に評価されることには、とても大きな社会的意味があると感じます。

SDGs目標11には「世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する」というターゲットが掲げられています。お米や水にこだわり、地域の気候とともに育まれてきた酒造りは、まさにその土地が誇る大切な「文化」そのものです。

首里城の復興を応援する泡盛部門の新設や 、知名度に左右されない公平なブラインド審査という仕組みは 、地方で真摯にお酒と向き合う造り手たちに大きな夢と働きがいを与えてくれます。

今回の発表会を取材して、グラスに注がれた一杯のお酒の向こう側には、地域の歴史や文化、そして蔵人たちが手を取り合って紡いできた美しいリレーの物語があるのだとあらためて実感できました。

スポーツなどと同じように、伝統文化をきっかけに地域を元気にしていこうという、新しい時代の「地方創生モデル」として、日本酒がこれからどのように世界を魅了していくのか。これからも優しく見守り、注目していきたいと思います。